精密加工
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂のハイサイクル成形を実現!ロータリーテーブル方式ハイサイクル三層成形機
岐阜県
株式会社セントラルファインツール
2020年3月27日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂のハイサイクル三層成形を可能とする複合金型の研究開発 |
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基盤技術分野 | 精密加工 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、自動車、情報通信、スマート家電 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
情報家電業界においては、低コスト化に加えて、複雑形状で異材料の多層化(熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂)への需要が、製品の耐候性や見栄え及び内部樹脂の保護等の目的で増加している。また、製品品質の安定化を維持しながら、生産工程を短縮することも重要な課題となっているため、本研究開発では、同一金型内で熱特性が相反する熱可塑性樹脂(二材)と熱硬化性樹脂(一材)の三材成形を可能とする金型システムを確立する
開発した技術のポイント
シリコーンの硬化時間に依存しない、熱可塑性樹脂とシリコーンの同時成形法の開発
・ナノコーティング、温調用カートリッジの開発→熱特性が相反する樹脂を同一成形
・ロータリー式金型で成形→成形時間のハイサイクル化
(新技術)
<ロータリーテーブル方式、温調用カートリッジ搭載の3材成形機>
特徴
熱可塑性樹脂とシリコーンを同時に成形しても、成形サイクルがシリコーンの加硫時間(硬化時間)に依存しない成形システム
具体的な成果
・5ステーションからなる三材成形機を開発
‐成形機は、3材(熱可塑性樹脂2材・シリコーン)を複合成形する縦型締方式の回転ロータリーテーブル方式を採用
‐LIM成形は、シリコーンの硬化時間が長いので硬化専用ステージを設置
‐インサート成形も考え、成形品取出しとインサートのできるステーションを設け、5ステーションの構成
・金型温調システムの開発
‐下型ロータリーテーブルは、基本的に、反時計方向へ1ピッチ(72°)ごと回転
‐上型は、シリコーン成形の第3ステーションと硬化ステーションの第4ステーション、型開・取出しの第5ステーションの3ステージで、順番に交換
‐この様な金型の動きの中で温調用の流体、電気を矛盾無く供給する為に、図の方法を開発・テスト成形の結果、シリコーンの硬化時間短縮を確認
‐三層試験片のテストピース用の金型を製作しテスト成形を実施
‐第1材は、ABS、第2材はPC、第3材がシリコーン(PCに密着する種類を使用)
‐結果、シリコーンは、硬化ステーションで硬化するためがあるため、システム全体のサイクルタイムは短縮
知財出願や広報活動等の状況
・特許:「射出成形機及び射出成形方法」(特願2010-166179)、「樹脂成形装置」(特願2010-140540)
・雑誌:「型技術」第26巻「熱可塑性樹脂2材とシリコーンの3材成形法の開発」(H23.5)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・実用化に成功、H26年度に事業化見込み
・家電・IT分野のサンプルあり(無償)
製品・サービスのPRポイント
・歩留まり向上・ロス削減等→シリコーンと熱可塑性樹脂を一体成形する事で、組立工程の削減可能
・精度向上→シリコーンと熱可塑性樹脂を一体成形する事で、製品精度の安定性が確保できる
・新製法の実現→シリコーンと熱可塑性樹脂を一体成形する新しい成形法の実現
今後の実用化・事業化の見通し
補完研究、新規開発を実施
・川下企業と調整を図りながら、実証用金型の改造と検討を継続中
・また、キャビティにおける熱伝導特性を向上させる研究を継続
・医療用部品メーカーより、新規開発に向けたテーマを頂き、現在開発推進中
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社セントラルファインツール |
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事業管理機関 | 公益財団法人岐阜県産業経済振興センター |
研究等実施機関 | 国立大学法人名古屋工業大学 岐阜県産業技術総合センター |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社セントラルファインツール |
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事業内容 | エンジニアリングプラスチックス金型の設計・製作、複合成形金型の設計・製作、精密プレス金型の設計・製作、生産システムの設計・製作、プラスチック部品や複合部品の生産 |
本社所在地 | 〒509-7201 岐阜県恵那市大井町字観音寺2695-438 |
ホームページ | http://www.cft.jp |
連絡先窓口 | 代表取締役 三宅和彦 |
メールアドレス | mold@cft.jp |
電話番号 | 0573-26-5285 |
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