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バイオ

業務用炊飯での使用油脂の大幅削減を可能とする米糠由来乳化素材を用いた炊飯油の実用化開発

広島県

食協株式会社

2021年2月19日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 業務用炊飯での使用油脂の大幅削減を可能とする米糠由来乳化素材を用いた炊飯油の実用化開発
基盤技術分野 バイオ
対象となる産業分野 食品
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)
キーワード 米飯、炊飯油、乳化
事業化状況 実用化に成功し事業化間近
事業実施年度 平成27年度~平成29年度

プロジェクトの詳細

事業概要

本研究開発は、大型炊飯工場において炊飯時に利用される油脂削減についての強いニーズに応えることを目的に、米糠から抽出した素材の乳化能と、米糠の食品原材料としての安全性に着目し、米糠を原料とする乳化素材(以下、「米糠由来乳化素材」)の開発と、業務用炊飯での油脂の大幅削減を実現するための米糠由来乳化素材を利用した炊飯油の実用化開発を行う

開発した技術のポイント

天然素材で安全安心な米糠より抽出した乳化機能を持つ素材を利用し、釜内米飯への油脂分散性が高く、添加油脂量が大幅に削減できる新型炊飯油を開発する。

(新技術)
米糠由来の乳化素材を使用し、水に油脂を均一に分散させたエマルション型の新しいタイプの炊飯油

(新技術のポイント)
・食味の向上
・保存性の向上
・生産性の向上

具体的な成果

・研究開発を行う中で、ユーザーの重視するニーズは、米飯の物性改善(食味向上)や経時変化に抑制(保存性向上)にあり、油脂削減のニーズは大きくないことが分かった。
・開発した新型炊飯油は、下記3.1に示すように、釜内への油脂分散性が良く、それにより釜内の米飯品質が均一になるという特長により、食味の向上、保存性の向上、生産性の向上等が得られ、コスト的なメリットも得ることが可能となった。

知財出願や広報活動等の状況

平成30年11月8日付で、特許出願した。発明の名称と出願番号は以下の通り
発明の名称:水中油滴型乳化物および水中油滴型乳化物の製造方法
出願番号:特願2018-210276

研究開発成果の利用シーン

業務用炊飯工場で製造される米飯は、米飯の釜離れ性や計量性・成形性、また、歩留りを向上させるため、通常、炊飯油といわれる油脂が添加され製造されている。従来の炊飯油に比べ、開発した新型炊飯油は、炊飯油に求められる上記の機能が向上することに加え、米飯の品質の向上、例えば、食味の向上や老化の遅滞といったメリットを付与することができる。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

2020年度に試験販売を開始することを目標に掲げている。現在試作品ができ、性能面の顧客評価と市場評価を行っている段階にある。

提携可能な製品・サービス内容

製品製造

製品・サービスのPRポイント

開発した新型炊飯油を使用することで、以下のメリットを実現することができた。
・米飯品質の向上:釜内米飯への油脂分散性が非常によく、また、昇温速度も速いやめ、釜内の部位による米飯品質ムラが改善される。
・保存性の向上:米飯の糊化度が高く、時間経過による食味劣化が少ない。
・生産性の向上:表面の粘りや付着性が低いため、計量時の重量のバラつきが小さくなる。また、炊飯後の釜の底におねばや残さが多らず釜離れが良い。
・食味の向上:品質ムラが少なく、しっかり糊化され、粒立ちの良い米飯となる。また、市販炊飯油の独特の油脂の味がなく、食味が向上する。
・歩留り向上:従来品に比べ歩留りが向上する。
・炊飯に要するエネルギーが従来品に比べ削減できる。

今後の実用化・事業化の見通し

・2020年3月を目処に、設備投資計画、事業化計画をまとめ、2020年度より、試験販売を開始する計画にしている。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 食協株式会社 商品開発部
事業管理機関 公益財団法人ひろしま産業振興機構
研究等実施機関 国立大学法人鹿児島大学 農学部生物資源化学科
広島県立総合技術研究所 食品工業技術センター
公立大学法人県立広島大学 人間文化学部健康科学科
アドバイザー 株式会社サンヨーフーズ
キユーピー株式会社

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 食協株式会社(法人番号:7240001005001)
事業内容 米穀事業、食品事業、燃料事業、商品開発事業、宅配水事業
社員数 162 名
本社所在地 〒732-0826 広島県広島市南区松川町5-9
ホームページ http://www.shokkyo.co.jp/
連絡先窓口 商品開発部
メールアドレス watanabe-e@shokkyo.co.jp
電話番号 082-842-4820