立体造形
酸素含有量が低い不純物共添加酸化亜鉛系粉末の製造技術の確立により、酸化亜鉛系透明電導膜の高度で安定性の高い成膜技術開発を実現
大阪府
ハクスイテック株式会社
2020年3月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | スパッタ成膜用低酸素含有不純物共添加酸化亜鉛系粉末製造技術の開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 環境・エネルギー、自動車、電池 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本事業では、スパッタ成膜用ターゲットの重要性に着目して、不純物共添加酸化亜鉛粉末の非化学量論的組成制御技術を開発・高度化することにより、ターゲット製造に最適な酸素含有量が低い酸化亜鉛系粉末の製造技術を開発する。最終的には、高温、多湿使用環境下において高い安定性を有する低抵抗率酸化亜鉛系透明導電膜のスパッタ成膜技術を確立し、太陽電池など各種デバイス用透明電極やエコガラス窓用熱線反射膜として実用化する
開発した技術のポイント
成膜のためのターゲット製造に最適な酸素含有量が低い不純物共添加酸化亜鉛系粉末の製造技術を開発
・低酸素含有不純物共添加ZnO系粉末の製造技術の開発→酸素含有量を10%以上低減
・低酸素含有不純物共添加酸化亜鉛ZnO粉末を出発原料として、5×10-4Ωcm程度の低抵抗率円形小型低酸素含有スパッタ用ターゲット(直径6インチ程度)を試作
・性能評価のため、低酸素含有不純物共添加ZnO系粉末をターゲットに用いるスパッタ成膜を評価
(新技術)
(特徴)
・ZnOに添加不純物が固溶
・酸素含有量および不純物添加濃度を精密に制御できる
具体的な成果
・低酸素含有不純物共添加ZnO系粉末の製造技術の開発
‐湿式反応法で第1不純物としてAlを0,5,1.0,1.5at%並びにGaを1.0at%添加したZnO系粉末を作製し、比表面積4.8~6.4m2/gの粉末を得た
‐粉末の酸素量の増減を調べるため、還元焼成した直後の粉末を大気雰囲気で焼成すると、重量増が見られた
‐重量増加率は湿式反応法で0.017%、ボールミル法で0.015%であった。湿式反応法ではボールミル法に比べ酸素含有量が13%低減したと推測される
・スパッタ用焼結体ターゲットの試作
‐直径6インチ程度のターゲットの試作において、相対密度95%以上のターゲットを試作することができた
‐四探針法でターゲットの抵抗率を測定し、ホール効果法による抵抗率を推定したところ、湿式反応Alを1.0at%_CIP(冷間等方圧プレス品)で1.69×10-3Ω・cm、湿式反応Alを1.0at%_HP(ホットプレス品)で5.00×10-4Ω・cmを得た
・マグネトロンスパッタリング法によるZnO系透明導電膜の作製及び膜特性評価
‐低酸素含有不純物共添加ZnO系粉末をターゲットに用いたスパッタ成膜及び作製した膜の特性を評価
‐作製したAZO膜は可視光から近赤外領域(波長1,300nm程度)まで85%以上の高い透過率を実現
‐基板であるガラスでの反射及び吸収を含んだ状態でのデータであることから、膜単体では90%以上の透過率を実現できていると考えられる
・AZO膜の典型的な透過率スペクトル
~可視光から近赤外領域まで高い透過率を実現~
知財出願や広報活動等の状況
出展:nanotecH2012(H24.2)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・実用化に成功、H26年度に事業化を予定
・導電性ZnO粉末のサンプルあり(有償)
製品・サービスのPRポイント
・精度向上→導電膜の抵抗分布を半減
・耐久性・耐腐食性・耐摩耗性向上→添加物を微量加えることにより、耐湿熱性試験における抵抗変化率を半減
今後の実用化・事業化の見通し
・継続的な補完研究を実施し、事業化に向け技術を蓄積
‐補完研究を実施し、プロセス依存性や不純物添加効果を試験した
‐スパッタ成膜し、不純物添加効果および耐湿熱試験を予定
‐価格競争から高品質・安定性を重視した製品開発へと舵をきるため、現在は、高品質へ向けて技術を蓄積している
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | ハクスイテック株式会社 中粉クリエイチャー事業部 |
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事業管理機関 | 公益財団法人岐阜県産業経済振興センター |
研究等実施機関 | 学校法人金沢工業大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | ハクスイテック株式会社 |
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事業内容 | 酸化亜鉛、亜鉛末、ケイ酸ジルコニウム等、無機粉末の製造・販売 |
本社所在地 | 〒531-0072 大阪府大阪市北区豊崎3-9-7 |
ホームページ | http://www.hakusui.co.jp |
連絡先窓口 | マテリアルクリエイチャー事業部事業部長 日比野文秀 |
メールアドレス | hibino.f@hakusui.co.jp |
電話番号 | 03-3548-3921 |
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