バイオ
遺伝子導入における全自動細胞回収装置と卓上型細胞融合・回収装置が先端医療・バイオ研究開発を促進
島根県
エステック株式会社
2020年4月10日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | レーザー光と高速可動ステージの精密制御による高効率細胞融合・回収自動化装置の開発 |
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基盤技術分野 | バイオ |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(人件費削減) |
キーワード | 細胞融合、細胞回収、レーザー照射、細胞鑑別 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成24年度~平成26年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
先端医療・バイオの研究開発で、高効率、非侵襲的な細胞の融合、回収が切望されている。マイクロアレイのスポット上に配列した受容細胞と微小核細胞との融合の効率を、従来法の約10万倍に高める。各スポット上の細胞膜を標的に、基板上1~2μMの範囲に融合用パルスレーザーや回収用CWレーザーを照射して、非侵襲的で高効率の融合、回収を実現する高精度位置決め技術、及び卓上型細胞融合・回収自動化システムを開発する
開発した技術のポイント
川下ユーザーが希求する「精密な細胞診断、高効率な細胞の融合、及び非侵襲的な回収法」を実現するマイクロアレイ(μAy)基板と装置、及び自動化装置・自動化システムを開発する(細胞融合によるHACベクター移入技術の開発から、汎用的な遺伝子導入、細胞機能評価、自動化システム等細胞操作全般に及ぶ装置と、関連消耗品の販売・サービスを可能とする要素技術の開発も目標とする)
(新技術)
μAy基板のスポットにPEG、周囲に生体適合性非接着剤を固相化し、CWレーザー照射による集積とパルスレーザー光照射によるスポットへの高精度位置決めナノ秒によって非侵襲的かつ高効率な融合を実現する装置を開発する
(新技術の特徴)
・融合剤を固相化した細胞接着面で細胞接触を増大させる
・高精度位置決めナノパルスレーザー光照射のシナジー効果により、非侵襲的に融合の高効率化を達成する
具体的な成果
・高効率な細胞融合のための高精度な位置決めレーザー顕微鏡の開発
‐XYZ3軸方向の位置決め精度±1μm以下、及び血球系細胞とミクロセルの融合効率1%程度を達成した
・高効率な細胞診断及び回収のための高速なレーザー光位置決め技術の開発
‐100μmスポット間移動時間100ms以下、アレイスポット約8000スポットの蛍光検出による診断時間<1hr以内を達成した(細胞回収率:70%以上)
・細胞の融合、診断、及び回収自動化システムの開発と製作
‐卓上型のコンパクトサイズシステムを開発した
‐工程の連続化と自動化により従来の1/2作業時間を達成した
知財出願や広報活動等の状況
特許6216130 標的物質導入方法及び標的物質導入装置
特許6190132 遺伝子試料導入用基板及び遺伝子試料導入方法
特許6118601 細胞処理用基板
展示会出展: 2019年 第1回ファーマラボEXPO ビックサイト
2018年 第2回バイオ医薬EXPO ビックサイト
2016年 Bio Japan2016 ビックサイト
研究開発成果の利用シーン
・全自動細胞回収装置、卓上型細胞融合・回収装置、細胞内への遺伝子等導入装置
・細胞機能評価装置及び医薬品、食品、環境汚染物質等の細胞による評価サービス
・ダイセクション等細胞操作や製培養素材へのレーザー加工と本装置による各種パターニング基板作製サービス
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・培養室を備え、装置内部クリーンルーム化と操作を自動化した「全自動細胞回収装置」を製作した
・一連の装置製作(「細胞融合装置(平成24年)」、「全自動細胞回収装置」(平成25年))から、確立したレーザー位置決め、細胞操作等機能及び附属機器の低コスト化と最適化を行い、研究開発の現場に必要な機能を安価かつ手軽に提供できる装置「卓上型細胞融合・回収装置(平成26年)」を製作した
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、製品製造
製品・サービスのPRポイント
・先端医療・バイオ研究開発を促進
‐「全自動細胞回収装置」と「卓上型細胞融合・回収装置」の開発により、遺伝子等の細胞内導入の簡便化と効率化が達成される
‐数1000個の少細胞数での診断・回収を可能とし、貴重細胞や抗体固定化マイクロアレイ等による機能一定の細胞種の獲得が実現する
・高価試薬の使用低減と操作時間を短縮し、研究開発コスト削減と開発速度を加速
‐細胞マイクロアレイによる少数細胞操作による融合、診断、及び回収により、高価な試薬の使用が低減する
‐また、自動化、連続操作による操作時間の短縮により、研究開発コストの削減とスピードアップに貢献する
今後の実用化・事業化の見通し
・ユーザー要求仕様にカスタマイズ化した商品提供できるメリットを示し、「全自動細胞回収装置」、「卓上型細胞融合・回収装置」の販売体制の構築、ユーザー要求性能への改善を進めて販売しながら、装置性能の向上と細胞操作に係る新たなシステム化に着手する
・細胞アレイ基板に限定することなく、ユーザーが使用する様々に基板に対しての細胞分画と回収、レーザー加工による培養基板の表面処理を実施し、基板及び装置を販売する
・開発最終品の展示会への出展、ユーザーへデモ機貸出、利用要求の高い企業・機関への個別訪問を含む広報をエステック株式会社において実施して、早期の事業化を目指す
実用化・事業化にあたっての課題
本装置のプロセスは既存のそれとは異なるため、研究現場に導入しづらい雰囲気である。 研究者の研究プロセスに合わせて装置の改造が必要である。
事業化に向けた提携や連携の希望
細胞を扱う研究者との連携と現プロセスに適用可能か確かめる必要がある。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | エステック株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人中国地域創造研究センター |
研究等実施機関 | 学校法人近畿大学 工学部 化学生命工学科 国立大学法人鳥取大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | エステック株式会社(法人番号:5280001000850 ) |
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事業内容 | 試料調製装置製造・販売各種省力・自動化機器開発・製作・販売 |
社員数 | 40 名 |
生産拠点 | 島根県松江市 |
本社所在地 | 〒699-0101 島根県松江市東出雲町揖屋2797-3 |
ホームページ | https://www.stc-jp.co.jp/ |
連絡先窓口 | 技術部 崔源煥 |
メールアドレス | gijutsu@stc-jp.co.jp |
電話番号 | 0852-52-6100 |
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