表面処理
気孔率0.5%以下の皮膜を大気中で形成可能!ウォームスプレー装置の開発
埼玉県
プラズマ技研工業株式会社
2020年4月10日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 次世代コーティングプロセス(ウォームスプレー技術)の開発 |
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基盤技術分野 | 表面処理 |
対象となる産業分野 | 航空・宇宙、産業機械、工作機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上) |
キーワード | 溶射、スプレー、HVOF、Warm Spray、高圧HVOF |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
製鉄等の搬送ロールや発電用ガスタービンには、耐食、耐摩耗、耐酸化の目的で緻密・清浄な皮膜を大気中で大型部材に形成できるプロセスが求められている。申請者が試作して可能性を検討してきたウォームスプレー装置をさらに改良し、粒子温度1,000℃、速度1,000M/Sを同時に達成し、軟化固相粒子を高速度で基材に衝突させ、気孔率0.5%以下の皮膜を大気中で形成可能な次世代コーティングプロセスを開発する
開発した技術のポイント
気孔率0.5%以下の皮膜を大気中で形成可能なウォームスプレー装置の開発
・ウォームスプレー装置の開発→ガス温度500℃~粒子温度1,000℃、速度1,000m/sを同時に達成
・大気中での皮膜形成→気孔率0.5%以下
(新技術)
<ウォームスプレー法>
(特徴)
・粒子温度1,000℃、速度1,000m/sを同時に達成
・皮膜の気孔率0.5%以下
具体的な成果
・数値シミュレーションに基づいたトーチ設計指針を構築
‐直径30μmのチタン粒子で度1,000m/s、温度1,000℃以下を達成するトーチの設計指針を、一次元解析と常温ヘリウムと窒素ガスを用いた模擬実験結果から検討
‐直径30μmでは窒素ガス流量1,500slm以下の条件で速度・温度の条件を満足できること、直径10、20μmでは窒素ガス流量1,000slm以上で条件を満足できることが判明
・常用圧力5.0MPaのウォームスプレー装置を開発
‐新ウォームスプレー制御装置を開発、常用圧力5.0MPaの配管設計を行い、高圧ガス設備試験を受験し認定を受けることができた
‐装置評価として粒子速度の計測などに数時間の連続運転を実施しているが、部品の破損等は確認されていない
・粒子速度1,000m/s以上を確認
‐新ウォームスプレー装置の評価を実施
‐PIV装置を用いて粒子速度を測定した結果、1,000m/s以上の速度であることを確認‐粒子温度は、400℃~2000℃の範囲で温度測定をする技術が確立されていないことから実際の金属材料を溶射することにより検証する必要がある
知財出願や広報活動等の状況
新聞:日刊工業新聞「溶射技術の現状と今後の課題」(2012.3.7)
研究開発成果の利用シーン
・実用化に成功、H26年度の事業化見込み
・現在、皮膜サンプル作成依頼受付中
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・実用化に成功、H26年度の事業化見込み
・現在、皮膜サンプル作成依頼受付中
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、製品製造、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
・新方式の実現→今回開発した新型ウォームスプレー装置は、燃焼室圧力を従来機より4倍上昇、飛行粒子速度を1,000m/sを実現
・耐久性・耐摩耗性向上→新型ウォームスプレー装置で成膜したWC皮膜の硬度は、従来Hv1200のところHv1500以上の硬度を実現
・低コスト化→ColdSpray法で粒子速度を1,000m/s以上の速度にするためには、Heを用いなければならず、本装置を用いることによりガス使用コストを1/10に抑制
今後の実用化・事業化の見通し
部品改良を継続的に実施、H25年度下期より本格的に装置販売開始予定
・今回製作した新型ウォームスプレー装置を用いた皮膜の性能評価、装置の耐久性アップのための部品改良を継続
・また、顧客からの皮膜評価サンプルの作成を受注し、皮膜性能データーを蓄積していく
・H24年度に研究機関に1台納品し、装置の信頼性、本装置による皮膜の性能試験を行って頂く。H25年度下期より本格的に装置販売開始予定
実用化・事業化にあたっての課題
国内では、⾼圧ガス保安法の制限により装置を運⽤するのに⾼圧ガス取り扱いの許可申請が必要である。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | プラズマ技研工業株式会社 埼玉工場 |
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事業管理機関 | 公益財団法人埼玉県産業振興公社 |
研究等実施機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 構造材料研究拠点 接合・造形分野 積層スマート材料グループ 国立大学法人鹿児島大学 理⼯学研究科 機械⼯学専攻 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | プラズマ技研工業株式会社(法人番号:6013301026104) |
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事業内容 | 溶射加//、溶射装置販売 |
社員数 | 30 名 |
生産拠点 | 埼_///場 |
本社所在地 | 〒369-1214 埼玉県大里郡寄居町大字今市4-1 |
ホームページ | http://www.plasma.co.jp |
連絡先窓口 | 装置c/産部$/野直・ |
メールアドレス | ohno@plasma.co.jp |
電話番号 | 070-4819-4129 |
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