表面処理
硬質アルマイト皮膜の染色技術を確立することで、「軽く、硬く、キレイな」筺体の提供を可能に!
熊本県
株式会社熊防メタル
2021年4月21日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 意匠性に優れた硬質アルマイト皮膜形成技術の開発 |
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基盤技術分野 | 表面処理 |
対象となる産業分野 | スマート家電、エレクトロニクス |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、デザイン性・意匠性の向上 |
キーワード | 意匠性、耐久性、カラーアルマイト、硬い |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成24年度~平成26年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
携帯電話やデジタルカメラなどの電子機器は、持ち運ぶことから、軽く小さいことが必要である。また、その筐体には、取り扱いによるキズが入りにくいことと同時に、多様化するユーザーの趣向に対応するため、多彩なカラーバリエーションにも対応することが求められている。本研究では、リサイクル性にも優れる硬質アルマイト皮膜に、今まで困難だった染色技術を開発することで、「軽く、強く、キレイ」な筐体を提供する
開発した技術のポイント
電子部品の筐体など、意匠性と硬度が要求されるアルミ製品の表面処理としての硬質カラーアルマイト技術を確立する
(新技術)
硬質アルマイトに対して染色するカラーアルマイト技術(自社開発したHv350以上の硬質アルマイトへの染色)を開発する
(新技術の特徴)
従来の表面処理と比較して、意匠性(色彩の安定性や光沢)と硬度と耐食性を同時に提供することが可能になる
具体的な成果
・アルマイト皮膜の安定化
‐硬質アルマイトについて、これまでの硬度、耐食性という特性のほか、染色用の液組成を決定し管理方法を確立した
‐アルマイト皮膜の厚みのばらつき目標値を設定して試作を実施し、チャンピオンデータでは目標値を達成した(ただし、試作全体では安定した目標を達成できず)
知財出願や広報活動等の状況
知財出願は無し展示会などにて技術の紹介を行っている
研究開発成果の利用シーン
・硬度や耐食性に加え、色調のバリエーションが豊富なアルミ製部品(将来的な提供を予定)
・アルミ製品の硬質カラーアルマイト処理加工サービス(将来的な提供を予定)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
サポイン事業の実施を通じて、試作品の提供が可能な段階にまで到達した
提携可能な製品・サービス内容
加工・組立・処理
製品・サービスのPRポイント
<アルマイト皮膜の特徴>
・表面硬度Hv350以上
・淡色のカラーアルマイトも可能
・基盤のアルマイト皮膜は、CASS試験240時間で腐食発生無し
複数の製品ニーズを満たす筺体の提供が可能となり、製品バリエーションの多様化に貢献
・新技術の開発を通じて、従来のカラーアルマイトの表面硬度最大Hv200を大きく上回る、Hv350以上の硬質カラーアルマイト皮膜の提供が可能になった
・結果、硬度や耐食性だけではなく、バリエーションに富んだ色調により複数の製品ニーズを満たす筺体の提供が可能になり、顧客の製品バリエーションの拡大に寄与することが可能になった
・インクジェットによるマスキング技術を利用し、部分的に異なる色調とする技術も将来的に提供を目指している
今後の実用化・事業化の見通し
・補完研究での試作を通じ、皮膜~色調の安定性確認を行い、試作レベルでの少量生産による歩留まり確認を実施している
・また、インクジェットによるマスキング技術の応用範囲を模索している段階であり、展示会などでPRを行い、要望を頂いた川下企業様に試作サンプルを提供している状況である
・将来的には膜分離技術によるリサイクル技術を、多種の染料に適用拡大する見込みである
実用化・事業化にあたっての課題
少~中量生産の製品受注,販路開拓
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社熊防メタル |
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事業管理機関 | 熊本県中小企業団体中央会 |
研究等実施機関 | 熊本県産業技術センター 国立大学法人熊本大学 |
アドバイザー | 川下企業(非公開) 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社熊防メタル(法人番号:8330001005528) |
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事業内容 | 金属加工品の表面処理(アルマイト,めっき,電解研磨など) |
社員数 | 110 名 |
生産拠点 | 熊本市東区長嶺西1-4-15 |
本社所在地 | 〒861-8037 熊本県熊本市東区長嶺西1-4-15 |
ホームページ | https://www.kb-m.co.jp/ |
連絡先窓口 | 技術課 馬場知幸 |
電話番号 | 096-382-1340 |
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