情報処理
東北大学との産学連携により、低消費電力・低価格なスピントロニクス/CMOS Hybrid半導体(LSI)の回路IP・PDK等の設計技術の開発とLSIを効率的に動かすソフトウェアの開発を行い、実用化基盤を構築し、新市場創出に資する
宮城県
パワースピン株式会社
2025年1月28日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | スピントロ二クス/CMOS Hybrid LSI の設計技術及びソフトウェア開発と実用化 |
---|---|
基盤技術分野 | 情報処理 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、航空・宇宙、自動車、ロボット、産業機械、情報通信、スマート家電、半導体、エレクトロニクス、印刷・情報記録 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(低消費電力化)、高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、低コスト化 |
キーワード | スピントロニクス、CMOS Hybrid LSI、LSI設計技術、低消費電力・低価格、実用化 |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 令和2年度~令和4年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本研究では、川下企業がスピントロニクス/CMOS Hybrid LSI技術を用いたアプリケーションプロセッサを開発するにあたり、特に開発期間の大幅短縮に寄与するために、設計効率10倍、システム設計/実装効率10倍となるようなスピントロニクス/CMOS Hybrid LSI技術を用いたアプリケーションプロセッサの開発基盤を構築する。
開発した技術のポイント
・低消費電力のスピントロニクス/CMOS Hybrid LSI設計I技術の開発
-MRAMマクロ設計環境と設計フローを整備し、16Mbit MRAMマクロの最適化設計を実施した。
-周辺回路のMRAMマクロの構成の共通化を行い、システム実装効率の向上と設計効率の向上を実現した。
-マイコン混載、画像認識向け及びIoT向けAIアプリケーションプロセッサの設計:それぞれ設計仕様検討より課題抽出した。
・試作・評価
-テスト回路試作・評価によるデバイスパラメータ抽出を実施し、評価・解析結果をデバイスパラメータ抽出用各テスト回路の試作条件に反映させた。
-スピントロニクス/CMOS Hybrid LSI設計・試作・評価I技術およびデバイスパラメータ抽出技術の高度化を行い事業推進に反映させた。
・ソフトウェア開発
-混載メモリ実装に向けてエラー訂正コードのアルゴリズムを選定し評価した。また川下ユーザーのニーズに適した画像認識機械学習アルゴリズムを調査・選定基準を作成した。
-AIアプリケーションプロセッサ用ファームウェアの設計・開発を完了した。また、画像認識向け及びIoT向けAIアプリケーションプロセッサ用ソフトウェア開発キットの設計・開発を完了した。
具体的な成果
本プロジェクトでは、スピントロニクス/CMOSハイブリッドLSI技術を用いたテスト回路の試作および評価を実施し、その結果、設計効率を大幅に向上させることができた。具体的には、新規設計の場合、従来比で数十倍、改良設計の場合は十数倍の効率化が実現した。また、AIアプリケーションプロセッサ向けのファームウェアやソフトウェア開発キットの開発も完了し、川下ユーザーに提供する準備が整っている。さらに、特許出願も行い、技術の保護を図った。
知財出願や広報活動等の状況
・特許出願状況
発明の名称: 半導体記憶装置、及び、半導体記憶装置の制御装置
日本出願番号: 特願2021-188194
米国出願番号: 18/056,341
研究開発成果の利用シーン
本研究の成果は、特に低消費電力が求められるIoTやAI向けのエッジシステムにおいて大いに活用される見込みである。例えば、スマートフォンやIoTデバイスのプロセッサ、さらには自動車関連のシステムにおいても、電力削減や高速化に貢献する技術として利用される。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
事業化は、現在進行中であり、スピントロニクス技術を基盤とするLSI製品の量産体制の構築に向けた準備が進められている。既に300mmウェハを用いたプロセスラインが整備されており、今後は、川下企業との連携を通じて事業化が進展する見込みである。令和6年度以降、売上が予測されている。
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術ライセンス、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
本プロジェクトで開発されたスピントロニクス/CMOSハイブリッドLSI技術は、低消費電力でありながら高性能を実現する点が大きな特徴である。この技術は、特にAIやIoT向けのアプリケーションに最適であり、ユーザーが容易に利用できる設計環境とセットで提供される。これにより、開発期間を大幅に短縮できるとともに、製品の省エネルギー性能を向上させることが可能である。
今後の実用化・事業化の見通し
今後は、CIESコンソーシアムにおける技術検証を通じて、さらに広範な分野での事業化が期待されている。半導体産業の動向を踏まえながら、エッジデバイスやAIシステム向けのLSI製品が市場に投入される予定である。また、コロナ禍の影響で一部のスケジュールが遅延しているが、令和6年度以降の事業化が計画されている。
実用化・事業化にあたっての課題
・川下企業との連携を強化し、市場ニーズに対応する製品の開発を進める必要がある。
・コロナ禍の影響により、スケジュールに遅れが発生しており、今後の市場動向に柔軟に対応することが重要である。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | パワースピン株式会社 |
---|---|
事業管理機関 | 国立大学法人東北大学 国際集積エレクトロ二クス研究開発センター(CIES) |
研究等実施機関 | 国立大学法人東北大学 ティアンドエス株式会社 先進技術ソフトウェア事業部 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | パワースピン株式会社(法人番号:3370001043685) |
---|---|
事業内容 | 半導体LSI回路設計・試作サービス |
社員数 | 23 名 |
本社所在地 | 〒980-8572 宮城県仙台市青葉区荒巻青葉468-1 |
ホームページ | https://powerspin.co.jp/ |
連絡先窓口 | パワースピン株式会社 政岡徹 |
メールアドレス | masaoka@powerspin.co.jp |
電話番号 | 022-796-3404 |
研究開発された技術を探す