バイオ
より生体に近い環境下で組織培養が実現可能
愛知県
高砂電気工業株式会社
2021年2月17日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 顕微鏡観察が可能な組織を透過した流れを発生させる灌流培養装置の研究開発 |
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基盤技術分野 | バイオ |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(小型化・軽量化)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(人件費削減) |
キーワード | 細胞培養、灌流培養、MPS |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 平成29年度~令和1年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
製薬業界において、ヒト組織をチップ上に培養・構成した臓器チップを薬効評価プロセスで活用し、現状の動物実験で生じる、種差による評価効率の改善や、倫理的問題の解決を求めるニーズが存在する。高砂電気工業株式会社において、これまで開発を進めてきた垂直型3次元灌流培養ユニットの技術を活かし、観察性、自動化対応など産業化を見据えた水平型3次元灌流培養プレートの開発を目指す。
開発した技術のポイント
・細胞・ゲル固定構造の導入
-複数種の細胞懸濁ゲルが、境界が明確な状態にて積層された状態で充填されることを目標とし、且つ常時内圧を一定に保つような機構とした。
-使用者の細胞播種操作の簡易性を考慮し、細胞培養部位と加圧保持部を取り外し可能なデバイス構想とした。
・加圧保持構造の最適化
-接続部にセプタム接続方式を採用し、培養中も加圧保持部のみを取り出して作業することが可能となった。
・評価試験機、本試作機の全体設計・製造
-長期的な灌流培養に対応するため加圧保持部から流れてきた廃液を再度、供給側の培地ボトルに送液出来るような機構を追加した。
-廃液ボトルのサイズ縮小・装置全体のサイズ縮小が可能となった。
具体的な成果
・水平型3次元灌流培養デバイスの開発
-培養組織を透過する方向に培地の送液を行うことで、培養組織深層部の培養成分供給と老廃物排出を効果的に実施するデバイスを開発した。
・灌流培養制御部の開発
-加圧制御による送液方法を採用したことで生体内圧を模倣し、内部圧を制御しつつ培地の灌流を行う装置を開発した。
・顕微鏡での観察
-観察面を倒立顕微鏡観察時の焦点距離を考慮して薄く設計し、流れ方向に対して水平に観察できることにより、上流から下流にかけての組織の変移を画像モニタリング可能なデバイスとなった。
・細胞組織の3次元加圧灌流培養
-足場材の種類によって組織を崩壊させることなく培養が可能であることが示唆された。今後より最適な足場材の選定を行っていく。
知財出願や広報活動等の状況
2019年3月に特許出願
特願 2019-057224 培養装置
研究開発成果の利用シーン
開発した灌流培養装置を用いることで、製薬企業の非臨床試験における動物実験を人工で作成したヒト組織で代替することが可能である。同時に、動物実験よりも評価サンプル数を増加させることができる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
装置の試作品を完成させたが、京都大学での細胞培養消化の結果、使用している足場材料に問題があることが判明したので、現在材料も専門家を含めたコンソーシアムを立ち上げ培養成果取得を目指している。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作
製品・サービスのPRポイント
開発した灌流培養装置を用いることで、生体内の環境を模倣し、薬剤応答を経時的にモニターすることができる。将来的には、現在製薬企業で行われている動物実験を人工で作成したヒト組織で代替し、新薬開発効率を向上させることが可能である。
今後の実用化・事業化の見通し
・作成した試作品の評価先を獲得するため、アドバイザーの既存顧客への紹介に加え、展示会、学会などへの出展を行う。
・マサチューセッツ州の支店をマーケティングの拠点とし、アメリカの展示会への出展、アメリカの大学や研究機関などとの関係構築を行っていく。
・インターネット上でのリスティング広告やホームページ上で専用のページを作成し、製品の詳細情報や動画などを掲載することで人的生産性の高い宣伝方法を検討する。
・アドバイザーであるCKD株式会社は製薬企業との強固なコネクションを持っているため、こちらを利用した関係構築も進めていく。
実用化・事業化にあたっての課題
・灌流を阻害することなく、且つ、細胞の組織化を促進する細胞の足場材料の新規開発、選定。
・培地のハンドリングをはじめ各構成技術の自動化。
・作成した試作品を評価し、有用性を示すこと。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 高砂電気工業株式会社 第二事業部 開発課、第二事業部 営業開発戦略部 |
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事業管理機関 | 高砂電気工業株式会社 第二事業部 開発課、第二事業部 営業開発戦略部 |
研究等実施機関 | 国立大学法人京都大学 工学研究科 特定准教授 鳥澤 勇介 |
アドバイザー | 株式会社高研 研究開発本部 研究所長 藤本 一朗 株式会社オーガンテクノロジーズ 研究部 部長 手塚 克成 CKD株式会社 新規事業開発室 第84開発プロジェクト 伊藤 雅 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 高砂電気工業株式会社(法人番号:2180001028392) |
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事業内容 | ソレノイドバルブ(電磁弁)およびポンプを中心とする流体制御機器の設計・製造・販売 |
社員数 | 257 名 |
生産拠点 | 本社(名古屋) |
本社所在地 | 〒458-8522 愛知県名古屋市緑区鳴海町杜若66 |
ホームページ | https://takasago-elec.co.jp/ |
連絡先窓口 | 高砂電気工業株式会社 未来創造カンパニー 先端技術開発課 川田 大輝 |
メールアドレス | d-kawata@takasago-elec.co.jp |
電話番号 | 052-891-2302 |
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