表面処理
技術的限界に直面していたLED、チップインダクターのめっき処理 短時間処理・低コスト化を実現する無電解Niめっき上の無電解Agめっき処理技術の開発
秋田県
東電化工業株式会社
2020年3月27日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 情報家電に搭載されるLED及びチップ部品等の製造に適しためっき技術の開発 |
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基盤技術分野 | 表面処理 |
対象となる産業分野 | 情報通信 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、低コスト化 |
キーワード | 接合技術 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成20年度~平成22年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
高輝度LEDは、LED素子を搭載する基板表面のめっき種類や方法により反射率が影響され、反射率の要求性能を満たしつつ、長寿命で低価格のめっきが要求されている。また、微細化が進むインダクター等のチップ部品は、はんだ付け性付与のSNめっきで、製品同士が付着凝集する問題が発生している。これらの課題を解決するため、AGめっきの経時劣化防止や無電解NIめっき上への無電解AGめっき等の新規プロセスを開発する
開発した技術のポイント
新たなめっき技術の確立で情報家電の高集積化・微細化・低コスト化に対応する
・経時劣化率は初期反射率の90%、KG処理時間は1/5に短縮
・ボンディングプル強度は3gf以上を確保
・製品の付着凝集率は0%
・生産時間は約1/7に短縮
(新技術の特徴)
・経時劣化率の低下と低コスト化
‐波長460nmにおいて初期反射率を90%に改善
‐約30%のコスト削減
・メンテナンスコスト削減
‐バックライトに配線された独立パターンの基盤上へのLED形成が可能
‐約30%のコスト削減、約20%の高集積化
・歩留まり、生産性が大幅に向上
‐無電解めっきのため、メディアが不要
‐極薄のAgめっきによる製品同士の付着凝集率0%
‐めっき時間は1時間、めっき加工単価は約20%削減
具体的な成果
・Agめっき皮膜の粒子構造を変えて反射率を大幅に向上
‐KG処理による電解Agめっき及び無電解Agめっきでは、330-450nmの波長領域で反射率が改善されることを確認
‐無電解Ni上の無電解Agめっきの初期反射率として90%以上(波長460nmにおいて)、最大値94.1%を確認
・KG処理時間の短縮と経時劣化抑制を確認
‐最適温度でKG処理を行うことによりめっき表面の結晶粒子が変化し、処理時間と処理温度に依存せず、経時劣化が起きないことを確認
‐KG処理品が経時劣化しない要因は、下地CuのAg表面への拡散防止効果によることを確認
‐KG処理時間は高温領域の最適温度に保持することにより、10時間から1.5時間へと7倍のスピードアップを実現
・LED基板の独立パターン対応のための無電解Niめっき上の無電解Agめっきプロセスを改善
‐ボンディングワイヤ25μmの使用により、良好なボンディングプル強度6gf±1.5gfを確保
‐添加剤の管理により、無電解Agめっきのめっきムラ抑制に成功
知財出願や広報活動等の状況
・サンプル提供:川下産業へのサンプル提供
・新聞:日経産業新聞「銀メッキの変色抑制」(H20.8.14)
・展示:秋田県技術展示会inホンダEG
研究開発成果の利用シーン
LEDバックライト、LED照明、チップインダクター等のエレクトロニクス部品の採用が期待される
最近はコンピューター用マザーボード基板の無電解Agめっきを行い、その後実装メーカーのお客様が部品を半田付けにて接合する
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H22年度に事業化に成功
・コンピューター用マザーボード基板の無電解Agめっきの受注が増加
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
・国内で無電解Agめっきを量産してる会社は少なく、弊社は大量生産が可能である
今後の実用化・事業化の見通し
・既に実用化が始まっており、川下産業への更なる受注活動活発化により事業拡大を目指す
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 東電化工業株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人あきた企業活性化センター |
研究等実施機関 | サイチ工業株式会社 公立大学法人秋田県立大学 秋田県産業技術センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 東電化工業株式会社 |
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事業内容 | 金属製品製造業(半導体、電子部品、プリント基板等の表面処理) |
社員数 | 90 名 |
生産拠点 | 本社所在地 |
本社所在地 | 〒019-2401 秋田県大仙市協和船岡字善知鳥14-1 |
ホームページ | http://www.azumadenka.co.jp |
連絡先窓口 | 営業部係長 高橋章博 |
メールアドレス | a_takahashi@azumadenka.co.jp |
電話番号 | 018-892-3411 |
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