文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. 高強度と軽量性を実現する再生炭素繊維不織布複合材を開発

複合・新機能材料

高強度と軽量性を実現する再生炭素繊維不織布複合材を開発

岐阜県

株式会社オーツカ

2021年2月19日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 再生炭素繊維不織布の開発
基盤技術分野 複合・新機能材料
対象となる産業分野 自動車
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成22年度~平成23年度

プロジェクトの詳細

事業概要

軽量化による燃費向上のために炭素繊維の需要拡大がしつつある自動車産業では、環境配慮の観点から故炭素繊維のリサイクル技術開発へのニーズが高まっている。しかし、従来技術では故炭素繊維複合材から回収した長繊維状炭素繊維を、多様な用途を持つ不織布に加工する関連技術の検討が不十分であった。このため、故炭素繊維のリユースはほとんど行われていない。不織布加工関連技術を高度化し、故炭素繊維リユース技術を確立する

開発した技術のポイント

強度・軽量性のメリットを生かした炭素繊維製品のリサイクル技術を確立
・再生炭素繊維処理工程の高度化→繊維長を50mmに揃える技術を確立
・再生炭素繊維不織布の強度→縦60N、横25N
・製品化時の軽量性十分な強度を確保し、従来製品から30%の軽量化

(新技術)
<炭素繊維製品のリサイクル技術>
・炭素繊維の廃棄物利用を推進
・バージン材から炭素繊維製品を製作する場合に比べて安価
・不織布加工することにより、様々な分野での活用が可能
・従来品に比べて軽量

具体的な成果

・再生炭素繊維の製品化加工に必要な切断技術を確立
‐再生炭素繊維を、一般的な不織布製造の際の繊維長と同じ50mmでの切断が目標
‐被切断繊維方向の切断刃に対する角度及び、被切断繊維の折返しのため繊維の切断長が不安定になることが判明
‐直交する2方向で2回切断することで、切断長のばらつきを縮小できることを確認
・十分な強度を確保可能な不織布化条件を検討
‐様々なニードルパンチ条件を設定し、ポリプロピレン(PP)との混合比を50:50とした再生炭素繊維不織布の強度を試験
‐引張試験や引裂き試験の結果、複数の条件で目標強度(縦60N、横25N)を大きく上回る強度(縦300N前後、横40N前後)の不織布が生産可能であることが判明
・自動車部品として必要な機能があることを確認
‐自動車アンダーカバーへの使用を想定し、再生炭素繊維不織布に50%の割合でPP繊維を混ぜ、熱プレスによってシート状に成形して試験体を作製
‐ドイツ自動車メーカーのアンダーカバーに比べて23%軽量でありながら、同等の強度(衝撃強度10J)を有することを確認
・再生炭素繊維不織布の強伸度
〜ニードルパンチ条件が針伸度10mm-ピッチ4mm、針伸度14mm-ピッチ8mmの組合せで、目標の強度を達成〜

知財出願や広報活動等の状況

特許:「炭素繊維不織布の製造方法および炭素繊維不織布」(特願2012-167468)

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・平成29年度の実用化に向けて補完研究中
・無償サンプルあり(再生炭素繊維/熱可塑性繊維不織布サンプル)

製品・サービスのPRポイント

・軽量化→ガラス繊維系アンダーシールド材より20%軽量で同等の耐衝撃性が得られる
・低コスト化→バージン炭素繊維に比べ、コストダウンが見込める

今後の実用化・事業化の見通し

H29年度中の実用化をめざし、各成型方法に適した再生炭素繊維不織布の研究を進めていく
・サポイン終了後に川下企業へ試作品を提供し、各成型方法の検討・性能評価をしてもらっている
・今後は、各成型方法に適した再生炭素繊維不織布の研究を進めていく
・H29年度にはなんらかの部品での実用化を目指す

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社オーツカ 本社工場
事業管理機関 公益財団法人岐阜県研究開発財団
研究等実施機関 カーボンファイバーリサイクル工業株式会社
岐阜県産業技術総合センター

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社オーツカ
事業内容 自動車内装用不織布の製造・販売一般産業資材用不織布の製造・販売
本社所在地 〒501-6065 岐阜県羽島郡笠松町門間1815-1
ホームページ http://www.otsukacorp.co.jp
連絡先窓口 技術部開発グループGM 三輪陽介
メールアドレス ymiwa1@otsukacorp.co.jp
電話番号 0584-43-5281