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表面処理

微粒子を原料とするプラズマ溶射装置がSOFCの耐久性向上による用途拡大と製造コスト削減を実現

兵庫県

姫路メタリコン株式会社

2020年4月10日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 燃料電池電解質膜への適用のための微粒子溶射による緻密セラミック膜製造技術の開発
基盤技術分野 表面処理
対象となる産業分野 環境・エネルギー、電池、半導体
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)
キーワード セラミック溶射、SOFC、ランタンシリケート、電解質膜、緻密化
事業化状況 研究実施中
事業実施年度 平成24年度~平成26年度

プロジェクトの詳細

事業概要

次世代電源として期待されているSOFCには寿命とコストの課題が残り、必要発電出力を中温作動で得られる電解質膜開発が求められ、また量産化のためより希少度の低い材料である、ランタンシリケートの採用が期待されている。本材料はプラズマ溶射法で成膜できるが、皮膜中には気孔やクラックが存在しやすいという欠点を克服するために、サブミクロン化した原料粒子を利用するなどにより緻密な電解質薄膜作製の技術開発を行う

開発した技術のポイント

中温度域で高い酸化物イオン伝導性をもつアパタイト型ランタンシリケートを電解質として用い、膜厚20μm程度のガス透過のない緻密膜を作製することにより、中温度域での運転でも高い発電出力を示すSOFCの実現を目指す
(新技術)
緻密な電解質膜を作製するために微粒子を原料とするプラズマ溶射技術と、プラズマ中での完全溶融により緻密セラミックス膜を製造できる微粒子溶射装置を開発する
(新技術の特徴)
・従来課題を解決し、中温度域での運転でも高い発電出力を示すSOFCが実現する
・希少金属の使用を避けることでSOFC量産化に対応する

具体的な成果

・微粒子プラズマ溶射装置の開発
-微粒子原料供給技術を開発した
-プラズマ溶射装置の組立と溶射実験を実施した
・ランタンシリケート電解質膜の開発
-ランタンシリケート微粒子の作製と供給、溶射膜の分析、溶射膜の発電特性評価を実施した
・溶射膜中の気孔やクラックの三次元形状測定方法の開発
-X線CTスキャンによる測定方法を検討した
-FIB-SEMによる測定方法を検討した

研究開発成果の利用シーン

・微粒子プラズマ溶射装置
・上記を用いた、耐摩耗性、絶縁性の高い緻密な溶射皮膜の提供サービス
・ランタンシリケートを用いたSOFC(現在補完研究中)

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・微粒子を原料とするセラミックス膜溶射技術の目途を立てることができた
・SOFCランタンシリケート電解質膜を作製し、中温度での発電を実証できた
・X線CTスキャナとFIB–SEMによる気孔やクラックの三次元形状評価では、測定条件と評価方法を検討し、いずれの方法でも微細な気孔の観察や気孔率の測定に成功した

提携可能な製品・サービス内容

加工・組立・処理

製品・サービスのPRポイント

・微粒子プラズマ溶射装置により緻密セラミックス膜を作製し、多用途での利用が実現
-微粒子の安定供給技術(テーブル搬送方式及び樹脂ワイヤー方式)の確立により、さまざまな緻密セラミックス膜の作製が可能となる
-微粒子溶射技術で作製したランタンシリケート電解質膜により、SOFCの中温度運転が実現する
・SOFC製造に係るコスト削減にも貢献
-中温作動SOFCでは、耐久性向上、希少金属の使用削減、周辺部材のコストも低減できる
-さらに溶射技術の適用による量産化も視野に入る

今後の実用化・事業化の見通し

・今後、皮膜製造の事業化を検討するとともに、新たに開発した原料供給法である微粉の溶射機へのワイヤー供給法を独立して外販する予定である
・供給法は、ライセンス供与により専業メーカーの製品として事業化することも検討する

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 姫路メタリコン株式会社
事業管理機関 公益財団法人新産業創造研究機構
研究等実施機関 兵庫県立工業技術センター
公立大学法人兵庫県立大学 工学系研究科

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 姫路メタリコン株式会社(法人番号:1140001061035)
事業内容 金属及びセラミックスの溶射加工
社員数 20 名
本社所在地 〒672-8071 兵庫県姫路市飾磨区構1139
ホームページ http://business.atengieer.com/metarikon/
連絡先窓口 姫路メタリコン株式会社
メールアドレス info@hime2meta.jp
電話番号 079-235-5343