情報処理
共鳴方式電界結合型無線電力伝送用組込みソフトプラットフォームの開発により、低コストかつ可搬性の良い電子ペーパー端末を作成!
福岡県
株式会社ネットワーク応用技術研究所
2020年3月17日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 共鳴方式電界結合型無線電力伝送用組込みソフトプラットフォームの開発 |
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基盤技術分野 | 情報処理 |
対象となる産業分野 | コンテンツビジネス、情報通信、印刷・情報記録 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、低コスト化、デザイン性・意匠性の向上 |
キーワード | 電子ペーパー、無線電力伝送 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
現在、携帯機器では無接点で効率的な充電方法が求められている。さらに、電子書籍などに使われている電子ペーパーでバッテリーをデバイスから除くことができるならば、薄型/軽量化に大きく貢献できる。そのベストな方法として電界結合型共鳴現象による無線電力伝送が考えられる。本提案では、低コストで高効率、安全で便利、多様な機器に対応した無線電力伝送の組込み制御ソフトウェアプラットフォームを開発し事業化を図る。
開発した技術のポイント
電子ペーパー端末からバッテリーを削減するために、組み込みソフトによる伝送電力効率を最大にする共振制御、感電や故障・誤動作などを未然に防止する近接検知・異状検知による状態監視、また作製・実装コストを大幅に低減させるための開発プラットフォームを作成する
(新技術)
・独自の電極配置、形状特性を開発し、評価ボードを製作する
・共振制御アルゴリズム、近接検知アルゴリズムを改良する
(新技術の特徴)
・伝送電力効率を最大にする・近接検知
・異状検知による状態監視が可能となる
・作製・実装コストを大幅に低減することができる
具体的な成果
・共振方式電界結合電力伝送の高効率化
‐独自の電極形状、配置を研究開発し、通常電極より高効率かつ設置自由度が高い電極の開発に成功した
・共振制御アルゴリズム開発とファームウェア実装
‐独自の高速共振制御アルゴリズムに基づくファームウェアを実装し、結合・総合試験を実施した
・近接検知・異常検知方式の確立および状態制御方式の確立とファームウェア実装
‐共振方式電界結合電力伝送方式を用いての電力伝送を安心・安全に利用することができるように、異物検知を可能とし選択的に電力伝送を行う制御方式の確立およびファームウェア実装を行った
・多様な機器に対応できる制御ソフトウェアプラットフォームの開発
知財出願や広報活動等の状況
・特許出願6件
①特許出願2013-002716 共振周波数探索装置、共振周波数探索方法及びプログラム
②特許出願2013-001631 伝送システム、受電装置及び送電装置
③特許出願2013-003979 伝送システム、送電装置、受電装置及び伝送方法
④特許出願2012-018692 伝送システム及び受電装置
⑤特許出願2012-018691 受電電極対、送電電極対、設計方法及びプログラム
⑥特許出願2011-014368 電力伝送システム及び受電装置
・論文11件
A Muharam, M Masuda, A Hapid, R Hattori:
”Compactly assembled transmitting and receiving modules with shield for capacitive power transfer”to be published on 2019 IEEE PELS Workshop on Emerging Technologies: Wireless Power (WoW), London, 2019. ほか10件
・学会発表20件
・展示会出展2件
研究開発成果の利用シーン
・バッテリレス電子ペーパー端末を用いたIDカード兼入退出管理システム
・バッテリレス電子ペーパーシステムを用いたディスプレイキャプチャシステム
・バッテリレス電子ペーパーを用いたサイネージシステム
・照明・ロボット・ドローン等への無接点電力供給
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・製品版ハード試作版の電子ペーパー端末が完成した
・今後の展開に向けて、位置自由度の更なる向上、無線電力上へのデータ重畳、近未来オフィスにおける各種OA機器への同時電力供給の実現が今後の課題である
提携可能な製品・サービス内容
共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・軽量なIDカードを用いたセキュアな入退出管理の実現
‐バッテリレス電子ペーパーを用いることにより書き換え可能で軽量なIDカードが実現可能である
‐従来のIDカードと比較して、電子的にも視覚的にも入退出の権利の確認が可能となり、よりセキュアな入退出管理が実現可能である
・電子ペーパーシステム活用により、オフィスのペーパーレス化に寄与
‐バッテリレス電子ペーパーシステムを用いることにより、PCやスマートフォンの情報を、プリントアウトと同様に簡単に切り出すことができる
・本技術の応用として照明向け電力伝送や、産業用ロボット向け、ドローン向けの無接点電力供給等への応用研究を実施している
今後の実用化・事業化の見通し
・バッテリレス電子ペーパーシステムの市場展開に向けた製品開発のため、企業へのアプローチを継続している
・電子ペーパー市場以外の川下産業にも無線電力伝送技術の横展開を行っており、FA企業等の引き合いを受けて技術開発を継続している
・組み込みシステム開発分野においても、本開発の技術を応用した実用アプリの開発・販売に取り組んでいる
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ネットワーク応用技術研究所 |
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事業管理機関 | 公益財団法人九州先端科学技術研究所 |
研究等実施機関 | 公益財団法人九州先端科学技術研究所 国立大学法人九州大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ネットワーク応用技術研究所 |
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事業内容 | 最新のネットワーク制御及び応用サービスの研究SW、HW、組込みシステムを組み合わせたシステムの開発ネットワークサービスのコンサル及びシステム構築・運用 |
社員数 | 25 名 |
本社所在地 | 〒812-0011 福岡県福岡市博多区博多駅前1丁目4番4号JPR博多ビル6階 |
ホームページ | http://www.nalab.jp/ |
連絡先窓口 | 第一開発部 平川 |
メールアドレス | hirakawa@nalab.jp |
電話番号 | 092-473-4020 |
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