立体造形
薄肉・高強度・高靱性アルミニウム合金鋳物製造のための金型を開発!低コスト・短納期を実現!
北海道
株式会社木下合金
2020年3月19日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 薄肉・高強度・高靱性アルミニウム合金鋳物製造のための多機能グラビティー複合金型鋳造システムの研究開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 農業、産業機械、情報通信、スマート家電、工作機械 |
事業化状況 | 研究中止または停滞中 |
事業実施年度 | 平成23年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
アルミ合金鋳物においては、高品質で低コストのものが要求されてきている。薄肉・高強度・高靱性の金型鋳造システムの研究を目指す。これらの機械的性質の向上には、微細化技術が欠かせない。方法として微細化剤(NA、TI、ST)の添加が多く使われてきている。これらと相まって、注湯時に超音波振動を与え、凝固時に発生するデンドライトを切り、より細かな結晶粒にして減圧強制吸引をし、鋳物組織の微細化と薄肉・高強度・高靱性を目指す。
開発した技術のポイント
熟練者の注湯動作を踏襲し、種々の鋳込み方案にも対応できる多機能鋳造システム、また減圧吸引により狭空間に強制的に溶湯が回る鋳造システム、注湯時に最適温度下の溶湯に超音波振動等を与える鋳造システムを開発する
(新技術)
・自動注湯装置を開発するとともに、湯流れ性向上の研究を行う
・高強度・高靱性の向上に資する鋳造技術を開発する
(新技術の特徴)
・注湯作業者によるムラを除くことが可能になり、低コスト化を実現することにつながる
・凝固組織の粗大化を抑制することにつながる
具体的な成果
・自動注湯の研究開発
‐作業者による品質のばらつきを無くすことができた
‐注湯速度をコントロールでき、最適速度を記録し再現可能な装置になった
‐金型内の減圧を行い、溶湯が狭い空間に流れやすくする装置も組込み検証実験を行った
・湯流れ性向上の研究開発
‐減圧吸引のための金型の吸引箇所を湯流れシミュレーションにより最終湯回り箇所に決定した
・湯微細化剤の研究開発
‐微細化剤及び超音波加振は微細化に有効で、機械的強度の向上に寄与することが判明した
研究開発成果の利用シーン
高機能アルミ合金鋳物(薄肉で高強度で高靱性なアルミニウム合金鋳物)
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・弘和産業向けヘッドキャップの型式4Nに関しては、金型を改造して生産に入っている
・同ヘッドキャップで雌ネジ付ヘッドキャップの金型が完成し本システムでの量産化へ向けた研究に入っている
製品・サービスのPRポイント
・歩留りの向上によって、コスト削減へ貢献
‐自動注湯装置を開発したことにより、作業者による品質のばらつきを無くすことができた
‐ばらつきをなくすことができたことによって、不良率の低下によるコスト30~50%減の現実化が見えてきた
・複合金型鋳造システムの製作による納期短縮が視野に
‐本研究開発の集大成として、自動注湯システム、減圧強制吸引システム、凝固組織の微細化処理などを複合した前述の鋳造システムの設計仕様を決定した
‐設計仕様に基づき複合金型鋳造システムを製作した(現行納期の30%短縮を目標とする)
・短納期化を達成
‐金型温度を上げるための時間を大幅(5割削減)に短縮し、短納期化が達成できる
今後の実用化・事業化の見通し
・本研究開発において製作した複合金型鋳造システムにより鋳造試験を重ねた結果、従来品の肉厚5.5mmに対して、3mmの製品化のめどが立ってきた
・肉厚を3mmから1mmまでの薄肉化の製品を安定的に生産できるようにし、現在生産している生産のコストを削減し競争力を上げ生産性を上げること、また薄肉・高強度・高靱性アルミニウム合金金型鋳造を広く全国にPRして販路の拡大を行うことなどを目指す
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社木下合金 |
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事業管理機関 | 株式会社北海道二十一世紀総合研究所 |
研究等実施機関 | 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 国立大学法人室蘭工業大学 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社木下合金 |
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事業内容 | アルミニウム合金鋳物及び銅合金鋳物鋳造および、機械加工 |
本社所在地 | 〒047-0036 北海道小樽市長橋2丁目9番5号 |
ホームページ | http://www.kinoshita-gokin.com |
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