複合・新機能材料
磁気シールド装置の低コスト作製技術を開発性能向上を実現し、装置普及に貢献
東京都
株式会社オータマ
2020年3月23日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 高性能磁気シールド装置用磁性材料の熱処理技術開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 医療・健康・介護、環境・エネルギー、農業 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(小型化・軽量化)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高性能化(精度向上)、環境配慮 |
キーワード | 生体磁気計測、磁気シールド、非晶質金属、磁気振動技術、磁気特性 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 平成22年度~平成24年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
最先端の生体磁気計測装置等には磁気シールドが必須であるが、非常に高価であるため装置そのものの普及にとって大きな障害となっている。本事業では、従来の磁気シールド材料に代えて非晶質金属を熱処理により改質し、磁気シールド性能の補強法である磁気振動技術との整合性を高め、地磁気下における磁気特性を従来材料の20倍以上にすることを目的とする。結果として使用材料を大幅に低減させ、低コスト化を実現できる
開発した技術のポイント
Co系アモルファスシートの磁気特性を磁気シールド用に改質するため、熱処理技術を開発する。また、この素材を用いて軽量かつ低コストで、高性能な磁気シールドを開発し、MSRに活用する
(新技術)
Co系アモルファスの磁気特性を高める熱処理技術を開発する
(新技術の特徴)
高性能磁気シールド材を用いることで軽量化、低コスト化を図る
具体的な成果
・磁気シールドモジュールの生産性改善
‐熱処理による磁気特性改善効果を再検証した
‐ラミネート加工方法を再検討した
・SQUIDセンサを用いた磁気シールド性能評価
‐SQUIDセンサ用磁気シールドボックスを作製した
‐磁気シールドボックスを評価した
・磁気シールド補強装置のMSRへの適用
‐磁気シールドルームへの応用を行った
・MSR性能設計のための磁界解析条件の検討
・基本的な磁気特性の向上、磁気シェイキングに適した熱処理条件を確立
知財出願や広報活動等の状況
特許等出願数1件、特許等登録数1件。展示会出展多数。
研究開発成果の利用シーン
・Co(コバルト)系アモルファスを用いた軽量、高性能磁気シールドルーム(MSR)、その他製品
・磁気シェイキング技術を用いた磁気シールド製品
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・従来技術で作られた既設MSRに、新技術で作られたシールド性能補強装置を組み合わせ、実際のMSRとして性能を評価した
・これにより、「既存MSRの遮蔽性能を5倍以上」を達成、実物大での実証段階はクリアした
・継続して補完研究を実施する
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作、加工・組立・処理、素材・部品製造、製品製造
製品・サービスのPRポイント
・従来より低コストで作製可能
‐従来のMSRには非常に高価なパーマロイと呼ばれる鉄・ニッケル合金が使われてきた
‐これを、Co系アモルファスのシートを用いて、軽量かつ低コストで、高性能な磁気シールド材に代替する
・MSRへの部分適用や従来技術とのハイブリッド等の汎用性
‐既存MSRの改造案件も増えており、性能アップを目的とした改造案件に関して、室内への補強シールド層として適応することも期待される
‐部分的な適応や、従来技術とのハイブリッドも可能である
・シェイキングによる遮蔽率の向上
‐アモルファス磁性体材料による遮蔽では磁気シェイキングを行うことにより、遮蔽率が4.3~4.9dBほど向上する
‐モジュール間の磁気的な結合を確実にして遮蔽率を高める可能性もある
今後の実用化・事業化の見通し
・株式会社オータマでは年間5~10基のMSRを受注しているが、半導体製造装置用では実績のない新技術は採用される見込みが非常に低い
・研究用途でのMSRやサイズダウンした磁気シールド(ケース)などでは、重量や価格の低減、あるいは高性能化が重要視されることが多く新技術が適した案件が存在する
・その中でも最も新技術が有効に働くと考えられる扉および開口部補強への部分的な適用を進め、従来技術とのハイブリッドにて実績作りを目指す
実用化・事業化にあたっての課題
特に半導体製造装置用では、実績のない新技術は採用されない。
事業化に向けた提携や連携の希望
複数の学会で、広く成果を発表することにより、マーケットニーズを探ると共に、研究開発を活発に行う企業であることをアピールする。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社オータマ |
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事業管理機関 | タマティーエルオー株式会社 |
研究等実施機関 | 国立大学法人九州大学 |
アドバイザー | 横河電機株式会社 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社オータマ(法人番号:1013401001787) |
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事業内容 | 磁気遮蔽部品製造、磁気及び電磁波の測定とその対策、磁気及び電磁波遮蔽加工 |
社員数 | 40 名 |
生産拠点 | 【本社・稲城工場】東京都稲城市押立1744【八王子みなみ野工場】東京都八王子市七国1-32-2 |
本社所在地 | 〒206-0811 東京都稲城市押立1744 |
ホームページ | http://www.ohtama.co.jp/ |
連絡先窓口 | チーフエンジニア 榊原満 |
メールアドレス | info@ohtama.co.jp |
電話番号 | 042-377-4311 |
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