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研究開発された技術紹介

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バイオ

工業用酵素精製における精製時間短縮・低コスト技術を開発高純度、高回収率での酵素回収を実現

長野県

多摩川精機株式会社

2022年1月28日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 高機能性磁性微粒子を用いた高速・高効率酵素精製プロセスの開発
基盤技術分野 バイオ
対象となる産業分野 医療・健康・介護
産業分野でのニーズ対応 高効率化(同じ生産量に対するリソースの削減)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(生産性増加)、低コスト化
キーワード 酵素、カラム、磁気ビーズ、精製、自動化
事業化状況 事業化に成功
事業実施年度 平成22年度~平成24年度

プロジェクトの詳細

事業概要

酵素精製工程の時間短縮というニーズがある。従来のカラムクロマトグラフィーに代わる高機能性磁性微粒子を利用した精製プロセスを開発し、時間短縮(従来の1/10)、低コスト化を実現する。磁性微粒子は高分散性で結合効率が良く、タンパク質の非特異的吸着が少ないという高機能を有する。これを酵素精製に適用するため、イオン交換とアフィニティー精製を組み合わせた2ステップ精製法、大量磁気分離装置の開発を行う

開発した技術のポイント

従来のカラムクロマトグラフィーによる精製プロセスの代替として、高機能性磁性微粒子を利用した精製プロセスを開発する
(新技術)
高機能性磁性微粒子とそれを利用した連続プロセスにより高速・ワンステップ精製が可能である
(新技術の特徴)
・非特異吸着が少なく、高純度な目的酵素を回収する
・超伝導磁石を使用した連続精製プロセスにより大幅な時間短縮が可能である

従来技術と新技術
超伝導磁気分離装置概要
具体的な成果

・Ni-NTA固定化ビーズ開発
‐His-Tagタンパク質精製用として他社品と比較して非特異吸着が少なく、目的酵素の回収量が多いNi-NTA固定化ビーズを完成させた
・精製条件の最適化確立
—組換え大腸菌破砕液を使用した1リットルスケールでのHis-PQQGDH精製条件を確立した
・流路を利用した磁気分離プロセスと超伝導磁気分離装置の開発と組み合わせによる最適化
‐超伝導磁気分離装置、フィルター装置、流路・反応槽それぞれの試作機を開発。それらを組み合わせて、10リットルスケールの精製条件最適化を行った

研究開発成果の利用シーン

従来のカラムクロマトグラフィーを本高機能性磁性微粒子を利用した工業用酵素精製プロセス・装置に置き換えることで高純度かつ短時間での精製を可能とする。

培養工程からの連続精製

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細
装置外観

・酵素精製用Ni-NTAビーズと超伝導磁石を用いた自動化精製プロセス(装置)を開発した
・実用化に向けてHis-Tagタンパク質以外の有用物質(酵素、抗体等)精製用ビーズ開発が必要である
・装置に関しては密閉系での培養液からの連続精製と工業用として大スケールでの合成方法の確立が必要である

提携可能な製品・サービス内容

製品製造、共同研究・共同開発

製品・サービスのPRポイント

・精製工程の時間短縮、低コスト化を実現
‐従来のカラムクロマトグラフィーによる精製工程の1/20の時間短縮を実現した
‐上記時間短縮が、人件費、設備償却費等のコスト削減に寄与する
・高純度、高回収率を確立
‐従来のカラムクロマトグラフィーによる精製法に対して回収率、非特異吸着の有無において優位性を見出した
・バイオ医薬品開発、食品廃棄物からの有用物質回収への転用が可能
‐製薬会社研究開発部門において、バイオ医薬品開発段階で製造化検討を行う上での小、中スケール精製の需要に対応可能である
‐加工食品の製造過程で発生する廃棄物に含まれる有用物質の回収に対応可能である

今後の実用化・事業化の見通し

・従来のカラムクロマトグラフィーからの置き換えには製薬メーカー及び酵素メーカーといった各社が長年培ってきたノウハウや製法変更によるリスクという大きなハードルがある。すでにその系において最適化されている現行のカラム法の置き換えでなく、新規酵素や薬剤の製品化を見据え開発段階からシステムもしくはシステムの一部を導入、使用してもらうことが必要である。

実用化・事業化にあたっての課題

市場動向、販路開拓

事業化に向けた提携や連携の希望

酵素メーカー、製薬メーカーとのマッチング

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 多摩川精機株式会社
事業管理機関 よこはまティーエルオー株式会社
研究等実施機関 国立大学法人東京工業大学 生命理工学部
仁木工芸株式会社
アドバイザー 天野エンザイム株式会社

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 多摩川精機株式会社(法人番号:6100001022548)
事業内容 サーボコンポーネント・モータドライバ・コントローラ・ロボット・慣性計測装置・自動制御機器・(バイオ)研究用試薬の製造販売及び受託サービス
社員数 750 名
生産拠点 第一事業所(長野県飯田市)、第二事業所(長野県飯田市)、第三事業所(長野県松川町)、八戸事業所(青森県八戸市)、等
本社所在地 〒395-8515 長野県飯田市大休1879
ホームページ http://www.tamagawa-seiki.co.jp/
連絡先窓口 多摩川精機株式会社 第三事業所製造部 安野寛
メールアドレス hiroshi-yasuno@tamagawa-seiki.co.jp
電話番号 0265-21-0501