研究開発された技術紹介

本事業では、マグネシウム合金板(以下MG板)の製造工程において、溶解時の溶湯清浄化技術及び高速双ロール鋳造と圧延工程での凝固・加工・熱処理に関する合金制御技術を開発し、従来より高品質のMG板のコスト半減を実現する。これにより、従来コスト面から採用され難かった情報家電、自動車、建材分野でMG板の特徴を活かした用途・需要を確保し、軽量化・省資源・省エネルギーにより総合的な温室効果ガス削減にも貢献する

AZX611合金板を成形できる高速双ロール鋳造法、圧延方法を確立する。更に発展技術として、スクレイパー装着の単ロール鋳造機と、プレス成形性の向上を目的としたクラッド材の製作可能な双ロール鋳造機を開発する
(新技術)
・AZX611合金板を成形できる高速双ロール鋳造法
・温度制御された圧延ロールによる圧延方法
(新技術の特徴)
高速で薄板を鋳造、少ない圧延工数で高機能な展伸材を製造。生産コストは1,500円/kg

・ホットロール法により板幅方向温度ムラを改善、ロールの樽型化防止を達成、設計仕様と構造仕様を示した
・鋳造ロール温度上昇を抑制することで200kg以上の鋳造も可能とした
・改善前の5,140円/kgから、改善後は1,800円/kgまで削減できた
・溶湯を清浄化したマグネシウム合金圧延板の引張り強さは300MPa程度で市場の要求を満たした
・スクイレーパーを有した単ロール鋳造機では、正常なミクロ組織を有する板厚1mm薄板を作製した
・クラッド材製作用双ロール鋳造機を開発し、AM60とAZ121クラッド材を作製した

従来、コスト面から採用され難かった情報家電、自動車等輸送機器分野、建材分野で使用するマグネシウム合金板(例えばAZX611(AZ61+1%Ca)合金板)

マグネシウムは燃えやすいというイメージをもたれているため、マグネシウム合金板を使ったエキスパンションジョイントでの拡販を考えている。
エキスパンションジョイントは相模原市のトライアル商品の認定を受け相模原市トライアル認定カタログに掲載されており拡販に効果を望む事ができる

情報家電、自動車、建材分野でマグネシウム合金板の軽量性を維持し、特性を向上し、大幅なコスト低減

・アドバイザー各位へのサンプル提出を行い、本事業成果である製品群の実用化を確実なものにする
・事業化はサポイン終了後1年以内に実現するために、現サポインのアドバイザーの方々と量産・商品化へ向けての検討を継続的に行っている
・各種展示会に精力的に参加し、地道な営業活動を行ってきたことで、具体的に事業化へ向けた話が数社から来ている
・家電分野、自動車等輸送機器分野、建材分野への適用が期待できる

コストを削減しても他部材、例えばアルミ材と比較するといまだに高価なため更なるコストダウンが必要