バイオ
シロキサン共重合樹脂成形
大阪府
吉川化成株式会社
2022年1月25日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | シロキサン共重合樹脂を活用した細胞培養分野で用いる成形品において、撥油性・疎水性などの表面状態を制御可能な混練・成形技術の開発 |
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基盤技術分野 | バイオ |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、食品、印刷・情報記録、化学品製造 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | DNA低吸着、タンパク質低吸着、二次加工レス、シングルユース、レーザー印字 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成30年度~令和2年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
医療・バイオ分野ではシングルユース製品が多数使用され、高い信頼性とともに機能性が要求される。本研究開発は1シロキサン共重合樹脂を応用した表面改質を確立、2レーザー印字による情報付加でIoTにも対応した高機能シングルユース製品を実現する工法の研究開発を行う。
開発した技術のポイント
本研究開発では、プラスチック材料に撥油性・疎水性機能材料を混練し、「材料の高度化・二次加工工程の削減」「成形の高度化(機能材料が効
果を発揮する最適含有率・成形条件の割り出し)」、「透明材質へのレーザー発色加工の採用(刻印では視認性、インクでは揮発ガスなどそれぞれが持つ問題を解消)」を実施した。同時にレーザー加工が得意とする精度・自由度を活かし、二次元コード゙等の情報付加まで踏み込み、工程のIoT化も見据えた技術開発を行った。
具体的な成果
・シロキサン共重合樹脂を応用した表面改質の確立【特願2020-172725】
-透明性を確保した機能性成形材料を見極めた(透過率80%以上、シリコーンオイル塗布製品同等の機能⇒二次加工レス)
-DNA吸着において従来製品以上に吸着が少ない効果を確認した。細胞毒性試験は問題なく、シングルユース製品として使用可能であった。電子線(25kGy)による滅菌後でも効果の維持を確認した。
-成形品表面を機能化する成形法および評価方法を確立した。また機能保証について接触角と分子量による相関関数を割出した。
・レーザー印字による情報付加【特願2021-032731】
-透明プラスチック製品への発色印字加工を確立した⇒アウトガスレス
-バーコード、QRコード等の情報付加・読取を実現した。
-透明プラスチック製品内部への印字加工を実施した⇒コンタミレス
知財出願や広報活動等の状況
・特許申請
-特願2020-172725「バイオテクノロジ 分野で用いられる プラスチック 成形品及びその製造方法」
-特願2021-32731「熱可塑性樹脂製の バイオテクノロジ 分野で用いられる成形品及びその製造方法」
研究開発成果の利用シーン
今回開発した技術により、IoTに対応した低コストで高機能なシングルユース製品の実用化が可能となる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
サポインによる研究活動期間が終了次第、具体的な試作等の制作を進めるよう計画している。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
今回開発した技術は、健康寿命の延長に必要な「個別化医療」の「質」を向上させるものである。
今後の実用化・事業化の見通し
・想定している具体的なユーザー、マーケット及び市場規模等に対する効果
-シングルユース製品市場は2025年段階で1,803億円規模に成長すると見込まれ、国内だけでも2,000億円弱の市場となる。本研究開発の成果で事業化を目論んでいるのはこの市場であり、遺伝子・先端医薬品の次は再生医療市場と段階的な展開を期待する。
-2025年の大阪関西万博までに商品化を目指したい。
・事業化に至るまでの遂行方法や今後のスケジュール
-2020年は3展示会に出展した。カタログを作成し、機能確認用の無償サンプルも配ることで反応をみた。コロナ禍のため来客人数は通常より明らかに少なかったが、貴重な意見・問合せを頂いており、実際に事業を展開する事業部門の営業マンとフォローを実施している。こうした具体的な話・テーマからより事業化の可能性が高いアイテム・ニーズをつかんだうえで、検討を進めていきたい。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 吉川化成株式会社 技術部 ナノテクノロジーセンター |
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事業管理機関 | 一般財団法人大阪科学技術センター 技術振興部 |
研究等実施機関 | 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 生物・生活材料研究部 研究部長 畠中 芳郎 |
アドバイザー | 公立大学法人大阪府立大学 工学研究科 国立研究開発法人産業技術総合研究所 関西センター 国立研究開発法人産業技術総合研究所 つくばセンター 国立大学法人大阪大学 大学院 工学研究科 株式会社バイオ・リジェネレーションズ 株式会社AFIテクノロジー |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 吉川化成株式会社(法人番号:8120001002736) |
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事業内容 | プラスチック製品加工業 |
社員数 | 280 名 |
生産拠点 | 国内:大阪、奈良、静岡、岩手、大分 海外:マレーシア、タイ、メキシコ |
本社所在地 | 〒538-0052 大阪府大阪市鶴見区横堤5丁目6番34号 |
ホームページ | http://www.ypc-g.com |
連絡先窓口 | 吉川化成株式会社 技術部 ナノテクノロジーセンター 獅山 尚史 |
メールアドレス | shishiyama@ypc-g.com |
電話番号 | 06-6912-9598 |
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