バイオ
温度を制御し、発酵・熟成時間を短縮する撹拌機能付き高圧下発酵・熟成装置
新潟県
越後製菓株式会社
2020年3月23日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 撹拌機能付き高圧下発酵・熟成装置の開発 |
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基盤技術分野 | バイオ |
対象となる産業分野 | 産業機械、食品 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加) |
キーワード | 発酵、熟成、微生物制御 |
事業化状況 | 事業化に成功 |
事業実施年度 | 平成21年度~平成22年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
発酵を始めとする有用微生物の利用は、これまで1気圧下での食品加工技術として活用されてきた。この1気圧下での発酵に比べ、100MPA程度の高圧力下では、発酵・熟成期間の短縮、微生物の制御、及び機能性物質の作出などの効果があることが知られている。しかし、現状では温度制御が可能な高圧装置がなく実用化技術までに至っていない。本事業では、攪拌機能付き高圧下発酵・熟成装置を開発し、高圧下発酵技術の確立を目指す
開発した技術のポイント
攪拌機能付き高圧下発酵・熟成装置の開発
・高圧下において容器内を効率よく撹拌する技術の開発
・容器内温度を均一に制御する方法の確立
・上記機能を有する高圧下発酵・熟成装置の開発
(新技術)
攪拌機能付き高圧下発酵・熟成装置
・高圧下において容器内を効率よく撹拌
・容器内温度を均一に制御
具体的な成果
・培養器内の温度分布の検証、総括熱伝達係数の算出
‐高圧下発酵・熟成装置の培養器(圧力容器)内温度分布を測定し、そのバラつきを検証
‐熱伝達の計算式から、総括熱伝達係数を算出
・撹拌技術、高圧下温度制御システムの構築
‐圧力容器内の温度分布データを参考にし、シリンダーを用いて圧媒を循環する撹拌技術を構築
‐圧力容器内温度分布均一化のためにはシリンダーで循環させるのみでは不十分なため、攪拌翼を用い、圧媒の輸送現象、特に乱流特性を制御でき、高圧下発酵・熟成装置に組み込み可能な攪拌装置を製作
‐容器内への最適な熱伝達条件と内部撹拌技術をもとに、高圧下の容器内温度を維持・調整する温度制御システムを構築
・設定温度±0.5℃以内の制御が可能な高圧下発酵・熟成装置を試作
‐容器内容量が300ccの試験用高圧下発酵・熟成装置を設計、製作
‐製作した高圧下発酵・熟成装置の容器内温度分布の測定および、発酵・熟成試験を行い、装置の性能評価を実施
‐大気圧から容器内圧力200MPaにおいて、容器内設定温度±0.5℃以内の制御が可能
研究開発成果の利用シーン
酵素分解や熟成に長期間を要する発酵食品の製造において、撹拌機能を有する高圧下で処理時間の短縮を図る
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
・H23年度に実用化に成功、事業化には時間がかかる
・被処理物に対して、試作機等での試験が可能
提携可能な製品・サービス内容
設計・製作
製品・サービスのPRポイント
・製作時間短縮:食材の分解、熟成期間を大幅に短縮
・省エネルギー化:高圧下での分解・熟成により、加圧中の動力を必要とせず省エネルギー化
・新製法等の実現:高圧下では、微生物が増殖・腐敗せずに、分解・熟成を促進する
今後の実用化・事業化の見通し
2015年にHigh-Pressure Support株式会社を設立し、高圧装置の販売を開始した。本事業に関わる100MPa程度の低圧利用装置を含めて、現在までに民間企業の開発部門、大学等に試験設備として複数台の導入実績がある。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 越後製菓株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人にいがた産業創造機構 |
研究等実施機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 国立大学法人長岡技術科学大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 越後製菓株式会社(法人番号:4110001022185) |
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事業内容 | 切り餅、米菓、米飯等の製造、販売 |
社員数 | 800 名 |
本社所在地 | 〒947-0102 新潟県小千谷市高梨町1003-1 |
ホームページ | http://www.echigoseika.co.jp |
連絡先窓口 | 総合研究所 所長 小林篤 |
メールアドレス | at-kobayashi@echigoseika.co.jp |
電話番号 | 0258-83-3288 |
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