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接合・実装

住宅の大開口化・大空間化ニーズに対応し、大地震にも強い木造ラーメン工法技術を確立

富山県

株式会社ストローグ

2021年2月19日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 木造建築物の大空間・大開口化ニーズに対応する耐震性向上及び柱・梁のダメージを減少する高強度・高振動吸収締結ユニットの開発
基盤技術分野 接合・実装
対象となる産業分野 建築物・構造物
産業分野でのニーズ対応 高性能化(信頼性・安全性向上)
キーワード 木構造、大開口
事業化状況 実用化に成功し事業化間近
事業実施年度 平成24年度~平成26年度

プロジェクトの詳細

事業概要

ラーメン構造の木造建築物の居住性、快適性及び耐震性向上のニーズに対応するため、構造体の大空間・大開口化を図るための構造設計及び梁や柱などの主要構造部材の締結部の強度改善と共に、地震の振動の吸収による建築物の倒壊を防ぎ、さらに締結部品交換のみによる建築物の復元を可能にする「木造部材締結ユニット」(木材補強用「特殊螺旋ボルト」、振動吸収用「変形金物」及び変形金物固定用「連結金物」で構成)を開発する

開発した技術のポイント

ラーメン構造の木造建築物の接合部の高強度化及び振動吸収性を高めることで、大地震時の地震力を接合部で吸収して木造建築物の構造部材の損傷を防ぎ、再利用を可能にする

(新技術)
「特殊螺旋ボルト」及び「連結金物」が木材間を高強度に接合し、「変形金物」が振動を吸収する
(新技術の特徴)
大地震に被災した場合でも接合部の変形金物の交換のみで住宅を解体・廃棄することなく部材の再利用を可能とする

具体的な成果

・特殊螺旋ボルトの開発
‐3軸転造加工装置を開発した
・変形金物の最適設計、性能評価及び加工技術
‐初期剛性が高く変形性能の大きい変形金物を開発した
・締結ユニット搭載型建築の構造計算による最適構造体の試算
・締結ユニットを搭載したフレーム体の性能評価
・実建築物での振動試験による実証試験・評価
‐極めて稀な地震を経験して建物が変形しても、変形金物の交換により健全な状態に復帰できることを実証した

研究開発成果の利用シーン

・高耐力で木材と金物を連結する特殊螺旋ボルト
・高強度で地震力を吸収する締結ユニット

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・本事業の実用化を踏まえ、2回目の振動実験を設計事務所、住宅メーカー、工務店に対して公開実験として行った
・新しく開発した小径の特殊螺旋ボルトは、大規模の事務所建築の接合具として使用された
・新しい建築工法であるCLT(直交集成板)工法への適用を進めている

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、加工・組立・処理、製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術コンサルティング

製品・サービスのPRポイント

・高い耐震性により住宅建築の大空間・大開口や木造公共建築を低コストで実現
‐木材と金物を高強度につなぐ「特殊螺旋ボルト」及び大地震時に地震力を吸収する機能を有する「締結ユニット」を開発した
‐高い耐震性により一般住宅の大空間・大開口化や、大型の公共建築物の木造化が可能で、震度7以上の地震であっても倒壊せず、かつ他工法に比して低コストとなる
・変形する部材締結ユニットにより、大地震後の建物の再生利用を視野に
‐締結ユニットに2種類の金属を組み合わせることで、大地震に被災した場合でも接合部の変形金物の交換のみで住宅を解体・廃棄することなく部材の再生利用を可能とする

今後の実用化・事業化の見通し

・締結ユニットの回転剛性の推定精度を向上させ、連結金物等でねじれ抑制する方法を検討する
・新開発の小径の特殊螺旋ボルトは納入実績を持ち事業化に至った
・ラーメン以外にもトラス等の他の工法の接合具としての利用展開をはかる
・新規住宅、リフォームの双方を含む一般住宅市場と、中・大規模の木造公共建築物に加えて、木橋などの土木関連分野への利用展開を検討している
・新しい建築工法であるCLT(直交集成板)工法への適用を進めている

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社ストローグ
事業管理機関 公益財団法人富山県新世紀産業機構
研究等実施機関 上田建築設計事務所
国立大学法人富山大学
国立大学法人京都大学
国立大学法人信州大学
富山県産業技術研究開発センター

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社ストローグ(法人番号:2230001008091)
事業内容 木造建築用コネクタの開発・製造・販売
社員数 42 名
本社所在地 〒936-0874 富山県滑川市大榎452
ホームページ http://www.stroog.com/
連絡先窓口 長瀬沙耶佳
メールアドレス info@stroog.com
電話番号 076-471-2021