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研究開発された技術紹介

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バイオ

先端研究成果を反映できる、製造現場で使用可能な低コスト分析技術、および大吟醸酒の増産及び輸出用新規高付加価値製品(山廃純米大吟醸酒)の開発

京都府

黄桜株式会社

2022年1月28日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 世界市場を開拓するSake・大吟醸生産システムの革新
基盤技術分野 バイオ
対象となる産業分野 農業、食品
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(高品質化)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(生産性増加)、低コスト化
キーワード sake、大吟醸、山廃、GC、世界市場
事業化状況 事業化に成功し継続的な取引が続いている
事業実施年度 平成25年度~平成27年度

プロジェクトの詳細

事業概要

中小醸造事業者のニーズにより先端バイオ計測技術を反映した、発酵工程の高度化に資する低コスト分析技術を開発する。従来分析不可能だった標的成分に対し、高効率化学修飾を実現する前処理技術、高分離専用カラム、高度に選択的な濃縮ツールの新規開発により、GCによる簡便な分析システムを実現する。同技術を製造現場に導入することで、高付加価値大吟醸酒の生産性の向上を図り、輸出用新規高級酒(山廃純米大吟醸酒)の開発により世界市場での販路を開拓する

開発した技術のポイント

GC装置による簡便で高速分析が可能な低コスト分析システムの開発、革新的生産システムのもとでの、高付加価値新製品(山廃純米酒)の開発
(新技術)
1.GC装置による分析システムの開発
2.NBRC保有乳酸菌を用いた山廃純米酒の製造
(新技術の特徴)
1.GC装置によるジアセチル・アミノ酸・有機酸分析は、安価で簡便かつ短時間で分析が可能であるため、製造工程の安定化・高度化に利用可能である
2.黄桜保有硝酸還元菌と乳酸菌に加え、NBRCが保有する乳酸菌ライブラリーを用いることで、山廃仕込清酒を高付加価値化、安定醸造が可能になる

具体的な成果

・ジアセチルをGCにより分析するキットが製品化された。
・有機酸をGCにより分析するキットが製品化された。
・NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)生物遺伝資源センター(NBRC)保有乳酸菌を用いた山廃純米酒を醸造した。その一部を製品名「のろし」として製造販売し、NITEと一般消費者向けに販売を実施した。また、「のろし」で使用する清酒以外は、当社の既存製品(生酛山廃 特別純米酒 山田錦)に使用している。

知財出願や広報活動等の状況

地方独立行政法人京都市産業技術研究所より、知恵産業をキーワードに製品化・事業化に結び付いた企業として「知恵創出“目の輝き”」企業として認定された。

「知恵創出”目の輝き”」認定証
研究開発成果の利用シーン

GCによる低コスト分析技術を用いた発酵管理。 育種や選抜した乳酸菌および酵母による高品質清酒(大吟醸酒および山廃純米酒)の製造

山廃酒母仕込
高付加価値山廃純米酒
高品質純米大吟醸酒
ジアセチル誘導体化キット

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)生物遺伝資源センター(NBRC)保有乳酸菌を用いた山廃純米酒を醸造し、その一部を使用し新商品(「のろし」)を製品化し、京都高度技術研究所の主催により京都でプレスリリースを実施した。その後、NITE向けと一般消費者向けに販売を実施した。また、醸造した山廃純米酒を既存製品にも使用しており、特長ある酒質の山廃純米酒が醸造でき製品化と販売を実施していることが事業化の判断の理由である。現在、山廃酒母の特長を生かした本製品の販売拡大に努めている。また、GCを用いたジアセチル測定キットと有機酸測定キットが商品化されたので、これらの技術を活用し大吟醸酒の高品質化と生産性向上を図っている。

提携可能な製品・サービス内容

製品製造、試験・分析・評価

製品・サービスのPRポイント

黄桜株式会社を中心に、本事業により乳酸菌と酵母を育種および選抜し、加えて新規分析技術を製造工程管理に活用して新たな高付加価値山廃純米吟醸酒を製造・販売する

今後の実用化・事業化の見通し

・清酒の海外輸出は今後とも伸びると予想され、海外では高級清酒が好まれる傾向にあり、高付加価値品の生産技術の高度化による増産(低コスト化)は喫緊の課題であり、最新バイオ計測技術導入への強いニーズがある
・黄桜株式会社では海外市場の中で高級長期熟成白ワインに対抗出来る高付加価値新製品(山廃純米大吟醸酒)を海外戦略商品として位置付けて開発するが、本ターゲット品は、アルコール発酵と共に、乳酸菌による二次発酵を特徴とし、同長期熟成白ワインに匹敵する芳香で濃醇な純米大吟醸酒であり、上記で開発された新規分析システムを用いて各種標的成分を同時分析が可能であり、工程管理に利用でき、これら高度化された生産システムのもとで安定生産を図る
・開発した誘導体化試薬キット、ツール、同時分析可能な高分離GCカラムなどについては信和化工株式会社が事業化を展開している

事業化に向けた提携や連携の希望

清酒の輸出促進に向けて、JETRO等関連機関と連携を取り、高品質清酒のPRを行いたい。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 黄桜株式会社 三栖工場
事業管理機関 公益財団法人京都高度技術研究所
研究等実施機関 信和化工株式会社
国立大学法人京都大学
公立大学法人大阪市立大学
地方独立行政法人京都市産業技術研究所
公益財団法人京都高度技術研究所
国立研究開発法人産業技術総合研究所
アドバイザー 伏見酒造組合、京都酒造組合、独立行政法人製品評価技術基盤機構

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 黄桜株式会社(法人番号:1130001014175)
事業内容 食料品製造業(清酒・地ビール・焼酎製造、販売)
社員数 232 名
生産拠点 三栖工場(京都府)・丹波工場(兵庫県)
本社所在地 〒612-8242 京都府京都市伏見区横大路下三栖梶原町53
ホームページ http://www.kizakura.co.jp/index.html
連絡先窓口 研究所 課長 藤原 久志
メールアドレス fujiwara_hisashi@kzkappa.co.jp
電話番号 075-611-4101(代)