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複合・新機能材料

機械的特性、耐熱性を両立する新たなナノカーボン複合材により、次世代自動車部品の軽量化が可能に

愛知県

イイダ産業株式会社

2021年2月19日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 ナノカーボンを用いた耐熱性・放熱性に優れた熱可塑性樹脂の開発
基盤技術分野 複合・新機能材料
対象となる産業分野 環境・エネルギー、航空・宇宙、自動車、産業機械
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)
キーワード ナノカーボン、複合樹脂カバー、次世代自動車用部品、耐電磁波特性
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成22年度~平成24年度

プロジェクトの詳細

事業概要

HV、PHVおよびEV等の「次世代自動車」の普及が待望されている中、CO2削減、燃費向上等のために、車体の軽量化が求められている。しかし、それらに用いるモーター・バッテリーやインバータのカバーは、アルミ製で重く、車体の軽量化に対する障害となっている。本事業では、熱可塑性樹脂にナノカーボンを用いて、均一分散および濡れ性の良好な耐熱性・放熱性に優れた軽量化複合材料の研究開発を行う

開発した技術のポイント

熱可塑性樹脂にナノカーボンを均一分散させる技術を確立し、引張強度や曲げ強度などの機械的特性を確保しつつ、耐熱性、放熱性、耐熱衝撃性(ヒートショック性)等の物性を確保した樹脂を開発する

(新技術)
ナノカーボンを均一分散させた熱可塑性樹脂を開発する
(新技術の特徴)
新規樹脂は、機械的特性と耐熱性、放熱性、耐熱衝撃性(ヒートショック性)等の物性を兼ね備えている

具体的な成果

・樹脂セルレーション複合材の開発・解析
‐多層カーボンナノチューブ粉体(MWCNT)、炭素繊維等のフィラーを複合した高熱伝導の複合材を開発、特性を解析した
・開発した複合材の射出成形条件の確立、および良好な制振特性
・半導体製造用治具・ブレーキ用品への応用展開

研究開発成果の利用シーン

・十分な機械的特性・耐熱性等を有する、ナノカーボン複合材
・導電性や放熱性を付与した電磁波シールド材への適用

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・樹脂セルレーション複合材の開発により、軽量化、耐熱性、制振性、電気抵抗率、弾性率については目標値を達成したが、設計変更等により部品・製品全体でのコストダウンが必要であった
・応用について検証を行い、材料設計、成形法の改良・最適化等が必要であることを明らかにした

提携可能な製品・サービス内容

素材・部品製造

製品・サービスのPRポイント

新たなナノカーボン複合材の搭載による次世代自動車部品の軽量化・燃費の向上
・熱可塑性樹脂にナノカーボンを均一分散(解繊化)させ、機械的特性・耐熱性等の特性を両立する新たな複合材を開発した
・射出成形を行っても、機械的特性、耐熱性等の物性を満たし、ブレーキピストンへの応用も可能である
導電性が良好な電磁波シールド材の開発による顧客の拡大
・ナノカーボンの均一分散(解繊)で良好な導電性を付与することにより、プリント基板等の半導体部品に対して、ほこりの付着や静電気を帯びない格納用コンテナ材への適用が可能になった
放熱特性の優れた新規材料の開発による市場の拡大
・樹脂/ナノカーボン(CNT)複合系だけでは、なかなか、放熱特性が優れなかったが、炭素繊維との併用で、約3倍の放熱特性が得られた

今後の実用化・事業化の見通し

・次世代自動車用部品への実用化・事業化については、従来通り、要求品質やコストを鑑みながら遂行していくが、なかなか目標値が高いので、予定よりは若干遅れが見込まれる
・なお、高付加価値が見込まれる用途である石油探索・掘削機用パッキンや動的(ダイナミック)シール材などには、セルレーション技術を活用出来るので、実用化・事業化が近道であると想定される

実用化・事業化にあたっての課題

・川下企業からの技術的課題レベルが年々、高くなり、追従していく事の難易度が上がっている。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 イイダ産業株式会社
事業管理機関 公益財団法人名古屋産業科学研究所
研究等実施機関 日信工業株式会社
学校法人名古屋電気学園愛知工業大学
国立大学法人信州大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 イイダ産業株式会社(法人番号:5180001034082)
事業内容 (1)自動車用防音材、補強材、制振材などの開発・製造・販売(2)一般製品「ジェリラックス」「びくとも震」などの開発・製造・販売
社員数 298 名
本社所在地 〒492-8446 愛知県稲沢市目比町一町割759番
ホームページ http://www.orotex.co.jp
連絡先窓口 品質保証部三浦正晴
メールアドレス m-miura@orotex.co.jp
電話番号 0587-36-4651