表面処理
水溶液電解析出法を用いた水酸化ニッケル膜の緻密で平滑な膜を加熱処理して酸化ニッケル膜を得る技術
兵庫県
グエラテクノロジー株式会社
2020年4月21日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 新技術酸化物半導体二次電池における半導体電極の湿式成膜技術の研究開発 |
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基盤技術分野 | 表面処理 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、自動車、産業機械、情報通信、電池、エレクトロニクス |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | 酸化物半導体、湿式成膜技術、二次電池、半導体電極、酸化ニッケル |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成26年度~平成29年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
酸化物半導体の光励起構造変化を応用した電子移動型二次電池(グエラバッテリー)はグエラテクノロジー株式会社のオリジナル技術であり、現在パートナー企業と製品化準備を進めている。電池に必須の技術である半導体電極は真空プロセスを応用しているが、コスト低減と性能改善の目的から大気中での湿式成膜を開発する必要がある。今回、酸化物半導体の湿式成膜技術を保有する大阪市立工業研究所との共同開発によりこの課題を解決する
開発した技術のポイント
新技術酸化物半導体二次電池の製造コスト削減と性能向上を図ることを目的に、P型酸化物半導体である酸化ニッケルの湿式成膜のための水溶液電解析出法を開発する
(新技術)
電解析出法で得たNi(OH)2膜を加熱することでNiO膜を得る
(新技術の特徴)
電解析出法に続いて、脱水、加熱処理することで水酸化物を酸化物に変換する
具体的な成果
・電析またはゾルゲルによる、NiOの低温結晶成長技術の開発
‐充電層の上に電解析出法で透明なNi(OH)2膜を均一の厚さで緻密に成膜する析出条件を明らかにした
‐後処理として脱水、加熱、UV処理により、NiO膜を得た
‐湿式NiO膜は真空プロセス法で成膜した膜に比べ、十分な密着強度を示し、半導体二次電池の充電層に成膜してバッテリーを試作し、充放電特性を測定した結果、81%の充電特性(放電流容量)を示した
・高速表面アニールの検討
‐湿式法による酸化ニッケル膜形成において、加熱処理温度を従来よりも低く(230℃)する技術を開発した
・酸化ニッケルよりもコスト、性能面で優れたP型酸化物半導体材料の探索
‐候補材料を選定し、候補材料の湿式成膜実験を実施したが、酸化物半導体二次電池における充電特性評価には至らなかった
研究開発成果の利用シーン
・湿式酸化ニッケル成膜技術
‐水溶液電解析出法を用いたNi(OH)2膜の析出技術
‐Ni(OH)2の加熱処理によるNiO膜の生成
・酸化物半導体二次電池向け半導体電極の試作
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
量産品質を確立できないこと、およびニューザーニーズがより低コストと高容量に移行したため、開発目標の変更を検討中である。
提携可能な製品・サービス内容
共同研究・共同開発、技術ライセンス、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
・酸化物二次電池の充電特性改善
‐真空プロセスによりスパッタ成膜したNiOに比べ、十分な密着強度を示し、かつ81%の充電特性(放電流容量)を示す
今後の実用化・事業化の見通し
・湿式酸化ニッケル膜については、酸化物二次電池の充電特性改善のために、成膜プロセスのさらなる最適化を進める必要がある
・量産のための製造技術および製造装置の検討が課題になるが、これらの検討を計画的に進めて事業化につなげる
・酸化ニッケル以外の材料についても候補が上がっているので、検討を進める
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | グエラテクノロジー株式会社 |
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事業管理機関 | グエラテクノロジー株式会社 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 |
研究等実施機関 | 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | グエラテクノロジー株式会社(法人番号:1140001086908) |
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事業内容 | 調光ガラス、二次電池 |
社員数 | 3 名 |
本社所在地 | 〒650-0047 兵庫県神戸市中央区港島南町5-5-2 |
ホームページ | http://www.guala-tec.co.jp/ |
連絡先窓口 | 代表取締役 中澤明 |
メールアドレス | akira-nakazawa@guala-tec.co.jp |
電話番号 | 078-335-5655 |
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