接合・実装
拡散接合技術を用いた接合による、高耐圧性能マイクロ熱交換器の製造開発
新潟県
株式会社WELCON
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 拡散接合技術による微細構造物の接合技術と信頼性の確立 |
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基盤技術分野 | 接合・実装 |
対象となる産業分野 | 産業機械、スマート家電、半導体、工作機械 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
拡散接合による微細構造物の信頼性の確立を目指し、1非破壊検査の検査基準、2耐圧性能・長寿命を目的とした構造上の設計指針を探索する。1は代表的な材質・構造における接合試験片を作成し、破壊試験と超音波検査の相関を研究し、測定方法、判定基準を設定する。2は容積0.5[l]、熱交換量10[KW]、耐圧性能20[MPA]の高性能マイクロチャンネル熱交換器を実現し、熱・強度のシミュレーションを構築する
開発した技術のポイント
小型で高性能な熱交換器を開発し、ヒートポンプ小型化に貢献する
・伝熱流動特性→微細管の特性をマイクロチャンネル熱交換器に適応
・耐圧性能→構造を小型化しつつ、熱交換量10kW、耐圧性能20MPaを確保
・経年変化による詰まり、腐食の影響無し
(新技術)
拡散接合技術によるマイクロ熱交換器
特徴
・小型で設置スペースを取らない
・高耐圧性能
具体的な成果
・微細管内における熱移動現象を明らかにし、マイクロチャンネル熱交換器システムに適用
‐微細管と熱交換器の熱交換量を比較し、微細管の伝熱流動特性がマイクロチャンネル積層型熱交換器の伝熱流動特性に適応できるかを分析
‐両者の熱交換量がオーダーでほぼ一致しており、微細管技術の適用可能性を確認
・低圧力損失マイクロチャンネル熱交換器を作製し、性能を評価
‐構造や形状ならびに寸法を系統的に小型化させた熱交換器を試作し、性能評価を実施
‐伝熱流動特性を明らかにした結果、熱交換量が最大12kWに達することを確認
‐本熱交換器が既存の熱交換器の100分の1程度の大きさでありながら、圧力損失が約1/9となることを確認
・熱交換器の経時変化によっても性能への影響がないことを確認
‐熱交換器に水道水を加熱して通水し、マイクロチャンネル内での析出物の影響を分析
‐通水による析出で熱通過率は低下するが、容易に除去できることを確認
‐2,833時間通水後にヘリウムによるリークテストを実施。リーク量5.0×10-10Pa・m3/sec以下を達成
知財出願や広報活動等の状況
・出展:セミコンJAPAN(H23.12.7~9)など
・雑誌:塑性と加工「拡散接合によるマイクロチャンネル熱交換器の開発」(第52巻第603号(2011.4))など
・受賞:日本塑性加工学会三井精密賞(H23年)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・実用化に成功、H25年度の事業化見込み
・マイクロチャンネル熱交換器、マイクロチャンネルヒートシンクのサンプルあり(有償)
製品・サービスのPRポイント
・新方式・新製法の実現→温度応答性が従来の10倍
・小型化・省スペース化→同等の性能を持つ熱交換器と比較して、サイズが1/100
・環境負荷削減→冷媒の使用量の大幅な削減
今後の実用化・事業化の見通し
特種用途での事業化が成功しつつあり、H25年に特殊用途量産開始を目指す
・製造工程のブラッシュアップによる低価格化と、さらなる市場拡大を目指し、ユニット化、システムの構築を実施し、川下企業との打合せを通じて製品化を目指す
・特種用途での事業化は成功しつつあるが、より広い用途での採用を目指し、システム化を継続中
・既に一定の性能を達成している製品について、H25年に特種用途量産の開始を、H29年に汎用製品への搭載を目指す
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社WELCON |
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事業管理機関 | 公益財団法人にいがた産業創造機構 |
研究等実施機関 | 国立大学法人筑波大学 国立大学法人富山大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社WELCON |
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事業内容 | 拡散接合に関する技術開発、拡散接合受託加工、マイクロ三次元構造・マイクロチャンネル熱交換器・ヒートシンクの開発・製造 |
本社所在地 | 〒956-0113 新潟県新潟市秋葉区矢代田15-1 |
ホームページ | http://www.welcon.co.jp |
連絡先窓口 | 代表取締役社長 鈴木裕 |
メールアドレス | yutaka_suzuki@welcon.co.jp |
電話番号 | 0250-38-1900 |
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