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接合・実装

ソーダガラスへダイレクトめっきする基本プロセスを確立し、5G用低誘電率、低誘電正接の各種材料の実現を図る

福岡県

株式会社豊光社

2023年2月4日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 5G対応高周波用材料(ガラス・セラミック・テフロン等)への分子接合とメッキ技術を融合した高周波対応次世代メッキ技術の開発
基盤技術分野 接合・実装
対象となる産業分野 自動車、ロボット、産業機械、情報通信、電池、エレクトロニクス
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(使用機器削減)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化、デザイン性・意匠性の向上
キーワード 5G、分子接合、エッチングフリー、放熱、めっき
事業化状況 事業化に成功
事業実施年度 令和1年度~令和2年度

プロジェクトの詳細

事業概要

5Gの普及のためには表皮抵抗の小さい高周波部品の供給が必要となる。そのため、本事業における研究開発では、分子接合技術とめっき技術の融合を図ることを目標とした。具体的には、低誘電率で低誘電正接材料の表面を粗化せずに平滑性を維持したままダイレクトにめっきできる技術の実現を図ることである。技術目標は達成され、5Gの高速・大容量・低遅延に不可欠な高周波用部品の量産を可能とするものづくり革新が実現されることになる。

開発した技術のポイント

1)基本プロセスの確立とノンアルカリガラス、セラミック、テフロンへの展開
・基本プロセスの最終段階となる電解めっき固定において、成分測定が可能な設備を導入し、管理できる耐性を構築。不確定条件の排除。
・基本プロセスにおけるノンアルカリガラス、テフロン、COPの接合メカニズムをソーダガラスと比較しながらXPS分析を行うことで解明。
2)サンプル試作                                                                               
・基本プロセスで試作したマイクロストリップラインとスパッターで試作したマイクロストリップラインの減衰測定結果とシミュレーション結果がほぼ一致。
・マイクロストリップラインの減衰特性は密着強度(密着面のばらつき)が要因であると明確化。     

具体的な成果

1)基本プロセスの確立とノンアルカリガラス、セラミック、テフロンへの展開
・ソーダガラスによる密着強度とその接合メカニズムの解明について、分子接合剤で剥離していることがわかり、接合メカニズムが解明。
・次世代めっき技術の基本プロセスの再現性実現について、成分を測定できる装置を導入し、テフロンを使って密着強度の再現性を達成。
・基本プロセスの他材料への応用について、ガラス繊維入りテフロンとCOPは達成、テフロンは専用プロセスにより達成。
2)サンプル試作
・ノンアルカリガラスによるガラスインターポーザーの試作は、アスペクト比3の試作は完成したが、アスペクト比7の試作は密着性改善が必要。
・セラミック基材およびCOPによる5G部品の試作は、セラミックもCOPもシミュレーションと一致しなかったが必要なアンテナ特性は得られた。
・テフロン基材によるマイクロミリ波部品の試作について、無電解めっき液で内外径めっきを実現し、フレキシブルマイクロ波ケーブルを試作。

研究開発成果の利用シーン

5G普及への課題となっている難めっき材の平滑化可能な次世代めっき技術の開発による、5Gや車の無人運転における通信技術に必要な、高速・低遅延に不可欠な高周波用部品への適用と5G普及への解決策を提案。

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

現時点は事業化に至っていないが、ライセンスビジネスの検討を進め、営業体制の強化により試作など事業化の可能性が高まっている。

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、素材・部品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発

製品・サービスのPRポイント

高周波基材へのダイレクトめっき技術を開発することで、通信機器、車載機器メーカーが要望している5G普及に必要な高周波基材の実現が近づき、5G普及への解決策を提案できる。また、従来めっきや貼り合わせが不可能だった基材に本技術を適用することで、スパッタや接着剤で出来なかった複合材料の可能性が見えてきており、新しい市場開拓が期待できる。

今後の実用化・事業化の見通し

テフロンやCOPは、ライセンスビジネスを中心とした事業化を進める。これらと並行して、5G用無機基材のめっき技術確立と接着技術を完成させ、ライセンスビジネスの展開幅を広げていく。ものづくりは事業パートナーと連携し、量産体制の構築と採算性を検討予定。サテライトオフィス立ち上げにより顧客との連携体制が整ったことで試作テーマが増えており、今後事業化の可能性が増えている。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社豊光社
事業管理機関 公益財団法人北九州産業学術推進機構
研究等実施機関 株式会社いおう化学研究所
公益財団法人 福岡県産業・科学技術振興財団 三次元半導体研究センター
株式会社オリエントマイクロウェーブ

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社豊光社(法人番号:2290801003385)
事業内容 製造業 電気電子
本社所在地 〒803-0845 福岡県北九州市小倉北区上到津2-7-30
ホームページ https://hohkohsya.co.jp/
連絡先窓口 代表取締役 倉光 宏
メールアドレス hiroshi@hohkohsya.co.jp
電話番号 093-581-4471