立体造形
高性能で加工しやすいSrフェライト粉体による磁石の小型化・薄型化により、自動車用モーターの小型化・軽量化に貢献!
大阪府
株式会社アイテック
2020年4月11日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 超臨界水熱合成法による高性能磁性材料の製造技術及び製造装置の研究開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 自動車、農業、産業機械、スマート家電、工作機械 |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 平成23年度~平成25年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車産業では電装用モーターの小型・軽量化、コストダウン、高性能化のニーズがある。本提案では、東北大学が産学連携研究で見出した、高性能フェライト磁石用ナノ粒子の超臨界水熱合成法に基づき、原料粉体の大量生産プロセスの高度化を実現するための技術開発と実証試験装置を開発し、国際競争力の強化と自動車産業界等の川下ニーズに応える。成果は、希土類磁石の一部置き換えにも繋がり、レアアース低減にも寄与する
開発した技術のポイント
高性能フェライト磁石用ナノ粒子の超臨界水熱合成法に基づき、高性能フェライト磁石の基本原料となるSr(ストロンチウム)フェライト粉体の大量生産プロセスの高度化を実現するための技術と実証試験装置を開発する
(新技術)
Srフェライトの合成を超臨界水熱合成法で行い、更に合成の際にカルボン酸を添加する
(新技術の特徴)
粒子径が微細化し、69.5emu/gという非常に高い飽和磁化特性を示す粒子が得られ、生産される磁性材料粒子の磁性の高性能化につながる
具体的な成果
・ナノ粒子磁性材料製造のためナノ粒子合成条件の解明および粒子特性の制御
‐超臨界水熱合成法を用い、飽和磁性が69.5emu/gのSrフェライト粒子が得られた
・ナノ粒子磁性材料製造のための超臨界水熱合成実証試験装置の開発
‐超臨界水熱合成試験機、高圧スラリー投入装置を作製し、流通式合成法での単相Srフェライト粒子の合成に成功した
・ナノ粒子磁性材料製造のための機構解明
‐低アルカリ下におけるアミン修飾Srフェライトの合成の結果、Srフェライト粉末のアスペクト比が向上した
研究開発成果の利用シーン
・高い飽和磁化特性と成型加工のしやすさを併せ持つ、画期的なSrフェライト粉体
・良質なSrフェライト粉体の大量生産を可能にする、超臨界水熱合成装置
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・Srフェライト粒子の合成について多くの知見を得るとともに技術的な目標値をほぼ達成した
・生産コストについては、1kgあたり700円の当初目標に対して1kgあたり1,400円であったため、更にコストダウンに向けた研究開発を継続的に行う必要がある
製品・サービスのPRポイント
・自動車用モーター内の磁石の小型化・軽量化が可能になり、自動車の燃費削減に貢献
‐合成の際にカルボン酸を添加したうえで超臨界水熱合成法を行うことで、飽和磁性が69.5emu/gに達するSrフェライト粒子の合成に成功した
‐上記の方法で合成されるSrフェライト粒子は、成型加工における汎用性が高いことから、モーター内の磁石の材料として用いることでモーターの小型化・軽量化が可能になり、モーターの回転数ならびに回転速度が上昇する
・高濃度で連続的なSrフェライト原料の生産が可能になることで、製造プロセスでの原料のロスが軽減され、材料費の削減に貢献
‐生産に用いる高圧スラリーポンプを100℃以下で加熱することで、従来の10~20倍の回収濃度である10wt%の粒子回収濃度での合成が可能になり、製造プロセスにおけるSrフェライト粉体の原料のロスを抑えることにつながる
今後の実用化・事業化の見通し
・サポイン事業での研究開発で得られた知見をもとに、高機能製品開発、生産性向上のための研究開発を継続して行い、機能性材料としてのSrフェライト粒子の事業化を推進する予定である
・更なるコスト削減を目指し、配管腐食問題における装置配管の耐久寿命の向上、副生成分からのストロンチウム源及びアルカリの再利用等のプロセスの開発を推進することを目指す
・キャッピング剤を用いて、更に緻密に粒子形を制御した粒子を開発する予定である
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社アイテック 仙台研究所 |
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事業管理機関 | 一般財団法人青葉工学振興会 |
研究等実施機関 | 一般財団法人青葉工学振興会 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社アイテック |
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事業内容 | 超臨界ナノ粒子水熱合成装置、超臨界CO㊦2㊦試験機の設計、製造、販売、金属酸化物等の粒子の製造、販売 |
本社所在地 | 〒980-8579 大阪府堺市堺区神辺町4丁132番1 |
ホームページ | http://www.itec-es.co.jp/ |
連絡先窓口 | 営業部 板垣陽地 |
メールアドレス | itagaki@itec-es.co.jp |
電話番号 | 072-226-8853 |
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