文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. 高い放熱性と熱伝導率を実現する次世代型高性能放熱部品

複合・新機能材料

高い放熱性と熱伝導率を実現する次世代型高性能放熱部品

広島県

株式会社アカネ

2020年4月21日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 次世代型放熱部品の開発
基盤技術分野 複合・新機能材料
事業化状況 実用化に成功し事業化間近
事業実施年度 平成26年度~平成28年度

プロジェクトの詳細

事業概要

自動車業界では、エレクトロニクス部品の実装密度やパワー・デバイスの増加・高出力化により、放熱部品への負荷が増大している。そこで、天然黒鉛と高熱伝導金属とを組み合わせた超高熱伝導率の複合材を、通電焼結技術を用いて開発する。超高熱伝導複合材には、天然黒鉛、あるいは天然黒鉛を剥離する途中で生じる中間生成物を利用するとともに、金属材料と黒鉛との界面反応の制御技術なども確立する

開発した技術のポイント

熱抵抗を大幅に低減した「LED用」放熱部品と高い熱伝導率を実現する「IGBT用」次世代型放熱基板を開発する
(新技術)
・アルミ製ヒートシンク面上にAD法を用いてAlNとCuの薄膜を形成した一体型LED構造
・AD法によりAlN層とCu層を形成したCu-C複合放熱基板
(新技術の特徴)
・ヒートシンクの小型化と熱抵抗の低減を実現できる
・Cu-C複合材は高い熱伝導率が得られ、熱劣化の低減にも対応できる

具体的な成果

・LED用放熱部品の開発
‐AD法により、Al製ヒートシンク上へ直接AlNとCuのコーティングができるようになり、ヒートシンクの小型化と熱抵抗2.0℃/W以下の目標を達成した
・IGBT用などの次世代放熱基板の改善
‐熱伝導率800~900W/m・Kを可能とする12.5vol%Cu-C(黒鉛)複合材が開発できた
‐熱膨張係数の大幅な低下を実現し、複合材のCu量とC量を調整することで幅広い範囲の熱膨張率が得られる(各種半導体材料との組み合わせ時にも熱応力の低減が可能)
‐ただし、C量が多くなると複合材の強度は低下する
・グラフェンの製造技術の開発
‐初めてグラフェン分散フィルムを作製でき、成膜条件を工夫すれば、透明導電膜が作製できることが分かった

研究開発成果の利用シーン

・AD法を使用したLED用放熱部品
・IGBT用などの次世代放熱基板

実用化・事業化の状況

製品・サービスのPRポイント

・高い放熱性を有したLED用放熱構造
‐AD法を使用することにより、LEDからアルミヒートシンクに至る間のAlN絶縁板や放熱グリスなどを省略し、一体化することで熱抵抗を大幅に低減する(例えば、従来の2.5℃/Wを2.0℃/W程度に下げることが可能)
・次世代放熱基板
‐多軸通電焼結法で製作した高熱伝導率を有するCu-C複合材により、放熱部品を大幅に性能向上する(例えば、12.5vol%Cu-C(黒鉛)複合材で、800~900W/m・Kの高熱伝導率を実現)
‐同時に熱膨張係数も大幅に低減させることを可能とする

今後の実用化・事業化の見通し

・日刊工業新聞(2018年1月15日)に事業成果(高熱伝導複合材)を発表し、インターネプコンジャパン2018に出品した
・技術問い合わせ、サンプル提供、試作依頼が寄せられており、現在対応中

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社アカネ
事業内容 自動車用シート金属部品製造、省力化機械、多軸通電焼結機の設計・製造、多軸通電焼結機を用いた受託焼結
本社所在地 〒736-0082 広島県広島市安芸区船越南2-6-3
ホームページ http://akane-kk.jp/
連絡先窓口 代表取締役 砂本健市
メールアドレス k.sunamoto@akane-kk.jp
電話番号 082-823-3859