立体造形
光学素子への全面均一蒸着により、耐光性に優れたBlu-ray光ピックアップ用プラスチック光学素子が実現
大阪府
ナルックス株式会社
2021年2月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | Blu-ray光ピックアップ用光学素子の耐光性蒸着膜の全面蒸着量産化技術開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 自動車、光学機器 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(精度向上) |
キーワード | 蒸着、光学素子、全面、均一 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
急速な普及段階にきているBLU-RAY機器の、ガラス光学素子から高機能かつ小型薄型大量生産に不可欠であるプラスチックへの移行において、青色レーザ光による耐光性の脆さが大きな課題となっている。本研究開発では、ナルックス独自の技術である耐光性蒸着膜を、BD機器の小型化に必要な超精密小型プラスチック光学素子へ全面に均一に蒸着する技術を開発し、BD機器の小型軽量薄型化と低コストおよび大量普及に貢献する。
開発した技術のポイント
BD用プラスチック光学素子の全面高精度均一蒸着を達成し、光学素子を小型化し、さらに複雑で精密な耐光性光学素子の生産を目指す
(新技術)
酸素透過係数が低い物質を、全面高精度均一蒸着した素子を開発する
(新技術の特徴)
設計自由度が増し、小型化・薄型化・高機能化が進んだ耐光性光学素子の生産が可能となる
具体的な成果
・静電チャックによる全面蒸着技術の開発
-従来のトレー・カバーを廃止し、製品全面蒸着を達成し、従来と同等の膜質を確認した
・膜厚均一高精度コントロールシステムの開発
-シミュレーションに基づき機構制御を実現した
・高効率・安定量産技術の構築
-装置の小型化・軽量化、量産技術を検討した
-対象製品における成膜を評価、蒸着治具での成膜品と同等の膜質であることを確認した
知財出願や広報活動等の状況
蒸着装置 出願番号:特願2014-142082、特許第5793737
研究開発成果の利用シーン
・製品全面蒸着による耐光性能を有する、Blu-ray光ピックアップ用プラスチック光学素子
・その他の分野含む、複雑形状光学素子
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・静電チャックを用いた製品保持方法による、製品への全面蒸着技術を開発した
・種々の形状の光学素子について、シミュレーションにより、均一な膜厚を高精度にコントロールするシステムを開発した
・対象製品に対する成膜で、従来技術の蒸着治具での成膜品と同等の膜質を確認した
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
・プラスチック光学素子への全面均一膜厚蒸着により、高性能の素子が実現、市場を拡大、コストを削減
-有効領域が部品全体の大部分を占める光学素子へ光学薄膜を製品全面に成膜することで対象光学機器の小型・薄型が可能となる
-プラスチック光学素子に耐光性を持った蒸着膜【特許第4178190号】を全面に均一に成膜することで、耐光性を持ったBD用光ピックアップの設計自由度が増し、小型化・薄型化・高機能化が可能となる
-蒸着物質の飛散角度が異なる『製品の深さ方向の面』や、『複雑な形状の光学素子の壁の境界部』などに均一な膜厚の蒸着膜を形成することで製品の高信頼性・小型化が可能となる
・高精度な膜厚均一性をもった全面蒸着技術を、従来の蒸着技術と同等の生産能力で実現させたことで大量に安定した製品の供給が可能となる
今後の実用化・事業化の見通し
・BD用プラスチック光学素子の全面高精度均一蒸着を達成し、光学素子を小型化し、さらに複雑で精密な耐光性光学素子の作製が可能となり、今後は量産化技術の確立が必要である
・光ピックアップ以外の光学関係川下産業から多くの引き合いがある
実用化・事業化にあたっての課題
対象としていた市場の変化および要求の多様化により、対象製品の仕様だけでなく形状が変化(厳しくなっている)している、引き続き機構・成膜条件の最適化を検討中
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | ナルックス株式会社 |
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事業管理機関 | 一般財団法人大阪科学技術センター |
研究等実施機関 | 国立大学法人東京大学 筑波精工株式会社 有限会社上野技研 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | ナルックス株式会社(法人番号:2120001052522 ) |
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事業内容 | プラスティック光学部品、ガラス光学部品の研究開発 |
社員数 | 260 名 |
本社所在地 | 〒618-0001 大阪府三島郡島本町山崎2-1-7 |
ホームページ | http://www.nalux.co.jp/ |
連絡先窓口 | ナルックス株式会社 技術開発部 薄膜生産技術課 木村 仁 |
メールアドレス | kimura@nalux.co.jp |
電話番号 | 075-963-3456 |
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