複合・新機能材料
超微粉化及び糖化による製造される木質系高機能バイオマスフィラー
大阪府
株式会社プレジール
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 超微粉化及び糖化発酵による木質系高機能バイオマスフィラーの創製 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、自動車 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐衝撃性向上、成形品外観向上、耐熱性向上)、環境配慮 |
キーワード | WPC、木粉、微粒子化、酵素糖化 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成26年度~平成28年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
超微粉化技術、前処理技術、糖化分離技術、フィブリル化技術、炭化・黒鉛化技術を高度化し、難燃性、導電性、高剛性、親水性カーボンなどの各種機能を有するバイオマスフィラーを開発する
開発した技術のポイント
バイオマス資源の高付加価値化を目的にバイオマスの糖化技術を活用し有効な成分を取り出し、更に各種技術を組合せる事により、これまで行われてこなかった付加価値の高い一連の機能性バイオマスフィラーを創製する
(新技術)
超微粉化木粉を用いた糖化発酵プロセスにおいて、発酵を省き糖化に留め、これを基軸に各種機能を有する機能性バイオマスフィラーを創出する
(新技術の特徴)
難燃性、導電性、熱伝導性、高剛性、接着性などの機能性バイオマスフィラーを創製する
具体的な成果
・木粉の超微粉化は、粗粉の前処理後に微粉砕機に投入することにより、生産性(生産効率)が大きく向上した
・過熱水蒸気による前処理を行なうことで酵素糖化効率が大幅に向上した
・事業化経済性を考慮した、安価なアセチル化プロセスで過熱水蒸気装置を使用し、反応~乾燥を一つの設備で短時間に行なうことができた
・工業用酵素を用い外部の大型反応槽による試作を実施し、ラボ実験結果が略再現できた
・糖化濾過後の残渣(リグニン系物質)とリン系難燃剤を組合せはPP、PC/ABSに対し優れた難燃効果を発揮した
・アスペクト比の大きいバイオマスフィラーを用い、GF強化樹脂の弾性率向上効果の70%以上を達成した
知財出願や広報活動等の状況
・WPCの高衝撃化について特許出願を実施した(特願2017-010933)
・雑誌「プラスチックス」に投稿 2019,11月号
・プラスチック成形加工学会、フィラーシンポジウム、オートモーティブコンポジット研究会、ベント研究会等で発表
研究開発成果の利用シーン
・機能性バイオマスフィラー
‐難燃性、導電性、高剛性バイオマスフィラー :ノンハロゲン化が難しいポリオレフィン樹脂の難燃化が可能。OA機器やケーブルトラフ、難燃性パレット等に応用が期待される。導電性はEMIシールド部材(自動車やOA機器の電線用コルゲートパイプ、OAフロアー)への適応が期待される。
‐親水性カーボンブラック:有害物質を含まないレザープリンター用インキ、眉墨等への展開が考えられる
‐生分解性フィルムに対応するバイオマスフィラ:農業人口減に対応した農作業の労力削減、効率化が図れる、
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
機能化の内、難燃性を主体に難燃性WPCで、自動倉庫向け難燃パレットを試作、評価中
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造、共同研究・共同開発、技術ライセンス、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
・難燃性バイオマスフィラーは、UL難燃規格V-0を達成:本技術を活用して、ノンハロゲン化し難いポリオレフィン樹脂の難燃化を達成。難燃性に加え剛性も高くなるため製品の薄肉化も可能となる。
・導電性バイオマスフィラーは、従来の木粉炭化物では40%程度の充填が必要であったが、開発フィラーでは20%程度の充填で導電性が発現する:導電性フィラーであるカーボンナノチューブやカーボン繊維また金属フィラーに比較して安価な導電性複合材料となる利点を有する。
・高剛性バイオマスフィラーについては、GF強化樹脂の弾性率向上効果の70%以上を達成した:自動車部品、工業材料部品の軽量化が可能となる利点がある。
今後の実用化・事業化の見通し
・品質の安定した木粉製造メーカー及びWPCのコンパウンド製造先として、関東地区、関西地区に拠点となる企業を確保。また販売協力先として、関西及び関東の商社それじれ1社と組んで市場開発推進中
・海水中のマイクロプラスチック問題等もあり、大手樹脂メーカーと協力して生分解性プラスチックに本開発技術を適応する検討を実施中。SDGsの高まりもあり、徐々に引き合いが来ている。
事業化に向けた提携や連携の希望
開発材料に興味を持ち、一緒に市場開発及び販売をして頂ける企業
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社グリーンプレジール |
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事業管理機関 | 公益財団法人ひろしま産業振興機構 |
研究等実施機関 | 株式会社ヘキサケミカル 菱江化学株式会社 国立大学法人京都工芸繊維大学 学校法人近畿大学 |
アドバイザー | 出光ライオンコンポジット株式会社 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 マツダ株式会社 三菱化学株式会社 森と海研究所 三菱樹脂株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社プレジール(法人番号:2120001165547) |
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事業内容 | プラスチック材料設計製造、機能性バイオマス材料販売 |
社員数 | 5 名 |
生産拠点 | 大阪府豊中市庄内西町 |
本社所在地 | 〒561-0832 大阪府豊中市庄内西町1-1-8 |
連絡先窓口 | 取締役 野村学 |
メールアドレス | mnomura.npc@gmail.com |
電話番号 | 06-6333-1150 |
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