立体造形
複合材成形装置をハイサイクル成形化する。同時に新しい複合材成形ビジネスを創出する
長野県
株式会社羽生田鉄工所
2020年3月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 高効率成形システムを有する複合材向けオートクレーブの研究開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、航空・宇宙、自動車、産業機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、デザイン性・意匠性の向上 |
キーワード | CFRP、炭素繊維、複合材、オートクレーブ、ハイサイクル成形 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成27年度~平成29年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
近年、連続繊維複合材の成形製品における需要は炭素繊維を中心に増大する一方である。これに伴い多品種少量での製品品質が最も優れるオートクレーブにおいてさえも、短納期、迅速・高速な成形、省電力、省エネルギー等の機能が強く要求されてきている。そこで高効率成形の実現による低コスト化・現状の電力や熱エネルギーの縮減、多品種少量生産の実現などを目的とする成形装置技術と治工具技術を包括するシステムを研究開発する
開発した技術のポイント
炭素繊維複合材製品の生産効率化のために、成形サイクル及び消費エネルギーの半減、シミュレーションによる品質予測、立体成形型の直接加熱・冷却技術を確立する
(新技術)
製品金型・材料を直接加熱・冷却し、オートクレーブ缶内温度は低く抑える
(新技術のポイント)
・製品金型・材料を直接加熱・冷却するので成形時間が短縮する
・オートクレーブ缶内全体を成形温度まで加熱する必要がないので省エネルギーとなる
具体的な成果
・ハイサイクルオートクレーブの技術‐装置開発
‐成形時間を一般的なCF/Epoxyプリプレグの成形時間を50%削減、速硬化プリプレグで80%短縮できた
‐一般的なCF/Epoxyプリプレグ成形時の消費電力を57%削減できた
・成形品品質の評価と各種材料成形プロセス最適化
‐ハイサイクル成形を行った成形品の曲げ試験結果は、従来法とほとんど強度の差はないことが分かった
‐材料の物性値からシミュレーションにより成形品の品質を予測できることを確認した
・立体的な成形型への対応
‐効率的な加熱冷却構造の検討とシステムの試作開発により、型の製作方法を確立できた
知財出願や広報活動等の状況
1)繊維強化プラスチック成形方法及び繊維強化プラスチック成形装置
埼玉工業大学/羽生田鉄工所共同 特願2017-068239
2)熱処理方法及び熱処理装置
羽生田鉄工所 特願2017-119166
3) ヒーター、発熱線、成形方法及び熱処理方法
羽生田鉄工所/一陽染工共同 特願2017-223203
研究開発成果の利用シーン
従来の金属やプラスチックなどを用いた製品において、強度を増し同時に軽量化を要求される製品全般に用いられる技術。その時、複合材を必要な場所のみに配置しさらに材料コストを削減する提案ができる。従来法の成形やオートクレーブを用いない製造法ですらハイサイクル化とエネルギー消費を削減できる成型方法が利用可能である。従来はオートクレーブ成形は自動車部品や航空機の関連の引き合いが多かったが、最近えは医療、スポーツ、宇宙、測定器、生産装置、貯蔵器、など幅広い。特に高強度や免振、熱による影響、一体構造、接着などの特徴のある製品や部品開発においては未知の部分が多く、現在のところ試作や試作のための研究設備、あるいは小ロットの量産の依頼や生産装置の提供の場面が多い。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
ハイサイクル成形装置としてのオートクレーブシステムの生産施策を完了し評価中。社内展を開始した。展示会などへの参考出品の途上。ハイサイクル成形の制御部分は独立したコントロールボックスとしての試作を完了し製品化の予定。成形品試作ビジネスはコンポジットセンターを創設し、大学や研究機関などの委託や企業からの成形試作などを積極的に受注している。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術ライセンス、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
・成形時間短縮により消費電力が半分
・高強度・軽量化に寄与する設計提案と試作
・ハイサイクルで時間短縮による低コスト化
・複合材製品の試作設計とコンサルティング
・複合材製品の試作成形と評価
・成形ハイサイクル化のコンサルティング
今後の実用化・事業化の見通し
2019年から受注生産を開始し、2021年を目標に実用化・事業化を達成する予定
実用化・事業化にあたっての課題
かなり時代を先取りした研究開発であったにも関わらず。複合材製品の生産技術の変革が早く、特に3Dプリンターによる開発試作スピードの向上と競合してきた
事業化に向けた提携や連携の希望
マーケティングを進めるために、大学、高専、公設試などの委託研究や企業の製品試作や研究開発に対してハイサイクルシステムやコンポジットセンターの利用を呼び掛けたい。複合材はヨーロッパや中国などでは官民挙げて応用製品の研究開発に取り組んでおり、国際的に取り残されないためにも試作のチャレンジが多方面で必要であるし、当社はそれに協力する準備があります。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社羽生田鉄工所 |
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事業管理機関 | 公益財団法人長野県テクノ財団 善光寺バレー地域センター |
研究等実施機関 | 吉田工業株式会社 学校法人東京理科大学 国立大学法人名古屋大学 学校法人智香寺学園埼玉工業大学 国立大学法人信州大学 |
アドバイザー | 国立大学法人岐阜大学 ACM栃木株式会社 茨木工業株式会社 株式会社東京アールアンドデー |
参考情報
- 参考サイト①
- https://hanyuda.center/
- 参考サイト②
- http://www.hanyuda.co.jp/
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社羽生田鉄工所(法人番号:9100001002844) |
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事業内容 | CFRP硬化成形用オートクレーブ、クラッチドア、きのこ用高圧殺菌釜 |
社員数 | 83 名 |
本社所在地 | 〒381-0012 長野県長野市柳原2433 |
ホームページ | http://www.hanyuda.co.jp/ |
連絡先窓口 | 経営システム室 多田晃 |
メールアドレス | tada@hanyuda.co.jp |
電話番号 | 026-296-9221 |
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