バイオ
糖鎖すげ替え法による均一糖鎖糖タンパク質の製造方法を確立
香川県
株式会社伏見製薬所
2022年1月28日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 均一糖鎖糖タンパク質製造用の酵素とシアリル糖鎖誘導体の大量生産方法の開発 |
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基盤技術分野 | バイオ |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上) |
キーワード | 均一糖鎖糖タンパク質、糖鎖改変、エンドグリコシダーゼ、オキサゾリン化糖鎖 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化間近 |
事業実施年度 | 平成25年度~平成27年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
急速に需要が伸びているバイオ医薬品産業では「均一構造糖タンパク質の製造技術」の開発が望まれている。その基礎技術として糖のすげ替えを行うトランスグリコシレーション法が開発されたが、この技術は反応効率が悪く、製造プロセスが煩雑である。このため、川下側の要望の強い「活性の高い新酵素」と「タンパク質に均一糖鎖を挿げ替えるためのシアリルグリコペプチド誘導体」の大量生産方法を開発する
開発した技術のポイント
糖鎖すげ替え法(トランスグリコシレーション法)による均一糖鎖糖タンパク質の製造方法を確立
(新技術)
糖鎖すげ替え法(トランスグリコシレーション法)に用いる新酵素と糖鎖誘導体の開発
(新技術の特徴)
生産効率・経済性が高い酵素・簡便に効率的に糖転移させるための糖鎖誘導体
具体的な成果
・再現性があり経済性の高い酵素生産方法、保存条件も確立した
・高収率に高純度オキサゾリン化シアリル糖鎖の製造方法、保存条件を確立した
・糖転移活性の強いEnDo-CC変異体(EnDo-CCN180H)を作成し、生産研究を行ない、再現性があり経済性の高いEnDo-CCN180Hの生産方法を確立、保存条件に関しては、継続検討を行なっている
・酵素(EnDo-CC、および、EnDo-CCN180H)の大量生産に関しては、ジャーファメンターを使用して流加培養法を用いた高密度培養を行うことで単位当たりの酵素生産量を大幅に増加させることに成功した
・オキサゾリン化シアリル糖鎖の大量生産に関しては、グラムスケールでの生産に成功した
研究開発成果の利用シーン
・均一糖鎖糖タンパク質調製用の糖加水分解酵素「Endo-CC」、および糖転移酵素「Endo-CCN180H」
・SGPからEndo-CCでGlcNAc-Peptideを切断し、糖鎖だけにした「シアリル糖鎖(SG)」
・そして、さらに高収率に糖転移させるために誘導体化した「オキサゾリン化シアリル糖鎖(SG-Oxazoline)」
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
本技術に興味を持つ会社も多く、引き合いも多い。
一方で、反応率、コスト等の課題があり、製造に使用するためには更なる技術開発が必要である。
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造、製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・糖鎖すげ替え法を用いることで均一糖鎖糖タンパク質の製造が可能となり、品質が安定し、糖鎖の先端にシアル酸が付加することで医薬品の血中濃度半減期(血中薬物貯留時間)を伸ばすことが可能となる
・均一なヒト型糖鎖(異種糖鎖抗原の混入を防ぐこと)により、安全性・有効性の高い糖タンパク質製造が可能となる
・診断薬など糖タンパク質の標準品の調製も可能である
今後の実用化・事業化の見通し
・新たな課題(収率アップ、低コスト化)について補完研究を行い、課題解決を図っていく
・使用条件等を検討し、高収率、低コストで使える技術に仕上げることで、この生産プロセスでの実用化がさらに加速し、事業を拡大していく
実用化・事業化にあたっての課題
上述の通り、収率アップと低コスト化が現在の課題である
事業化に向けた提携や連携の希望
糖タンパク質製品(バイオ医薬品など)を製造販売する川下企業との連携が希望である
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社伏見製薬所 港町事業所 糖質バイオ研究部 複合糖質グループ |
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事業管理機関 | 公益財団法人かがわ産業支援財団 技術振興部 産学官連携推進課 |
研究等実施機関 | 国立大学法人香川大学 総合生命科学研究センター 糖鎖機能解析研究部門 国立大学法人九州大学 大学院 農学研究院 生命機能科学部門 システム生物工学講座 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社伏見製薬所(法人番号:5470001007604) |
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事業内容 | 医薬品、化成品の製造販売業 |
社員数 | 239 名 |
生産拠点 | 香川県丸亀市(本社工場、昭和町工場、港町事業所)徳島県徳島市(徳島工場) |
本社所在地 | 〒763-8605 香川県丸亀市中津町1676番地 |
ホームページ | http://www.fushimi.co.jp/ |
連絡先窓口 | 担当者 港町事業所 糖質バイオ研究部 複合糖質グループ 堂崎雅仁 |
メールアドレス | dozaki@fushimi.co.jp |
電話番号 | 0877-22-6283 |
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