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精密加工

メンテナンスフリー大型ばね式フィルターの製造により、大型ろ過プラントの製造が可能になり、世界的問題の解消に貢献

千葉県

株式会社モノベエンジニアリング

2020年4月11日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 メンテナンスフリー大型ばね式フィルター製造技術の確立
基盤技術分野 精密加工
対象となる産業分野 環境・エネルギー、自動車、産業機械、食品、建築物・構造物、半導体、工作機械、化学品製造
産業分野でのニーズ対応 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化
キーワード フィルター、メンテナンスフリー、ろ過、水処理、プラント
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成23年度~平成25年度

プロジェクトの詳細

事業概要

弊社開発のばね式フィルターは高精度で高耐久、メンテフリーが業界やメディアに高評価を得たが、小量処理用に止まっていた。近時船舶バラスト水や自然環境改善等大型ろ過プラント活用への要望が高く、これに応えるべく各分野の技術者が結集し、従来の方式では難問であった大型ばね式フィルター用硬鋼線材の加工方式の転換を図り、品質の安定と低価格化を目標に製造技術の革新を図り、大量処理用ばね式フィルターの商品化を目指す

開発した技術のポイント

小型ばね式フィルターにのみ適用可能であった線材の加工方法等を見直し、大型ばね式フィルターの製造技術を確立する
(新技術)
・大型ばね式フィルターの製作に必要な「高速複合生産加工ラインシステム」を構築する
・縦並びに横装着式ろ過実験装置を製作する
(新技術の特徴)
「ろ過システム」全体としての低コスト化及び高性能化が可能になる

新技術のポイント
具体的な成果

・サーボプレスを活用した高精度化・高機能化技術の開発
‐金型の長寿命化と生産性の向上を図るとともに、金型の高度化による製品の低価格化を達成した
・高機能DLC処理によるプレス金型の高寿命化・環境配慮技術の開発
‐DLC技術による金型の高度化及びブロック化を図った
・プレス成形シミュレーション技術の開発
‐3Dシミュレーション技術を用いた成型金型の構成を検討・評価し、最適生産方式の設定(金型と方式の完成)を行った
・高速複合生産加工ラインシステムの構築
‐ばね線材塑性プレス加工ラインの改良を図った
・実製品の試作による低コスト化及び性能の検証
‐実証実験を通じて性能と実用性を明らかにした

知財出願や広報活動等の状況

・本事業に関連した登録特許等は15件(PCT出願を含む)。
・新聞やテレビといったメディアでの紹介は20件を超える。
-雑誌等:月刊「発明」(2015年)、関東経済産業局広域関東圏中小企業の環境によるアジア進出(2016年)、夢シティちば(2016年)など
-新聞等:朝日新聞(2014年5月29日)、日本経済新聞(2016年1月15日)、日刊工業新聞(2019年2月27日)など
・その他用途開発として、大学等研究機関との共同研究が2件進行中。

研究開発成果の利用シーン

・開発したメンテナンスフリーばね式フィルターを用いたろ過装置技術により、10~120μmのバネの隙間に濾過助剤を堆積することで、微細混入物(0.5μm以上)のろ過が可能。逆洗浄による連続処理が可能で、処理能力は1基あたり数百トン/hrまで幅広く対応可。バネ式フィルターは半永久的に交換不要。
・固体の除去に加え、吸着物質との併用での溶存金属の除去といった用途も開発中。

バネ式フィルターの応用領域
バネ式フィルターの活用事例

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

従来品バネ径φ15mmに対して、実用可能な大型化φ65mmまでを実現。当初計画していた船舶バラスト水や原発汚染水のろ過についての事業環境はと取っていないが、サポインで得た技術を従来製品へ展開し、バネ径に限定しない用途開発を精力的に実施中。

バネ式フィルター(開発品の一例)
バネ式フィルターを用いたろ過プロセス
システム導入までの流れ
提携可能な製品・サービス内容

設計・製作、加工・組立・処理、素材・部品製造、製品製造、試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術コンサルティング

製品・サービスのPRポイント

・大型ばね式フィルターが大型ろ過プラントの運営コスト削減に寄与
‐大型ばね式フィルターを実現したことによって、大型ろ過プラントにおいてバネ式フィルターの使用が可能になる
‐また、小型ばね式フィルターと違い、新技術の大型ばね式フィルターはフィルター内外より洗浄可能であり、逆洗浄性に優れている点が特徴的である
‐それらにより、高精度、高耐久、メンテナンスフリー及び産業廃棄物の発生が無いばね式フィルターが実現し、ろ過プラントの運営コスト、メンテナンスコストの削減に貢献することができる
・将来的に、様々な用途での活用が期待される
‐環境汚染に対応可能な排水処理装置への搭載
‐世界的水不足による飲料水の確保への貢献
‐核汚染の除染への応用
‐船舶に搭載するバラスト水処理装置への搭載
‐海水を用いた冷却水の事前処理

各種分離精製ろ過装置との比較
今後の実用化・事業化の見通し

・小型ばね式フィルターは市場で高い評価を得ており、プラント用大型装置への要望も多い
・船舶バラスト水処理、環境排水、工場排水の処理、海水の淡水化や被災地の汚染水処理への適用も期待されている状況である
・今後の事業化に向けて、株式会社モノベエンジニアリングを中心として、船舶バラスト水、上水・中水処理、化学、集塵機等への商談へ対応するとともに、関連メーカーおよび多くの自治体からの要望が寄せられている汚染水処理に関する対応を行うことを予定している

実用化・事業化にあたっての課題

事業化後の更なる販路の拡大。現在、技術的なハードルが高い領域に踏み込み、ニーズへの対応に向けて検討中。

事業化に向けた提携や連携の希望

環境浄化技術を必要としている業界に精通している企業との提携。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社モノベエンジニアリング
事業管理機関 公益財団法人千葉県産業振興センター 新事業支援部
研究等実施機関 学校法人日本大学 生産工学部
ナノテック株式会社
株式会社イトウ精工
JFEテクノリサーチ株式会社
国立大学法人九州大学 大学院工学研究院
アドバイザー 公益財団法人千葉市産業振興財団、株式会社東洋製作所、エフメック有限会社

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社モノベエンジニアリング(法人番号:7040001007513)
事業内容 精密金属加工業(ばね式モノMAXフィルター及びばね式フィルターろ過装置、散気装置などの製造販売)
社員数 10 名
本社所在地 〒262-0042 千葉県千葉市花見川区花島町149番地
ホームページ http://www.monobe.co.jp/
連絡先窓口 代表取締役 物部長順
メールアドレス info@monobe.co.jp
電話番号 043-257-2789