情報処理
高精度画像処理による電線識別番号の認識、配線先指示、加工後の良否判別、コネクタピン挿入指示の器材化に成功
愛知県
東洋航空電子株式会社
2020年4月10日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 高密度配線組立の低コスト化器材・装置類の開発 |
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基盤技術分野 | 情報処理 |
対象となる産業分野 | 航空・宇宙、自動車、産業機械、工作機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減) |
キーワード | 画像処理、ニューラルネットワーク |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
近年の航空機では、構成機器の増加により、配線が高密度化していると共に、国際競争力から、低コスト・高品質化と、その保証体制が必須となっている。一方、製作工程では人手と目視に頼り、電線を仕分け、探す、加工状況を検査し、結果のみを紙に保存する等が散在している。これらに対し、精密で高速の画像処理で判別・記録する装置等を開発して、加工作業の容易・迅速化、検査の確実化・実像保存により、完璧品質を実現する
開発した技術のポイント
工程内で簡単に100%検査/実像記録が可能、更に工程中に散在する電線番号を確認して仕分け・配線する行為、コネクタピンの挿入時に該当位置探しを軽減できるシステムを開発する
(新技術)
・カメラによる画像撮影後のデータ処理の高精度化(人工神経ネットワーク)と高速処理化(FPGA)を行う
(新技術の特徴)
・文字を含んだ画像からの文字分を切り出し、高速高精度文字データ処理が可能となる
・微小な画像差の判別処理が可能となる
具体的な成果
・電線番号の読取・加工品質の自動記録部の開発(普通型、携帯型、小型卓上型の3種類を開発)
・電線識別番号の文字データ認識、画像での判別処理(傷等の判別)アルゴリズムの開発
・コネクタ組立のピン挿入指示・記録部の実験モデル開発
・コネクタ組立でのピン配列文字の認識、該当ピン位置の指示に関するアルゴリズムの検討又は実験モデル開発
・作業現場視点からの改善・改良点の洗い出し
‐第一次試作品及び実験室モデル試作品が完成し、この段階において試行・検証を行ったのち、更なる改良点を見出した
‐改良点を動作ソフトウエア(ファームウエア)及びアルゴリズム向上へと反映させた
知財出願や広報活動等の状況
論文発表
・田口亮,井上航,西郷知恭,保黒政大,梅崎太造,今井嘉之,野田新見,「高密度配線組立支援のための電線番号照合アルゴリズムの開発」,
第17回 画像の認識・理解シンポジウム,(2014)
・三谷大志,村瀬智光,加藤嗣,田口亮,保黒政大,梅崎太造,「航空機用高密度配線組立時における極細電線印字文字の高精度認識」,
第19回 画像センシングシンポジウム,(2013)
メディア
・2015年4月2日放送 5:00 - 6:30 NHK総合
NHKニュース おはよう日本 (リポート)
研究開発成果の利用シーン
・ピンの検査・被覆剥ぎ・クリアランス・カシメ形状の画像処理判定、細部の拡大
・電線番号読み取り・各種コード読み取り、トレーサビリテイ記録器
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
関係各社にデモを行い、航空・宇宙分野でもニーズがあることが分かった。
取りまとめ企業である東洋航空電子株式会社において、設備として使用し事業化を目指すべく取り組み中
提携可能な製品・サービス内容
試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術ライセンス、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
作業効率の向上に伴う生産性アップだけでなく、ワイヤーハーネスの品質向上による耐久性向上に貢献
・目視による小さく細い電線番号の読み難さを排除でき、作業性が向上する
・電線番号読み取り間違いによる作業中ロスを未然に防止することができる
・電線被覆剥ぎ後の傷及びコネクタ用ピンへの電線圧着後に異常を事前排除でき、ワイヤーハーネスの長期間使用を保証することが可能となる
ピン位置への装着ミスの減少に伴う作業効率向上・生産性向上に貢献
・高密度コネクタの各ピン位置に、ピン圧着済み電線を挿入する時に、各々の指定された位置を指示でき、作業性が向上する
・また、挿入後に、正しい位置であるかどうかを、現物画像と事前定義との自動照合により、挿入間違いを作業時点に排除
今後の実用化・事業化の見通し
・普通型電線番号読み取り器、小型電線番号読み取り器、携帯型電線番号読み取り器、コネクタピン位置指示器という4種器材の開発・試作を終え、事業化に向けて補完研究中である
・東洋航空電子株式会社は航空宇宙分野で高密度配線組立を製造しており、本器材のニーズ発信、ユーザーでもある
・補完研究においては、連携している株式会社アイキューブテクノロジ及び名古屋工業大学と共に推進中であり、使用・検証を十分行った上で外部販売を目指していく
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社アイキュ-ブテクノロジ |
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事業管理機関 | 公益財団法人科学技術交流財団 |
研究等実施機関 | 東洋航空電子株式会社 国立大学法人名古屋工業大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 東洋航空電子株式会社(法人番号:9180001080841) |
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事業内容 | 航空宇宙用高密度配線(ワイヤーハーネス)の製造、回路試験器製造、各種系統試験器製造等 |
社員数 | 204 名 |
本社所在地 | 〒484-0901 愛知県犬山市字柿畑63番地の1 |
ホームページ | http://www.tokoden.co.jp |
連絡先窓口 | 営業部 営業二課 課長 高橋秀典 |
メールアドレス | h-takahashi@tokoden.co.jp |
電話番号 | 0568-67-2160 |
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