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表面処理

カーボンナノチューブを利用した電着ダイヤモンドソーワイヤにより、市場開拓及びソーワイヤおよび加工工程におけるコスト削減に貢献!

福井県

アイテック株式会社

2020年4月10日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 CNT複合めっきによる次世代ソーワイヤの実用化
基盤技術分野 表面処理
対象となる産業分野 環境・エネルギー、半導体、工作機械
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)
キーワード カーボンナノチューブ、電着ダイヤモンドワイヤ、複合めっき、切削工具、脆性材料
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成24年度~平成26年度

プロジェクトの詳細

事業概要

難切削材料のスライス工程では固定砥粒式マルチワイヤソーに移行しつつあるが、加工効率、コストの改善要求から、更なる高切削、長寿命化、低コストのソーワイヤが求められている。本申請では、ダイヤモンド粒子表面をCNTで被覆またはCNTをめっき被膜中に分散共析させることで、切削性能及び耐久性を向上させた次世代ソーワイヤの早期実用化を図り、切削加工の効率化とトータルコスト削減を行う

開発した技術のポイント

機械強度・電気特性等に優れるカーボンナノチューブ(CNT)をめっき被膜中に複合化し、更にダイヤモンド砥粒表面に被覆することで、ソーワイヤ表面のダイヤモンド砥粒の保持力を高め、安定した切削加工性能及び長い寿命を有する高機能CNT複合電着ダイヤモンドソーワイヤの製造技術を開発する
(新技術)
電着ダイヤモンドソーワイヤ生産において、CNTをめっき被膜中に複合化し、更にダイヤモンド砥粒表面に被覆する
(新技術の特徴)
ソーワイヤ表面のダイヤモンド砥粒の保持力が高まるため、安定した切削加工性能の付与及びソーワイヤの長寿命化が実現する

具体的な成果

・高機能CNT複合めっき技術の開発
-CNT複合めっき液、CNT被覆ダイヤモンド粒子の作製および評価を行った
-CNT複合めっき技術を確立した
・電着ダイヤモンドワイヤの評価
-ダイヤモンド砥粒の密着性、CNT複合めっき被膜の機械的特性を評価した
・ソーワイヤの切削能率評価
-CNT複合めっきによりソーワイヤを試作した
-シングルワイヤソーによる切削試験を行った

CNT複合めっきの表面観察像
知財出願や広報活動等の状況

特許:
「炭素ナノ繊維材料を分散させた複合めっき処理用分散液及びそれを含む複合めっき液、複合めっき液を用いた複合めっき処理方法並びに複合めっき処理を用いて表面めっき被膜を形成する切削工具の表面めっき処理方法」(特許第6551725号)
「ナノカーボン繊維被覆ダイヤモンド粒子の製造方法」(特許第6332986号)
総説:「CNT複合電着ダイヤモンドワイヤ」NEW DIAMOND,32,p33-35(2016)

研究開発成果の利用シーン

結晶シリコン太陽電池のシリコンウエハや、LED電球やカバーガラスなどに用いられるサファイア基板等の難切削材料のスライシング工程

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・CNTの分散技術及び複合めっき技術を確立できた
・製作したCNT複合めっきソーワイヤを評価した結果、従来のソーワイヤに比較してめっき被膜自体の耐摩耗性の向上によるダイヤモンド砥粒の保持力及び切削能率の向上が認められ、高機能性ソーワイヤ製造の可能性を示唆する結果が得られたため、実用化に向けた取組に着手できた

提携可能な製品・サービス内容

素材・部品製造

製品・サービスのPRポイント

・シリコンウェハ等切断加工に高い精度を求める用途や市場への提案により、市場拡大に貢献
-開発した高機能CNT複合電着ダイヤモンドソーワイヤはソーワイヤ表面のダイヤモンド砥粒の保持力が高く、表面のダイヤモンド砥粒が切削加工中に脱落しにくい
-開発したソーワイヤを利用することで、仕上がりの面精度が向上するため、後工程の効率が向上し、全体の加工コストが抑えられる
-製品に高い品質を求める用途や市場に対する提案が可能になり、市場拡大に貢献する
・ソーワイヤのコスト削減に寄与
-開発した高機能CNT複合電着ダイヤモンドソーワイヤは、表面のダイヤモンド砥粒が切削加工中に脱落しにくいため、切削効率が向上し、長寿命である
-加工コストの低減に寄与する

CNT複合電着ダイヤモンドワイヤの外観像
SWSによる切削試験結果
今後の実用化・事業化の見通し

・CNT複合めっき処理条件やソーワイヤの仕様、切削条件及び評価方法等を検討することにより、更なる性能向上と切削に関するメカニズムの検証を行う
・切削対象としてシリコンの他、サファイアや炭化ケイ素、窒化ガリウムといった脆性材料についても展開を検討する

実用化・事業化にあたっての課題

太陽光用シリコンウエハ市場の国内市場衰退に伴い、他脆性材料のスライシングを視野に展開の必要がある

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 アイテック株式会社
事業管理機関 公益財団法人ふくい産業支援センター
研究等実施機関 国立大学法人新潟大学
国立大学法人福井大学
国立研究開発法人産業技術総合研究所
福井県工業技術センター
アドバイザー 株式会社新興製作所金沢工業大学

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 アイテック株式会社(法人番号:5210001012646)
事業内容 眼鏡の表面処理(めっき、電着塗装、イオンプレーティング等)電着ダイヤモンドワイヤ工具の製造、販売眼鏡枠の企画、製造、販売
社員数 200 名
本社所在地 〒916-0016 福井県鯖江市神中町2丁目6-8
ホームページ http://www.eyetec.co.jp/
連絡先窓口 新事業開発本部 小泉将治
メールアドレス Masaharu_Koizumi@eyetec.co.jp
電話番号 0778-51-5000