文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. 2つの特殊機能押湯(湯口押湯、球状押湯)の設計最適化により押湯を削減

立体造形

2つの特殊機能押湯(湯口押湯、球状押湯)の設計最適化により押湯を削減

岐阜県

丹羽鋳造株式会社

2022年1月28日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 革新的高歩留り鋳造法を可能にする、経験値とITを融合した高効率鋳造方案設計支援システムの開発
基盤技術分野 立体造形
対象となる産業分野 自動車、産業機械
産業分野でのニーズ対応 高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化
キーワード 鋳造効率化、鋳造歩留、凝固モジュラス、押湯
事業化状況 事業化に成功し継続的な取引が続いている
事業実施年度 平成28年度~平成29年度

プロジェクトの詳細

事業概要

自動車を始めとする我が国の川下産業のグローバル競争力を向上させるためには、それを支える鋳造業の革新的なコスト削減が必要であるが、鋳物のコスト要因の一つである鋳造歩留りは50%程度に留まっており改善の本格的な取組みは見られない。そこで、本開発では、特殊機能押湯の実用化および経験値とITを融合した鋳造方案設計支援システムの開発により、溶解量の約30%を占める押湯の半減を図り、革新的なコスト削減を目指す

開発した技術のポイント

新製品・新規品の開発期間を短縮するとともに、鋳造工場における溶解量の約30%を占める押湯の半減(溶解量の15%削減)を目指して鋳造品のコストダウンを図り、川下産業のグローバル競争力強化に貢献する
(新技術)
・経験値とITを融合した高効率鋳造方案設計支援システム
・特殊機能鋳造方案(湯口押湯方案及び低ヘッド球状押湯方案)の標準化
・特殊シェルボールの製造技術
(新技術のポイント)
・鋳造技術に係る経験値とIT技術を融合させることにより、方案設計から量産開始までの時間を短縮できた
・特殊機能鋳造方案により高い鋳造歩留りを実現

具体的な成果

・押湯方案設計支援ツールを用いて、ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄、CV黒鉛鋳鉄の大物から小物までの13のモデルアイテムで特殊機能押湯を設計して試験を行い、現行量産品と同等の品質が得られる方案設計数値(湯口モジュラス比他)を得るとともに、検討したアイテムの3%~36%の鋳込み量削減効果を示した
・中実および中空シェルボールの製造技術を開発し、押湯に対するシェルボールの体積割合および押湯からの溶湯補給をアシストする膨張剤の配合割合を最適化した
・ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄、CV黒鉛鋳鉄の3材質で、湯口押湯方式及び低ヘッド球状押湯方式に掛かる鋳造方案データベースを構築し、鋳造方案設計支援システムを開発した

知財出願や広報活動等の状況

・特許出願2件(2019年2月出願)
・月刊誌「素形材」2018年(Vol.59) 10月号 p24-31
 森田茂田隆(森田技術士事務所)、坂井雄治(丹羽鋳造)、坂崎功英・平野春好(武山鋳造)、石川義信(旭メタルズ)、
 前田安郭、曽根孝明(瓢屋)、五家政人(ファンドリーテック・コンサルティング) 
・日本鋳造工学会第172回全国講演大会で発表(2018年10月13日)、発表者:上に同じ
・第100回三重県鋳造技術研究会で発表(2019年9月10日)、発表者:上に同じ

研究開発成果の利用シーン

・自動車、建設機械、産業機械などの鋳造品
・中小の鋳物工場でも活用できる鋳造方案設計支援システム

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

特殊機能押湯を用いた鋳造品について、参画した鋳造企業の一部では事業化を開始

提携可能な製品・サービス内容

素材・部品製造、ソフトウエア

製品・サービスのPRポイント

・特殊機能押湯を用いることにより、溶湯削減(コスト削減および省エネルギー)に加え、生産性向上の可能性も期待できる
丹羽鋳造では、特殊機能押湯(球状押湯)を用いて 従来押湯より20%(4.1kg→3.3kg)小さくでき 歩留60%→63%と溶湯量3%削減した
・鋳造方案設計支援システムの活用により、鋳造方案設計が従来よりも迅速に行える

今後の実用化・事業化の見通し

【鋳造方案設計支援システム:瓢屋】
・システム商品化の検討を進めており、令和2年度に上市を予定
【特殊機能押湯を用いた鋳造品:武山鋳造、丹羽鋳造、旭メタルズ】
・一部の鋳造企業では事業化を開始、また新規製品への適用についてはさらに検討が必要で補完研究中

実用化・事業化にあたっての課題

【特殊機能押湯を用いた鋳造品】実用化を進めてゆく中で 球状押湯、湯口押湯に不向きな製品形状があることがわかり、さらに深堀する必要がある

事業化に向けた提携や連携の希望

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 丹羽鋳造株式会社
武山鋳造株式会社
事業管理機関 一般財団法人素形材センター
研究等実施機関 旭メタルズ株式会社
株式会社瓢屋
学校法人大同学園大同大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 丹羽鋳造株式会社(法人番号:3200001004101)
事業内容 油圧部品、農機具部品、自動車部品の製造
社員数 164 名
生産拠点 岐阜県 関市、ベトナム ダナン市
本社所在地 〒501-3219 岐阜県関市のぞみヶ丘11‐1
ホームページ http://niwachuzo.co.jp/
連絡先窓口 生産技術課 坂井
メールアドレス sakai@niwachuzo.co.jp
電話番号 0575-21-6028