複合・新機能材料
リチウムイオン電池を超える大容量電池実現に向けて、有機正極活物質の開発に成功!
兵庫県
株式会社ナード研究所
2020年4月6日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | モバイルディスプレイの高機能化に資する高効率な有機二次電池用正極活物質の開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、自動車、情報通信、電池、エレクトロニクス、化学品製造 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(生産性増加)、環境配慮、低コスト化 |
キーワード | 受託研究、活物質、電解質、添加剤、二次電池 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
長時間稼動は、モバイルディスプレイ高機能化のひとつの重要な課題であるが、そのためには、高性能二次電池の開発が必須である。現行のリチウムイオン二次電池の高性能化には理論的限界があり、容量密度の飛躍的増大が見込まれる有機正極活物質を使用する二次電池に大きな期待が寄せられている。本提案では、高効率な有機二次電池を開発するために必須な、高容量密度を示す有機正極活物質の探索とその合成盤技術の確立を行う。
開発した技術のポイント
可逆的多電子移動により高エネルギー密度を示す有機正極活物質を合成し、これらの活物質を使用した電極および電池の作製を行い、高効率な有機二次電池を開発する
(新技術)
・有機化学反応を蓄電に利用した二次電池を開発する
・開発の指針となる化合物設計理論の構築を行う
(新技術の特徴)
・リチウムイオン電池を大きく超える容量密度が可能となる
・リチウムイオン電池と比べて大きな充放電速度が可能となる
・発火等の危険性は小さい
具体的な成果
・有機正極活物質の開発
-最高600Ah/kgを越える容量密度を示す化合物を合成した
-最高800Wh/kgを越えるエネルギー密度を示す材料の開発にも成功した
-充放電を繰り返した際に容量の低下が少ない材料を検討した
-DFT計算による出力電圧の予想に成功した
-上記理論に基づき、出力電圧も3.0Vと高い活物質を開発した
・電池の作製
-電極作製法の最適化の検討を行った
-種々の電解質を用いた二次電池を試作した
-サイクル特性良好な二次電池の検討を行った
-二次電池開発に関する問題点の把握
研究開発成果の利用シーン
・大容量電池を実現可能な有機二次電池正極活物質
・理論計算を活用した分子設計
・複素環や縮合芳香環を有する医薬品の中間体や機能性材料の開発
・二次電池関連材料の開発で培った技術も取り入れた、有機材料、無機材料(金属酸化物も含む)の開発支援
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・容量密度とエネルギー密度は研究目標値をクリアする材料を見出したものの、サイクル特性については目標を達することは出来なかった
・事業化にはサイクル特性の改善が急務であり、引き続き性能向上に向けた補完研究を実施することが必要である
・現在は正極活物質の開発で得られた知見を基に、広く二次電池関連材料の開発支援を実施中である.
提携可能な製品・サービス内容
素材・部品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・大容量密度・エネルギー密度を示す正極活物質の提供により、現行のリチウムイオン電池を遙かに超える高性能二次電池の開発が可能
-構造・純度・サンプル量などユーザーの希望に添った製品の提供が可能である
・DFT計算などの理論計算に基づく合成戦略の構築が可能になり、各種サービス提供可能
-目的性能を満たす新規骨格の提案や、有害物質を避け、短工程で効率のよい合成経路の提案が可能である
-オンデマンドなサービスが提供できる
・ユーザーの希望に沿った複素環や縮合芳香環
・π電子共役系を有する化合物の合成
・提供が可能-医薬品の原薬及び中間体の合成が可能である(GMP対応可能)
-機能性材料の合成が可能である(有機、無機問わず)
・禁水、禁酸素系での反応、サンプル調製が可能である.
今後の実用化・事業化の見通し
・本事業の成果である新規有機正極活物質や、今後補完研究で開発されるより高い性能を有する正極活物質について、電池メーカーを通じて情報機器メーカーや家電メーカー、自動車メーカー、住宅メーカー等に紹介する
・正極活物質開発で獲得した複素環合成や縮合芳香族化合物構築の技術を医薬品や機能性材料の中間体合成に水平展開する
・正極活物質開発で得られた知見を基に二次電池に関連する材料の研究開発支援を展開中である.
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ナード研究所 マテリアルサイエンス研究部 |
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事業管理機関 | 公立大学法人大阪(大阪府立大学) |
研究等実施機関 | 公立大学法人大阪(大阪府立大学) 学校法人大阪電気通信大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ナード研究所(法人番号:8140001050353) |
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事業内容 | 受託合成、受託研究、受託製造 |
社員数 | 120 名 |
生産拠点 | 株式会社ナード研究所(尼崎市, 神戸市) 株式会社ナードケミカルズ(大阪府堺市) |
本社所在地 | 〒660-0805 兵庫県尼崎市西長洲町2丁目6番1号 |
ホームページ | http://www.nard.co.jp |
連絡先窓口 | マテリアルサイエンス研究部 久保田 |
メールアドレス | kubota@nard.co.jp |
電話番号 | 06-6482-7096 |
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