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精密加工

板鍛造プレス成形技術の開発によって、電磁クラッチ内のリングの製造工程を短縮化し、低コスト化に寄与

茨城県

株式会社島田製作所

2020年4月13日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 鍛造自動車部品の低コスト化を実現するプレス加工・厚板成形技術の開発
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 自動車、産業機械
産業分野でのニーズ対応 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化
キーワード 板鍛造、トランスファープレス、焼嵌め、材料歩留り、工法転換
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成23年度~平成26年度

プロジェクトの詳細

事業概要

カーエアコン用コンプレッサーの電磁クラッチに使用されるリングを初めとする自動車部品は長年冷間鍛造方式で作られてきた。川下の小型化要求は、切削が追加しコストアップする。本開発は画期的な方法で切削をなくし、工程数を従来の1/6に減らし、板材の使用率を99%にする。コストは従来比40%以下と画期的削減を図り短納期化とあわせて、わが国自動車産業の国際競争力の強化を図る。

開発した技術のポイント

冷間鍛造切削から通常のプレス加工への工法転換では工程が長くなってしまうが、板鍛造プレスへ進化させ、金型と加工技術により大幅に工程を短縮した
(新技術)
厚板成形技術(板鍛造プレス成形)を開発した
(新技術の特徴)
・プレス工数の大幅削減や材料歩留りの向上による、低コスト化及び短納期化が実現可能になった
・ニアネットシェイプ化することで、最小限の切削加工で済むようになった

具体的な成果

・基礎工程技術の開発
‐従来の冷間鍛造技術とプレス成形技術を融合し、厚板成形技術により、成形工程数の低減を実現した
・シミュレーションを駆使した開発期間の短縮
‐シミュレーションの有効性を確認した
・プレス金型の高強度化と耐久性向上技術の開発
‐2重焼嵌めおよびTi系の多層膜のCVDコートを開発した
・厚板成形技術の高度化に適したプレス装置開発
‐多工程集約可能な高剛性、高精度プレス装置を開発した

研究開発成果の利用シーン

・自動車、産業機械向けの鍛造切削品の厚板成形への工法転換による工程短縮(低コスト化の提案)
・大型トランスファーサーボプレス装置を使用した深絞り加工品(製造・販売)
・サーボプレスのモーションコントロールを活用した複合加工品(検討・製造・販売)

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・サポイン事業の終了時点でサンプル製作が完了し、商談を進める準備が完了した
・ただし、連続生産での温度影響や寸法変化については未調査である
・また、厚板成形技術の他製品への応用を検討を開始するとともに、大型トランスファープレスを有効活用し、生産に寄与させる準備を開始した

提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、加工・組立・処理、素材・部品製造、共同研究・共同開発

製品・サービスのPRポイント

・製造プロセスの短縮による低コスト化を実現
‐冷間鍛造切削法から板鍛造プレスへと工法を転換することによって、前処理・後工程が大幅に短縮、低コスト化が実現できる
‐また、工程の短縮による納期までの期間短縮と材料歩留りの向上が実現する
・薄板の深絞り加工による製品ラインナップの拡充へと貢献
‐元々持っている深絞りの技術と、ロングベッドの大型トランスファープレスを使用して、工程の長い薄板の深絞り加工が可能である
‐深絞り加工が可能になったことで、長工程での加工が必要とされる用途への販路が拡大する
・サーボプレスならではの製品提供が可能
‐モーションコントロールなど、サーボプレスの特徴を生かしたプレス成形の検討が可能になった

今後の実用化・事業化の見通し

・大型トランスファープレスを使用して量産を開始した製品もあることから、今後はさらに装置の稼働率が上がるよう、成果をアピールして商談を進めたいと考えている
・厚板成形技術の研究により、従来のプレス成形では難しいと考えていた加工が可能であることが分かり、提案の幅が広がった
・さらにモーションコントロールなどを使用するプレスにも挑戦していきたいと考えている

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社島田製作所 本社工場
事業管理機関 株式会社ひたちなかテクノセンター
研究等実施機関 国立大学法人茨城大学 大学院理工学研究科
茨城県産業技術イノベーションセンター

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社島田製作所(法人番号:9050001029422)
事業内容 プレス金型設計/製造、プレス加工、組立加工TIG溶接、レーザー溶接、抵抗溶接、加締、スピニング加締プレス用トランスファーロボット、プレス装置用省力化ユニット
社員数 110 名
生産拠点 本社工場(茨城県)、長野工場(長野県)、タイ工場(海外)
本社所在地 〒303-0042 茨城県常総市坂手町5655番地の8
ホームページ http://www.shimadaworks.jp
連絡先窓口 開発室 藤田稔
メールアドレス minoru-fujita@shimadaworks.jp
電話番号 0297-27-1372