表面処理
めっきプライマーインクと3D印刷技術の融合により、六価クロムを使用せずとも十分な密着強度を持つ、従来工程を大幅に短縮した部分めっきプロセスを開発
宮城県
ヤマセ電気株式会社
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | めっきプライマーインクと3D形状対応印刷技術による部分めっき技術の開発と自動車部品への応用 |
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基盤技術分野 | 表面処理 |
対象となる産業分野 | 自動車、スマート家電 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(小型化・軽量化)、高効率化(工程短縮)、環境配慮、低コスト化、デザイン性・意匠性の向上 |
キーワード | 部分めっき、環境負荷低減、意匠性向上 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成25年度~平成27年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
東北地域で生産されるコンパクト車と軽自動車との販売競争において、内外装の商品力向上は急務である。商品力を上げるアイテムの1つとしてめっきがあげられるが、部分的にめっきを施し意匠性を付与するにはコストが高くなる
開発した技術のポイント
「めっきプライマーインクによる従来工程数を大幅に削減する前処理法」と「3D形状対応印刷技術の導入」による新たな部分めっき工法
(新技術)
「めっきプライマーインクによる従来工程数を大幅に削減する前処理法」と「3D形状対応印刷技術の導入」による新規部分めっき工法
(新技術の特徴)
環境に配慮し、且つ工程を簡素化した低コストの部分めっき処理プロセスを内外装として採用可能となる
具体的な成果
・ABS基材に対して、ロールtoロール生産方式に対応した粘度特性、無電解めっき反応性、めっき密着性、耐久性を満たしためっきプライマーインク組成とその効果を発揮させる工法を開発した
・反応性、密着性が得られるメカニズムを明らかにし、PP(TSOP)基材専用のめっきプライマーインクも開発した
・3D形状対応印刷機と開発した転写ロールを用いることで、ABS用めっきプライマーインクを使用し、均一に塗布が可能で、めっき反応性及び密着性も良好であった
・ABS及びPP(TSOP)基材に対して、開発しためっきプライマーインクを塗布、乾燥・硬化後、均一に無電解銅めっきが塗布パターン通りに加工できるための前処理工程ならびに無電解銅めっき浴組成とめっき条件を確立した
・量産化時に安定した部分めっき加工が行えるよう、各工程の処理条件等の管理幅を決定した
研究開発成果の利用シーン
自動車メーカーの内外装部品等の立体形状の樹脂部品に対するめっき前処理法と部分めっき工法
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
現在、サポインで取り組んだ材料以外にも、PC材等への適用も検討し更なる材料適応性について取組み中。
また、自動車部品メーカ等に営業展開中。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造、共同研究・共同開発、技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
・めっき品質:高い密着強度、各種耐久試験クリア、高外観
・工程の大幅短縮:エッチング工程、触媒付与・活性化工程必要なし
・ワーク外側テーパー180~135°高さ10mmまで対応可能
今後の実用化・事業化の見通し
・ABS基材については平板や立体形状のテストピースにおいて、自動車メーカーのめっき品質および性能をクリアしていることから、各種展示会において、自動車メーカーの車両企画に提案し、製品形状にてめっき品質および性能を達成することで、採用提案を自動車メーカーの設計に実施し、採用候補アイテムとして検討を狙う
・現行方法で部分めっきを行っている内装品の置き換え需要をねらいつつ、これまで部分めっきが困難であったデザインや難めっき材への応用が可能であることを強くアピールする
・川下自動車メーカーでは工程を簡素化した低コストの部分めっき処理プロセスを開発し、「めっきを内外装として採用したい」に応えるべく、自動車部品への応用を先行する
・その後は、家電製品やサニタリー用品などの民生向けの加飾部品への他用途展開を図っていき、さらには、加飾以外に機能性をねらった用途も調査していく予定である
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | ヤマセ電気株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人みやぎ産業振興機構 |
研究等実施機関 | トヨタ自動車東日本株式会社 宮城県産業技術総合センター |
アドバイザー | トヨタ自動車東日本株式会社、イオックス株式会社、国立大学法人山形大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | ヤマセ電気株式会社(法人番号:9370201002428) |
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事業内容 | 製造業(電子部品製造) |
社員数 | 570 名 |
生産拠点 | 宮城県 |
本社所在地 | 〒987-0015 宮城県遠田郡美里町青生字柳原80 |
ホームページ | http://yamase-net.co.jp/ |
連絡先窓口 | 営業技術部 山田 学 |
メールアドレス | m-yamada@yamase-net.co.jp |
電話番号 | 0229-32-5663 |
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