バイオ
抗メタボ機能性表示食品の開発
大分県
株式会社サラヴィオ化粧品
2020年4月7日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 抗炎症作用に優れる別府温泉発の温泉藻類を乾燥粉末状とした機能性食品素材の開発 |
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基盤技術分野 | バイオ |
対象となる産業分野 | 食品 |
産業分野でのニーズ対応 | 高機能化(新たな機能の付与・追加) |
キーワード | 機能性食品、温泉藻類、抗炎症、糖脂質、グリーンチャージ |
事業化状況 | 実用化間近 |
事業実施年度 | 平成27年度~平成29年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
別府温泉から単離した糖脂質産生温泉藻類(登録商標、特許取得済)に抗炎症効果を見いだし、化粧品に応用してきた。本事業では、温泉藻類乾燥粉末を機能性食品素材として開発し、その機能を科学的に示し、グリーンチャージ初の機能性食品を、約1.8兆円の健康食品市場に提供する。消費者には効能効果が分かり難い既存グリーンチャージと差別化を図り、人への糖脂質の作用を消費者に分かり易く提供し、糖尿病予備群などの健康維持に実感をもって貢献する。
開発した技術のポイント
抗炎症効果のある糖脂質を含有する温泉藻類を、機能性をもつグリーンチャージ素材として開発することで、抗メタボ作用を消費者に分かり易く説明できる機能性食品を提供し、新たなヘルス&ビューティ市場を形成・開拓する。
(新技術)
温泉藻類含有の抗炎症物質の糖脂質ジガラクトシルジアシルグリセロール(DGDG)に着目し、抗メタボ作用機序における効果の解明を行った。
温泉藻類粉末含有食品を用いた臨床試験で抗メタボ効果を実証した。
(新技術のポイント)
・機能の表現を可能とする科学的研究成果を付与した機能性食品を開発した。
・流加混合栄養培養により、コスト的に問題ない温泉藻類の生産量を得る目処が得られた。
具体的な成果
60Lスケールの混合栄養培養、スプレードライにより温泉藻類粉末の製造工程を確立した。
・温泉藻類粉末を配合したプロトタイプ食品を開発した。
・in vivo試験で、温泉藻類粉末がインスリン抵抗性の改善効果を示した。in vitro試験で、温泉藻類粉末及び糖脂質(DGDG)は、脂肪細胞において脂肪の蓄積を抑えた。
・太り気味の被験者を用いた無作為化二重盲検プラセボ対照ヒト試験により、プロトタイプ食品はインスリン抵抗性指数(HOMA-IR)を改善し、血圧及び腹囲長を減少した。
・開発研究成果を国内外の展示会で紹介すると共に、論文(Pharmacological Research)へ投稿した。
知財出願や広報活動等の状況
知財: 特許 第5676702号 「藻類体から抽出したエキスを含有する組成物、及び化粧用組成物、炎症性疾患の治療・予防薬、並びに新規微生物」(2013年8月12日出願)により保護されている。広報活動
・ FHC CHINA Food & Hospitality Trade Show 2017、2017年 11月14日-16日 中国 上海 新国際博覧中心 株式会社オアシスジャパンより出展した。
・ 健康博覧会 2018 2018年1月31日‐2月2日 東京ビッグサイト 株式会社黒乃屋より出展した。
・ CEATEC JAPAN 2018 サポーティングインダストリー・エクスポジション(サポインエキスポ)(U R L:http://dcaj.or.jp/sapoin/)会期:2018年10月16日ー19日 会場:幕張メッセ 株式会社サラヴィオ化粧品より、ピッチでの口演説明、及び展示説明を行った。
研究開発成果の利用シーン
機能性表示食品等の機能性食品
機能性化粧品、飼料、ペットフード、餌、将来的には、医薬品や燃料にも応用が可能
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
事業化に向けて、温泉藻類の効率的な培養・精製条件を検討すると共に、培養・精製工程のスケールアップ検討を行っている。令和2年夏を目途に、10kL培養及びそれにより生産された温泉藻類のスプレードライの検討を行い、生産体制の確立を目指している。
提携可能な製品・サービス内容
共同研究・共同開発、技術ライセンス
製品・サービスのPRポイント
・温泉藻類粉末は、終末糖化産物(AGEs)の受容体(RAGE)を介したシグナル伝達系の活性化を抑え、脂肪組織へのマクロファージの浸潤及び脂肪細胞の肥大化を抑制し、インスリン抵抗性を改善した。
・温泉藻類粉末を摂取した臨床試験において、インスリン抵抗性を改善する効果が認められ、血圧及び腹囲を減少させる傾向がみられた。
今後の実用化・事業化の見通し
・温泉藻類粉末を用いた食品の市場導入には、生産量及び価格面から効率的なスケールアップが必須である。
・kLレベルへのスケールアップには、数億円の培養槽等の設備導入が必要となる。当面は、業務委託により、10kLスケールの培養での藻体生産及びスプレードライを行っていく。
・消費者ニーズを十分調査し、消費者に受け入れられ易い製剤設計をしていく。
実用化・事業化にあたっての課題
・藻の大量培養の効率化が課題となっている。屋外培養では、培養時のコンタミネーションや精製効率の悪さに問題があり、タンク培養を検討している。タンク培養では、光照射や安価な大型タンク設備設計が課題となっている。
事業化に向けた提携や連携の希望
・効率的な事業化のために、提携や連携についても模索していく。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社サラヴィオ化粧品 |
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事業管理機関 | 公益財団法人大分県産業創造機構 |
研究等実施機関 | 久留米大学 糖尿病性血管合併症病態・治療学講座 株式会社アミノアップ化学(現株式会社アミノアップ) 株式会社ソフトベンチャー 株式会社黒乃屋 株式会社オアシスジャパン |
アドバイザー | 藤井康弘(別府大学食品栄養科学部長、食品栄養学科 教授)、 大坪素秋(別府大学食物栄養科学部 発酵食品学科 教授)、 山本 展久(大分県産業科学技術センター 食品産業担当 主幹研究員) |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社サラヴィオ化粧品(法人番号:6320001007188) |
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事業内容 | 化粧品及び医薬部外品の製造販売業 |
社員数 | 61 名 |
生産拠点 | 第1生産本部(大分市下郡) |
本社所在地 | 〒874-0840 大分県別府市大字鶴見1356-6 |
ホームページ | https://www.saravio.jp/ |
連絡先窓口 | 株式会社サラヴィオ化粧品 田島正裕 |
メールアドレス | tajima@saravio.jp |
電話番号 | 0977-75-8575 |
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