バイオ
抗体医薬品の製造コスト削減を目的として、ブレビバチルス菌を用いた高機能化プロテインAの開発ならびに低コスト化を図る
千葉県
株式会社プロテイン・エクスプレス
2020年4月11日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | ブレビバチルス菌を用いた抗体精製用タンパク質製造技術の開発 |
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基盤技術分野 | バイオ |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、低コスト化 |
キーワード | 組換えタンパク質生産、抗体医薬品、抗体精製、アフィニティクロマトグラフィ |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成25年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
抗体医薬品の高コストの一因である抗体精製用アフィニティカラムに使用されるリガンドタンパク質の低コスト製造技術開発を目的とする。ブレビバチルス菌を用い、菌株の改良、培養方法や精製方法の開発により、抗体への結合能の向上や精製を容易にできるなどの高機能化したリガンドタンパク質であるプロテインAおよびプロテインLを高効率に生産・精製できるシステムを確立し、現行製品の1/5の価格を目指す
開発した技術のポイント
抗体精製用のアフィニティリガンドとして使用されるプロテインA、ならびにプロテインLを低コストで提供可能な製造技術を開発する
(新技術)
タンパク質の分泌生産能に優れたブレビバチルス菌を宿主とした安価な発酵生産技術を開発するとともに、併せてプロテインAを高機能化する
(新技術の特徴)
アフィニティリガンドの低コスト化及び、使用量の削減により抗体医薬品の低価格化に資する
具体的な成果
・ブレビバチルス菌による高機能化プロテインA生産性向上化開発
‐ブレビバチルス菌による⾼機能化プロテインAの⾼⽣産条件を確⽴した
・高機能化プロテインA精製方法の開発
‐ブレビバチルス培養液から、2種類のカラムを使用した効率的な連続精製プロセスを確立した
・高機能化プロテインAのスケールアップ製造方法の開発
・プロテインL製造方法の開発
研究開発成果の利用シーン
・高機能化プロテインA製造販売
・プロテインL製造販売
・高機能化プロテインA、プロテインLアフィニティカラム
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・本事業終了後、速やかに⾼機能化プロテインAの事業化を実施することが可能となった
・ブレビバチルス菌での野⽣型プロテインLの製造は、⽣産性を従来の10倍とし、低コストでの精製⼯程を確⽴することができた
提携可能な製品・サービス内容
製品製造、共同研究・共同開発、技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
・ブレビバチルス菌を用いた高機能化プロテインAおよびプロテインLの生産により、製造コストが削減され、安価な抗体精製用アフィニティリガンドの提供を可能とした
‐高機能化プロテインA変異体遺伝子をブレビバチルス菌に導入して発現効率を向上させると共に、タンパク質連続精製装置を用いた精製プロセスの最適化を行うことにより、プロテインAの製造コストを従来法の1/5にすることができた
‐プロテインLについては、野生型プロテインLの⽣産性を10倍とし、低コストでの精製⼯程を確⽴することができた
‐高機能化プロテインA及びプロテインLの製造コスト削減が抗体医薬品の価格を下げるとともに製造量の増加にもつながり、売上拡大に寄与する
・従来品以上の性能を持った高機能化プロテインAが抗体医薬品の低コスト化、売上拡大に寄与
‐高機能化プロテインA固定化アフィニティ担体を作製した結果、従来品以上の性能であることが確認された
‐高機能化プロテインAにより抗体医薬品の性能が向上し、売上拡大に寄与する
今後の実用化・事業化の見通し
・高機能化プロテインAについては、リガンドの製造販売だけにとどまらず、シリカモノリスカラムに固定化したアフィニティカラムとして、スピンカラムや96ウェルフォーマットでの販売を計画している
・野生型プロテインLの製造に関しては、スケールアップ製造方法の検討や安全性評価等の事業化を視野に入れた検討を実施していく予定である
実用化・事業化にあたっての課題
大規模生産のための設備
事業化に向けた提携や連携の希望
カラム担体製品を保有している化学企業との連携を希望
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社プロテイン・エクスプレス 研究開発部 |
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事業管理機関 | 公益財団法人千葉県産業振興センター |
研究等実施機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門 株式会社京都モノテック 東亜薬品工業株式会社 |
アドバイザー | ダイソー株式会社(現 株式会社大阪ソーダ) 株式会社バイオフロンティアパートナーズ 株式会社横浜バイオリサーチアンドサプライ |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社プロテイン・エクスプレス(法人番号:9040001012577) |
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事業内容 | タンパク質生産技術を基盤とした研究支援、創薬開発支援 |
社員数 | 5 名 |
生産拠点 | 千葉県木更津市 |
本社所在地 | 〒260-0015 千葉県千葉市中央区富士見一丁目14番13号 |
ホームページ | https://www.proteinexpress.co.jp/ |
連絡先窓口 | 取締役 研究開発部長 渡辺 俊介 |
メールアドレス | shun.watanabe@proteinexpress.co.jp |
電話番号 | 043-202-5755 |
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