表面処理
高解像度化における小絞りボケの低減
東京都
株式会社三井光機製作所
2025年1月21日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 放送用超高精細解像力実現に向けた新方式可変NDフィルター適正露出制御機構の開発 |
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基盤技術分野 | 表面処理 |
対象となる産業分野 | エレクトロニクス |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加) |
キーワード | グラデーションフィルタ、低反射率、小絞りボケ、解像力劣化の低減、素材開発 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 令和3年度~令和4年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本研究の目的は、8K映像の撮影に対応する新方式の可変NDフィルターを開発し、露出制御機構を改良することである。8K映像では解像度の劣化やゴースト、色味の変化が問題となるため、これらを解決するための技術開発が行われた。具体的には、解像度の維持、透過波面精度の向上、反射率の低減、ニュートラル性の確立、グラデーション濃度のリニアリティの実現を目標に設定し、各サブテーマに取り組んだ。
開発した技術のポイント
・解像度劣化の防止
‐ 水平方向に6,000~8,000本の解像力を維持するための素材開発
・ゴーストの抑制
‐ 反射率を1%以内に抑え、ゴースト現象を防止
・ニュートラル性の確立
‐ 色味の変化を抑え、光学濃度差±10%以内のニュートラル性を実現
・グラデーション濃度のリニアリティ
‐ 画面内の濃度の均一性を確保し、濃度傾き値±10%以内のリニアリティを達成
・信頼性の向上
- 10年相当の熱衝撃試験をクリア
具体的な成果
新方式可変NDフィルターの開発により、8K映像に対応する露出制御が可能となった。解像度劣化の防止やゴースト現象の抑制に成功し、露出制御時でも高精細な映像品質を維持できる技術を確立した。また、ニュートラル性や濃度の均一性の向上により、8Kカメラでのシームレスな光量調整が可能となり、晴天時のスポーツ中継や監視カメラの運用においても効果を発揮することが確認された。
知財出願や広報活動等の状況
・特許出願
2022年3月に、新方式可変NDフィルターに関する特許を1件出願済み。現在、複数件の特許出願が準備中であり、知財戦略を通じて市場での優位性を確保し、事業展開の拡大を図る予定である。
研究開発成果の利用シーン
本技術は、放送用カメラに限らず、監視カメラや医療、検査システム、インフラ保守など、多岐にわたる分野で利用可能である。特に、8K映像技術の普及に伴い、より高精度な画像処理が求められる場面で本技術の導入が期待される。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
現在、開発した可変NDフィルターを組み込んだユニット製品の事業化に向けた準備が進んでおり、国内外の大手電機メーカーへの導入を検討している。放送業界だけでなく、監視カメラや医療機器分野にも展開が見込まれている。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作
製品・サービスのPRポイント
当社の可変NDフィルターは、他社製品に比べ、透過率が高く、約98%の透過率を誇る点が大きな強みである。これにより、切り替え式フィルターを使用せずともシンプルな構造で光量を調節できるため、操作性やコスト面でも優位性を持っている。
今後の実用化・事業化の見通し
放送業界を中心に、8K映像対応機器の需要が拡大しており、本技術はこれに応える製品として市場に投入される見込みである。さらに、監視カメラや医療機器分野への波及効果も期待されており、今後数年間で市場シェアの拡大が見込まれる。
実用化・事業化にあたっての課題
現在の課題は、製品の軽量化と運用性の向上である。特に、カメラ組み込み時の操作性や静音性を高めるためのさらなる改良が求められている。また、8K映像対応機器の市場動向に迅速に対応することが今後の事業化の鍵となる。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社三井光機製作所 |
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事業管理機関 | 公益財団法人あきた企業活性化センター |
研究等実施機関 | 秋田県産業技術センター 共同研究推進部 |
アドバイザー | 一般財団法人NHKエンジニアリングシステム |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社三井光機製作所(法人番号:3011301006863) |
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事業内容 | 製造業 |
社員数 | 93 名 |
生産拠点 | 秋田工場(秋田県) |
本社所在地 | 〒166-0012 東京都杉並区和田2-3-3 |
ホームページ | www.mitsui-om.co.jp |
連絡先窓口 | 株式会社三井光機製作所 秋田工場 開発部 斎田有宏 |
メールアドレス | saita.arihiro@mitsui-om.co.jp |
電話番号 | 018-882-2995 |
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