表面処理
常温かつ光源電力での安価な環境汚染ガス処理システムの開発により、処理コストおよびエネルギーコスト削減に貢献
北海道
株式会社ホクエイ
2020年4月14日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 環境汚染ガスを無害化するための、先進的な光触媒分解処理システムの開発 |
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基盤技術分野 | 表面処理 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、環境・エネルギー、食品 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(使用機器削減)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | 光触媒、脱臭、空気浄化、給食センター、VOC |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成24年度~平成26年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
環境汚染ガスは、悪臭、化学物質、浮遊菌など様々有り、健康被害や大気汚染の原因となる。近年、VCOガス排出が一部規制され、塗装業界で粉体塗料化など改良が成された。しかし、有機溶媒等を用いる業態は排ガス処理が必要で、安価でメンテナンス良好な処理法が求められる。そこで、分解能力が高く、安価で省エネルギーな光触媒処理システムの高度化を提案する。本分野は、未知用途を含め250億円以上の市場価値と想定する
開発した技術のポイント
光触媒方式の特性を生かして常温処理を遵守し、従来光触媒技術では成し得なかった除去能力の高い装置システムを開発する
(新技術)
光触媒方式の特徴である常温処理を遵守し、より除去能力の高い装置システムを開発する
(新技術の特徴)
高温での処理槽を設けず、常温+光源電力でのVOC処理が可能で、従来の光触媒装置より小型・高性能な装置である
具体的な成果
・新規な光触媒コート法(塗装方法)の開発
・汚染ガス除去装置の試作開発
・高活性な新規光触媒材料の研究開発
‐高活性な酸化チタン光触媒を設計手法を確立した
‐紫外線波長による光触媒反応の優位点を確認した
・触媒担体の多孔質化開発、表面分析
‐多孔質材料へのコート手法、表面観察手法を確立した
‐最も高性能になる製造ノウハウ(条件)を確立した
知財出願や広報活動等の状況
・サポイン終了後、数件の講演依頼や研究発表、また展示会による成果PRなどを実施した
(講演事例として以下参照、http://www.shikizai.org/seminar/15_07/toryo_advance.pdf、発表者:ホクエイ冨樫)
・サポイン終了後の追加での特許出願等は発生していない
研究開発成果の利用シーン
・常温かつ光源電力での環境汚染ガス処理が可能な、従来品より高い活性を有する新規光触媒材料
・環境汚染ガス除去装置の試作品
・主に脱臭用途として、各地域の給食センターの厨房排気向けに、大型光触媒脱臭装置が提供できるようになった
・また、プラスチック再処理工場から発生するVOCガス浄化用にも導入実績が出来た。これにはサポイン成果情報が大きく反映された
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・常温かつ光源電力のみでの稼動する環境汚染ガス処理について、光触媒装置及び触媒設計の大幅な技術改良により、従来品より高い活性を有する光触媒式汚染ガス除去システム(装置)を確立した
・UV-LED光源を用いた環境汚染ガス除去装置および設計の開発課題は、委託事業終了後も引き続き再検討を進める予定である
・しかし、平成30年から経営母体が変わり、事業継続問題が発生し、その影響にて現在は一部を縮小しての事業運営を余儀なくされている
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、素材・部品製造、製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
常温かつ光源電力での環境汚染ガス除去が可能となり、処理コストおよびエネルギーコスト削減に貢献
・従来の環境汚染ガス処理技術では、熱源のエネルギーコストや吸着剤の再生コストが問題であった
・既存よりも高い活性を有する新規光触媒材料を開発することで、従来の熱源を用いた高温下での処理槽を必要とせず、常温かつ光源電力で汚染ガス処理が可能となった
・主に処理コスト削減および電力コストの削減への寄与が可能である
・主な顧客用途として、給食センター向けの厨房排気処理、病理試験から派生するホルマリン臭の除去設備、プラスチック再処理工場等から派生する複合VOCガスの分解処理、動物管理施設から派生する悪臭の浄化、など
今後の実用化・事業化の見通し
・国内外市場の再調査、光触媒関連の製造環境の整理・改善、光触媒技術の専門員らの増員を行いながら、本プロジェクトでの協力体制の下、新技術の展開を行う予定である
・論文や発表、公的プレゼンなどを活用し、随時成果発表と新事業PRを実施していく予定である
・また、3件の特許の出願を進行中である(うち1件は出願・審査請求手続き済み:特願2013-48032)
実用化・事業化にあたっての課題
経営母体の変化に伴う事業継続等の可否を引き続き検討中であり、この先の事業規模がどのように推移するかは不透明な状態といえる
事業化に向けた提携や連携の希望
・まずは、担当者と新経営者側とで本事業に関する協議を終結させ、事業課題に取り組める体制作りが重要
・ただし現状は、少しでもリスクを追うような事業継続を避けるような経営方針である
・よって、他団体との連携等の話し合い以前の問題として、社内の事業継続問題の終結が最優先課題である
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ホクエイ 製造部 光触媒担当 |
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事業管理機関 | 一般社団法人北海道発明協会 |
研究等実施機関 | 国立大学法人北海道大学 触媒化学研究センター(現:触媒科学研究所)、大谷教授 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 産業技術研究本部工場試験場材料技術部、野村主幹 昭和タイタニウム株式会社 (現:昭和電工セラミックス)、平成29年に光触媒事業から完全撤退 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ホクエイ(法人番号:3010001197245) |
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事業内容 | 灯油ホームタンク、LPガス容器収納庫、農業機械、光触媒式ガス分解装置(脱臭装置)などの製造販売・技術サービス |
社員数 | 133 名 |
生産拠点 | 本社所在地と同じ |
本社所在地 | 〒007-0882 北海道札幌市東区北丘珠2条3丁目2番30号 |
ホームページ | http://hokuei.co.jp/ |
連絡先窓口 | 製造部光触媒担当 冨樫邦弘 |
メールアドレス | k-togashi@hokuei.co.jp |
電話番号 | 011-781-1299 |
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