立体造形
安全・高機能な次世代内視鏡治療用オーバーチューブ、標本回収バッグ、洗浄吸引カテーテル
滋賀県
山科精器株式会社
2020年3月23日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | プラスチック成形加工技術の高度化による安全、高機能な次世代内視鏡治療関連医療機器の研究開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加) |
キーワード | 熱可塑性樹脂、射出成形、樹脂接合、フィルム成形・接合、微細加工 |
事業化状況 | 事業化に成功し継続的な取引が続いている |
事業実施年度 | 平成21年度~平成23年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
本計画は「次世代内視鏡治療」推進に必要な新規医療機器3品目の開発計画の後半部分に相当する。すなわち、計画の前半部分(平成21年度補正予算事業)で開発された各「キー部材」の機能を最大限に発揮させる「構成部材」、「構成ユニット」類を新たに開発し、それぞれのキー部材とアセンブルさせた「全体試作品(プロトタイプ)」の試作・評価を繰り返すことにより、可及的早期に3品目すべての事業化を目指す研究開発計画である
開発した技術のポイント
オーバーチューブ、標本回収バッグ、洗浄吸引カテーテルの実用化
・チューブ部分、ハンドリング・コネクタおよび先端キャップの開発
・標本回収バッグ→アプリケーター、リング、接続ケーブルの開発
・洗浄吸引カテーテル→導管、高周波電極および導電部、操作部の開発
(新技術)
特徴
・ユニークな壁構造によりチューブを高機能化
・標本回収バッグ→超薄層バッグによりフレキシブル化、細径化を実現
・洗浄吸引カテーテル→多くの極小側孔を有する細径フレキシブルカテーテル
具体的な成果
・実用レベルに近いオーバーチューブを開発
-チューブ部分の素材と形状を確定、成形技術の確立
-ハンドリング・コネクタ部を開発、最大負荷トルク30N・m以上を実現・射出成形にて先端キャップ部の試作品を製作
-9種類の全体試作品を製作し動物実験等を実施、結果、全体の長さを短くした場合、操作性が良く、実用的なレベルに近いことを確認
・標本サイズ35mmを回収可能な密封型標本回収バッグを開発
-収納した標本を漏出させないフィルム状の薄層バッグを開発
-バッグをスムースに収納可能なポリプロピレン製のアプリケーター部を開発
-35mmの標本模型を回収可能なφ40mmの円形状、幅×高さ=0.2mm×0.6mmのリング部を開発、また接続ケーブルを開発
-3種類の全体試作品を製作し評価した結果、目標標本サイズ35mmを満たすブタの胆嚢(長さ40mm、幅35mm)の回収に成功、実用レベルであることを確認
・広範囲に止血できるボール型電極φ2.5を有する洗浄吸引カテーテルを開発
-φ0.4×24個の側孔を有する先端ノズルを製作
-conduit(導管)、先端電極(ボール型電極φ2.5、スパチュラ電極丸型、スパチュラ電極ナイフ型の3種類)を製作
-試作品を製作し評価した結果、流量特性は実用レベル、止血操作はボール型電極φ2.5が広範囲に止血できるため大量出血にも対応可能であることを確認
知財出願や広報活動等の状況
オーバーチューブ特許出願 3件
出願番号 特願2011-069544・特許番号 特許第5917819号 回転引き取り式押し出し成形方法他
出願番号 特願2012-014100・特許番号 特許第5967517号 内視鏡用オーバーチューブ
出願番号 特願2015-562864・特許番号 特許第6230133号 内視鏡オーバーチューブデバイス
「医療用回収バッグ」権利化済み特許3件
出願番号 特願2012-079955・特許番号 特許第5919063号(P5919063)
出願番号 特願2016-504137・特許番号 特許第6530370号(P6530370)
出願番号 2015800093687・特許番号 ZL2015800093687(中国)
「内視鏡用カテーテル」特許 1件
出願番号 特願2012-505609・特許番号 特許第5900965号
研究開発成果の利用シーン
開発した樹脂成形、接合技術により、軟性内視鏡用のオーバーチューブに新たな機能を付与することができる。消化器内科における組織切除等の治療を安全かつ迅速に実施することが可能である。
開発したフィルム成形、およびフイルム接合技術により、軟性内視鏡用の密封型回収バッグの製品を提供することができる。消化器内科における、組織回収や異物回収に利活用することができる。
微細加工技術や樹脂成形技術を利用して、消化管壁を傷つけにくい先端形状を持った流量性能の高いカテーテル製品を提供することが出来る。消化器内視鏡領域における検査や処置具に活用することができる。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・オーバーチューブ:最終仕様が確定し、薬事承認一部変更申請準備中。(実用化に成功し事業化に向けて取組み中)
・標本回収バッグ:平成27年3月29日に販売開始後、改良を経て、現在に至る。現在、バッグ容量を大きくした仕様の追加について検討中。
・洗浄吸引カテーテル:電極無し製品は平成25年8月1日、電極付き製品は平成27年10月21日に販売開始。電極付き製品は改良を経て、新たな製品として平成30年6月1日に販売を開始した。
提携可能な製品・サービス内容
製品製造
製品・サービスのPRポイント
・複雑形状化→単純なチューブ状の従来のオーバーチューブに処置具が挿入できるスペースを確保し、かつ回転追随性の良い素材を追求し、ハンドリングコネクタを付け加えて、回転させながら使用することで組織を効果的に牽引、展開することができる。(オーバーチューブ)
・大型化、大容量化→開発したリング部は、アプリケーターから押し出した際、開口部が40mmの円形状になる。また35mmの標本が回収でき、回収後はバッグ間口部が完全閉口する(標本回収バッグ)
・新方式・新製法等の実現→別々の器具で行っていた、洗浄、吸引、凝固・止血を1つの器具に統合(洗浄吸引カテーテル)
今後の実用化・事業化の見通し
オーバーチューブ、標本回収バッグ、洗浄吸引カテーテル、それぞれに事業化に向けた活動を実施
・オーバーチューブ:令和2年度中に薬事承認、販売開始を目指す
・標本回収バッグ:平成27年3月29日に販売開始後、改良を経て、現在に至る。現在、バッグ容量を大きくした仕様の追加について検討中。
・洗浄吸引カテーテル:電極無し製品は平成25年8月1日、電極付き製品は平成27年10月21日に販売開始。電極付き製品は改良を経て、新たな製品として平成30年6月1日に販売を開始し、更なる改良・開発を検討中。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 山科精器株式会社 メディカルアドバンサーズ |
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事業管理機関 | 国立大学法人大阪大学 |
研究等実施機関 | 株式会社工販 株式会社八光 国立大学法人大阪大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 山科精器株式会社(法人番号:2160001013537) |
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事業内容 | FA化に貢献する各種専用工作機械、船舶用並びに発電プラント向の熱交換器、産業機械・船舶機関向潤滑機および医療機器の製造販売。 |
社員数 | 129 名 |
本社所在地 | 〒520-3001 滋賀県栗東市東坂525番地 |
ホームページ | https://www.yasec.co.jp/ |
連絡先窓口 | 山科精器株式会社 メディカルアドバンサーズ |
メールアドレス | medical@yasec.co.jp |
電話番号 | 077-558-1173 |
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