表面処理
釉薬塗布技術の高度化がガラス層の光透過性を向上し、蓄光表示板の残光輝度向上と用途拡大を実現
大阪府
コドモエナジー株式会社
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 無電力で発光する蓄光陶磁器の高輝度化を目的とした釉薬塗布技術の高度化研究 |
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基盤技術分野 | 表面処理 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、建築物・構造物 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成24年度~平成26年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本研究開発では、避難誘導灯、健在タイル等に使用される蓄光陶磁器の輝度向上させることを目的として蓄光機能を付与する釉薬の塗布技術の高度化を行う。目標として、自社現行製品の1.5倍以上の残光輝度を有する蓄光陶磁器を開発する。さらに、厚膜化した蓄光ガラス層を適切な形状に加工し再構築することで、現行製品の5倍以上の残光高度を達成し、夜間の表示板、安全灯としての新規市場展開を図る
開発した技術のポイント
ガラス層の光透過性を向上させると同時に、蓄光顔料の分布を最適化できる釉薬塗布と焼成技術を開発する
(新技術)
・蓄光顔料とガラスフリットを混合、焼成して得られる蓄光板の焼成方法を改善する
・蓄光顔料と同等の屈折率分布を有するフリットガラスを開発する
(新技術の特徴)
ガラスの透明度が上がり、より高い残光輝度が達成される
具体的な成果
・最適膜構造の開発
-標準タイプ、高輝度タイプの最適設計を実施した
・ガラスフリットの開発
-ガラスフリットの組成開発と、蓄光顔料と焼成した場合のフリットの特性評価と改良を実施した
・塗布、熱処理方法の最適化
-最適形状加工方法を検討した
・製品の試作
-標準タイプ、超高輝度タイプを試作した
研究開発成果の利用シーン
・蓄光顔料と同等の屈折率分布を有するフリットガラス
・安全な避難誘導に利用が出来、省エネルギーでコストの負担を減らすことが出来る、蓄光素材を用いたセーフティサイン
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・蓄光顔料の屈折率の1.65近傍の屈折率を有し、蓄光顔料と混合・焼成して結晶化せず、透過性の高い蓄光ガラス複合体を得ることのできるガラスを開発した
・このガラスと蓄光顔料を混合して作製した複合体(蓄光顔料含有率10%)を用いて、短冊状のモデル品を試作し、平板状の同等体積のものより残光輝度が1.7倍程度向上することを見出した
製品・サービスのPRポイント
・蓄光顔料と同等の屈折率分布を有するフリットガラスにより、蓄光表示板の残光輝度が向上し、用途拡大も実現
-蓄光顔料が溶けにくい塗布方法で陶器表面上にガラスフリットと焼成し、釉薬塗布技術を高度化することでガラス層の光透過性向上が実現する
-JISZ9097津波避難誘導標識システムの一定の条件下で12時間後に10mcdの輝度を要する蓄光素材に適用される試験を14mcdの燐光輝度にて取得した
-これにより、無電力で発光する蓄光表示板の残光輝度が向上し、掲示板運用コストの低減に貢献する
今後の実用化・事業化の見通し
・今後、均一性の高い緻密な蓄光顔料を得、平板高輝度品の含有率の30%まで向上させて同等の構造物を試作する
・現在の基礎技術を基にしたノウハウで品質を確保・管理し、製品の量産化を前提とした高度化製造品質の実現を図る
・今後、国内的には建築・建設関連や工場、交通機関等をターゲットに、国外的には電力供給が充分でないASEAN地域を中心に市場販路を開拓し、蓄光という無電力の商品があることを市場にアピールし、事業化に向けて進めていく
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | コドモエナジー株式会社 大伍ラボ |
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事業管理機関 | コドモエナジー株式会社 |
研究等実施機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | コドモエナジー株式会社 |
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事業内容 | 高輝度蓄光製品「ルナウェア」の製造販売 |
本社所在地 | 〒535-0005 大阪府大阪市旭区赤川4丁目2番16号 |
ホームページ | http://www.codomo-e.co.jp/ |
連絡先窓口 | コドモエナジー株式会社 |
メールアドレス | info@codomo-e.co.jp |
電話番号 | 06-6924-6551 |
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