立体造形
新規ポリウレタンを塗布成形することで耐熱性・耐摩耗性に優れたポリマーコーティングの実現
大阪府
株式会社ユニックス
2020年3月23日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | ポリウレタン塗布成形皮膜の高機能化・高性能化に関する研究開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、環境・エネルギー、自動車、ロボット、農業、産業機械、スマート家電、食品、半導体、工作機械、エレクトロニクス、物流・流通、スポーツ用品 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高性能化(静音性、摺動性、)、高効率化(静音性、摺動性、)、環境配慮 |
キーワード | 高耐摩耗、柔軟性、常温硬化型、高摺動性、積層厚塗り塗膜 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
ポリウレタン塗布成形皮膜は、摩擦係数が高く耐摩耗性、衝撃吸収性に優れ、しかも常温硬化型である特徴を生かし、多くの産業分野で使用される機器・装置に塗布成形され利用されている。応用分野の多様化に伴い、摺動特性や耐熱温度の向上など新機能の付与と高性能化が求められている。本事業は、特に粉粒体機器・装置を製造あるいは使用する川下製造業者のニーズに応える高機能性塗布成形皮膜を開発し実用化する事を目的とする
開発した技術のポイント
ポリウレタン樹脂の塗布成形皮膜のみで基材と異なる表面を創出し、様々な表面機能を発現する技術を開発する
(新技術)
新規複合ポリウレタン材料を開発し、最適条件で塗布成形を行う
(新技術の特徴)
粉粒体機器等にコーティングすることで、基材の摩耗によるコンタミネーションを防ぎ、粉粒体の流れ性が大幅に改善される
具体的な成果
・新規複合塗布成形材料の研究開発
-無機・有機の複合、分子状複合材(ポリマーアロイ)により新規ポリウレタン塗布成形材料を開発した
・塗布成形技術の研究開発-塗布成形直前に二液をインラインで混合する塗布成形ガンの試作検討、塗布基材の前処理による密着強度の最適化を検討した
・原料および塗布成形皮膜の特性評価
・粉体機器実機への塗布による実用化実証試験の実施
知財出願や広報活動等の状況
・新型塗布ガンは特許を取得した。事業化は未定。
・サポイン企業展示会、粉体工業技術展、機械要素技術展などには出店している。
研究開発成果の利用シーン
<新規製品>
・新規耐摩耗
・耐熱原料
・新規の塗布成形ガン
<応用分野>
・塗料:建築物・公共建造物・木工・船舶の上構部、自動車の中塗りなど
・表面コーティング:自動組み立てラインでの移送の効率化、傷・騒音の防止、ロボットが物を掴むときの滑り防止、掴んだ物の破損防止、化学機器装置の内面(pH4~10)で使用される装置の耐蝕性向上
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・無機・有機複合材料、ポリマーアロイにより、目標値を達成した新規材料を開発した。高耐摩耗性が評価され徐々に受注が伸びている。
・新型塗布成形ガンを開発し、また基材をサンドブラスト処理することとプライマーの選択で密着強度を向上させた
・粉粒体プラントに塗布成形したものは2年以上問題なく稼働している
・一方、熱水ボールミル内面の金属摩耗防止には、耐熱性・耐摩耗性に課題を残している
提携可能な製品・サービス内容
加工・組立・処理、素材・部品製造、製品製造、共同研究・共同開発
製品・サービスのPRポイント
・新規複合ポリウレタン材料を塗布することで、機器・装置の長寿命化・低コスト化を実現
-摺動特性と耐摩耗性、耐熱性の技術目標をクリアーし、耐摩耗性に優れたポリウレタン組成物「高耐摩耗性ポリウレタンUS3000」を商品化した
-粉粒体機器等に塗布成形することで、機材からのコンタミネーションを防ぐことが可能となる
・新型ガンによる原材料の省資源化
-主剤と硬化剤を混合すると直ちに硬化反応が始まるが、塗布直前に正確に混合する技術を開発することにより、混合液を残す無駄の削減に大きな効果がある
-また、塗布作業の時間経過とともに進むゲル化も防げ、塗膜品質向上につながる
・更に耐熱性を向上した「耐熱性ポリウレタンUS3500」、摺動性を向上した「摺動性ポリウレタン原料」の商品化による市場の拡大
-多くの産業分野の機器・装置への応用展開、様々なニーズに対応するために耐熱性に優れた品種、摺動性に優れた品種の商品化を進める
今後の実用化・事業化の見通し
・無機・有機複合材料では、添加剤(フィラー)のナノ微粒化と表面修飾・改質によるウレタン樹脂との親和性を確保することで、さらなる高性能化・安定化が期待される
・本研究開発により、従来90℃程度の耐熱性だったポリウレタンを、ポリマーアロイ技術により粘弾性試験の結果245℃まで高めることができたが、品質の安定化とコストの低減が今後の課題である
・新塗布成形ガンの商品化にあたっては、原料二液圧送供給装置の簡易装置の検討、混合室のクリニング回路の試作・最終確認が必要である
実用化・事業化にあたっての課題
・販売価格を下げる努力。
事業化に向けた提携や連携の希望
・販売価格の低下を含めて、中国企業との連携、開発を検討中。(ライセンス生産、逆輸入等)
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社ユニックス 研究室 |
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事業管理機関 | 学校法人龍谷大学 物質化学部 |
研究等実施機関 | 坂井化学工業株式会社 国立大学法人和歌山大学 学校法人龍谷大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社ユニックス(法人番号:8122001009001) |
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事業内容 | ウレタンコーティングを中心とした各種高機能性被膜の塗布加工を始めとするテクニカルコーティング等の表面処理からそれに係るパーツフィーダーをはじめ各種自動機、省力機FA機器全般の部品加工や装置設計・製作 |
社員数 | 13 名 |
生産拠点 | 東大阪市加納4丁目14-31 |
本社所在地 | 〒578-0901 大阪府東大阪市加納4丁目14番31 |
ホームページ | http://www.unics-co.jp http://www.unirethane.com |
連絡先窓口 | 代表取締役 苗村昭夫 |
メールアドレス | nae-p@unics-co.jp |
電話番号 | 072-968-1166 |
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