複合・新機能材料
1.高性能なハウス栽培用蓄熱資材の実用化推進
2.高機能蓄熱資材製造装置の量産技術確立
3.高性能蓄熱資材の省エネ効果確認と50%省エネ挑戦
兵庫県
株式会社ヤノ技研
2023年2月4日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 蛍光発光する蓄熱基材による温室栽培植物の育成促進と大幅省エネを実現する高機能農園芸システムの開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、環境・エネルギー、自動車、農業、情報通信、食品、建築物・構造物、エレクトロニクス |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | 省エネ温室、脱炭酸ガス化技術、ゼロエネルギー住宅・ビル、潜熱蓄熱材、IT、AI機器の冷却 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成27年度~平成29年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本研究開発では、太陽の光と熱を最大限に活用し、ハウス内を最適温度に維持できる蓄熱・放熱技術と光の波長を調整する技術を組合わせて、潜熱蓄熱材の蓄熱効率の向上や植物の光形態形成を促進する高機能な蓄熱資材を開発し、イチゴ、トマト等の栽培での実証試験を行う。ハウス栽培分野で求められている50%省エネ化技術と生産効率の向上による高収益化を達成できる蓄熱機能と波長変換機能を併せ持つ農業用資材の創製を目指す
開発した技術のポイント
潜熱蓄熱材の蓄熱効率向上および植物の光形態形成の促進で、農産物の増産と高品質化をする太陽光の熱と光を高効率に活用するハウス栽培用蓄熱資材を開発する
(新技術)
・一定温度の蓄熱容量が増大した高性能な蓄熱材
・積層構造と近赤外吸収色素を用いて、高効率な蓄熱効果を示す高機能蓄熱材
(新技術のポイント)
大容量容器の開発と近赤外吸収フィルムや遠赤色~近赤外光領域で蛍光を示す波長変換フィルムやジャケットの装着で実現を目指した
・新高熱伝導性(従来の2倍)潜熱蓄熱材による高効率蓄放熱性と体積当たり水の6倍の熱を一定温度で蓄放熱(コンパクトな省スペース公省エネ率50%暖房)する。
・大容量高効率蓄放熱カプセルで少ない枚数のコンパクト、省スペースな50%の高省エネ率暖房装置
・潜熱蓄熱材を従来の2倍入れることで、温室の過昇温を装置により最大室温を10~15℃低下させ、高齢者の労働環境の改善効果確認の実験中(長野県・大阪府公設農試)
・潜熱蓄熱材は無機化合物で構成しており、有機パラフィンより低コスト、不燃、体積当たり高蓄熱密度、低沸点揮発分なしで、長寿命からゼロエネルギー住宅・ビル利用に適している。
※ 高熱伝導性蓄熱材を開発(特許出願中)<別紙3-1>
具体的な成果
・高性能なハウス栽培用蓄熱資材の開発
‐大容量容器の開発による蓄熱容量を50%以上改善(寒地テスト中)
‐近赤外吸収フィルムの装着による集熱効果の改善
‐蛍光量子収率が47%以上の近赤外蛍光フィルムの開発
・高機能蓄熱資材製造システム装置の開発
‐潜熱蓄熱材自動注入封止装置の設計‐試作
‐量産運転条件で目標の蓄熱材の注入時間や密栓時間を達成
‐カプセルコストが想定の60%にコストダウン
・高性能蓄熱資材の省エネ効果と波長変換フィルムの効能評価
‐ハウス内最大昇温抑制効果が7℃(対照区温室比)を達成
‐温室使用燃料の35%の省エネ効果を達成(テスト中長野)
‐機能フィルムによるトマトやイチゴ果実の機能成分20%以上増加(テスト中長野)
知財出願や広報活動等の状況
・特許出願中:特願2019-19226←蓄熱材組成物(高熱伝導性蓄熱材関係)
研究開発成果の利用シーン
・脱炭酸ガス農業用高性能なハウス省エネ栽培用蓄熱資材
・上記高効率量産技術確立と販価低コスト化
・新しい用途、市場へのエネバンクカプセル拡販(バス位置情報システムIOTの冷却他)
・高性能なハウス栽培用蓄熱資材
・高機能蓄熱資材製造システム装置の維持運転コスト削減(省エネ対策)
・機能性ジャケット
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
1.量産技術の効率向上と安定操業技術向上で納期短縮(10日以内)を達成し、大幅なコスト低減をした。このことからゼロエネルギー住宅・ビル IT、AI市場での蓄熱材の保温、冷却利用を推進している。
2.事業実績を上げるために50%省エネの温室実施テストを大阪府・長野県農業試験場、宮崎県農業大学と福岡市でクボタアグリサービスと 実用テストを推進している。
3.光増感材の利用は効果を確認して活用を本格化する予定で、一部ブドウの色付け等でのテストを行っている。
4.2020年広島県三次市(ブドウ栽培農業組合へテスト導入)他出荷累計:100件に達した。以上より農業市場だけでなく、食品定温貯蔵輸送、水産事業(エビ養殖効率向上)、住宅・ビルのゼロエネルギー市場への展開も推進中。2020年IT等の回路冷却への市場拡大と量産による低コスト化(2500円/枚 BIB18℃→1500円/枚 BIB18℃)での拡大を図っている。大きな新市場開拓と省エネ温室導入補助金創設についてご支援ください。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、素材・部品製造、製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術ライセンス、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
・大容量潜熱カプセルに高熱伝導性(従来の2倍以上)蓄熱材を充填し、低コスト、コンパクトな温室省エネ暖房装置の実証テスト(熊本県、長野県、大阪府、宮崎県)推進中。
目標省エネ率50%/シーズンと作物生育増進(H30、R1,2年)効果テスト中。
・本エネバンク蓄熱カプセルの特長を生かした養殖水産(エビ他)、キノコ、花等の栽培利用に拡大を図る。
・住宅・ビルのゼロエネルギー化複合蓄熱建材の技術開発と市場への進出。
・IT部品の排熱回収等によるIT市場への進出
・ハウス栽培分野で求められている大容量蓄熱資材で燃料費の大きな省エネ効果(50%)を実現する
・波長変換フィルム等でトマトやイチゴの機能成分の増加
今後の実用化・事業化の見通し
・大容量化蓄熱資材で温室使用燃料の35%の省エネ効果を達成することができたこと、連続生産が開発した潜熱蓄熱材自動注入封止装置で設計通りの性能で、可能になった
・蓄熱資材のリースシステム内容も含めて本事業の成果を紹介し、順次製品の販売を行い、量産安定化、品質安定化等のノウハウを蓄積し、実績を固める
・施設農業の脱炭酸ガス化への貢献(当面省エネ率:50%達成目標)
・無機化合物の特長(不燃、低公害、高密度蓄熱、低コスト)を生かすゼロエネルギー住宅・ビル建築市場(経済相ナショプロでクボタ在籍中、 調査研究済)への展開
・交通機関、自動車、携帯電話等のIT回路の発熱を吸収処理する部材への展開を図る
上記に対応する量産技術とプラントはサポインで基礎開発済で、この供給能力と無機系潜熱蓄熱材(-20~87℃)を自社開発で蓄積した技術で新しい省エネ、脱炭酸ガス社会に貢献する
実用化・事業化にあたっての課題
市場展開が実用化テストを要する段階にあり、個人の負担では限界がきている。1/1の実用化テスト補助と協力企業との拡販等、事業支援。
事業化に向けた提携や連携の希望
当社は蓄熱を基盤にしており、市場開拓には幅広く国内の関係企業とサポイン技術の事業化を確実にするために、開発補助と新市場導入に対する連携をしたいので、ご支援ください。2~3年の初期助成を考えてほしい。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ヤノ技研 |
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事業管理機関 | 公立大学法人大阪(大阪府立大学) 研究推進本部 |
研究等実施機関 | 三光ライト工業株式会社 営業技術取締役本部長 酒寄治樹 奈良県農業研究開発センター 兵庫県立農林水産技術総合センター 公立大学法人大阪(大阪府立大学) |
アドバイザー | クボタアグリサービス株式会社 農業施設部 新規事業担当取締役 小田文明 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ヤノ技研(法人番号:400-01-082615) |
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事業内容 | 高性能蓄熱材料の研究開発、蓄熱カプセルの製造・販売、蓄熱を利用した各種の応用分野における共同開発とコンサルティング業務 |
社員数 | 4 名 |
生産拠点 | 兵庫県神戸市兵庫区和田山通1丁目2-25 神戸市ものづくり工場 D-403、404 |
本社所在地 | 〒665-0852 兵庫県宝塚市売布1丁目25番13号 |
ホームページ | http://www.yano-giken.com/ |
連絡先窓口 | 株式会社 ヤノ技研 代表取締役 矢野 直達 |
メールアドレス | yano@yano-giken.com |
電話番号 | 078-891-8225 |
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