立体造形
多軸通電焼結法の特徴を活かした革新的焼結技術の開発
広島県
株式会社アカネ
2020年3月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 表面改質型焼結技術の開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
事業化状況 | 実用化に成功し事業化間近 |
事業実施年度 | 平成20年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
自動車業界や電気業界では、エレクトロニクス部品の実装密度の増加やパワーデバイスの増加・高出力化にともない、発熱量の増加対策が課題となってきている。そこで放熱部品を開発ターゲットに、多軸通電焼結法の特徴を活かした革新的焼結技術を開発し、高熱伝導・高熱伝達率の放熱部品を実現する。また、コスト低減のために、世界初の次世代通電焼結装置を開発・実用化し、その期待に応える
開発した技術のポイント
・多軸通電焼結法の特徴を活かした革新的焼結技術を開発し、高熱伝導・高熱伝達率の放熱部品開発を実現
‐SiC-Cu系複合材料の焼結密度99.5%以上を達成
‐複合材放熱基板の焼結技術の開発:熱伝導率280W/m・K以上、熱膨張係数11ppm/℃以下を実現(放熱基板向け)
‐銅板ヒートシンクの拡散接合技術:プラズマ処理を利用した銅板拡散接合によりアルミダイカスト製比熱抵抗50%低減、拡散接合温度600℃以下を実現(ヒートシンク向け)
‐絶縁基板・放熱基板の一体成形技術:絶縁基板・放熱基板の一体化品の熱抵抗0.2K/W以下を実現(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)用放熱基板向け)
・コスト低減を実現する世界初の次世代通電焼結装置の開発・実用化
‐連続式表面改質型多軸通電焼結装置:生産速度6分/個(バッチ式比10倍)、材料特性はバッチ式並みを実現
新技術の特徴
(1)放熱性の向上
・熱伝導率のよい純Cuが扱える
・材料選択の自由度向上
(2)コスト低減
・溶解プロセスが無いため、エネルギー消費低
・ニヤネットシェイプの製品ができ、加工不要
具体的な成果
・複合材放熱基板の焼結技術の開発
‐Gr(黒鉛)-Cu系複合材とダイヤモンド-Cu系複合材の2種類で目標の熱伝導率、熱膨張率を達成(Gr-Cu系複合材:Grが50vol%以上であれば、熱伝導率280W/m・K以上、熱膨張係数11ppm/℃以下を同時達成、ダイヤモンド-Cu系複合材:熱伝導率=422W/m・K、熱膨張率=6.5ppm)
・銅板ヒートシンクの拡散接合技術の開発
‐拡散接合温度800℃を200℃程度下げることに成功
・絶縁基板・放熱基板・ヒートシンクの一体成形技術の開発
‐開発したインサート材を中間材として利用することで、AlN絶縁基板とCu放熱基板との一体成形を可能とした。アルミダイカスト製の非一体型に比べ、熱抵抗が半分程度になることを確認
・連続式表面改質型多軸通電焼結装置の開発
‐当初の期待通り、生産性はバッチ式の10倍(6分/1サイクル)を実現し、目標を達成
知財出願や広報活動等の状況
・受賞:経済産業省「元気なモノ作り中小企業300社」(H22)、㈳発明協会「発明奨励賞」(H22)
・特許出願:「金属材料の接合方法」(特願2010-209916)、「ヒートシンクの製造方法」(特願2010-209929)、「積層型ヒートシンク」(特願2011-20204)
研究開発成果の利用シーン
複合材放熱基板の焼結技術、銅板ヒートシンクの拡散接合技術、絶縁基板・放熱基板・ヒートシンクの一体成形技術として用いられる
実用化・事業化の状況
今後の実用化・事業化の見通し
自動車部品メーカーと共同研究を実施中
・平成24年度の実用化を目指し、小型・軽量・低コストのヒートシンクを必要とする自動車部品専業メーカーと共同研究開発を実施中
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社アカネ |
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事業管理機関 | 公益財団法人ひろしま産業振興機構 |
研究等実施機関 | 丸善工業株式会社 株式会社システムアートウエア 有限会社広常産業 広島県立総合技術研究所 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社アカネ |
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事業内容 | 自動車用シート金属部品製造、省力化機械の設計・製造、多軸通電焼結機の設計・製造、多軸通電焼結機を用いた受託焼結 |
本社所在地 | 〒736-0082 広島県広島市安芸区船越南2丁目6番3号 |
ホームページ | http://www.atengineer.com/akane、http://homepage3.nifty.com/business1/akane |
メールアドレス | k.sunamoto@akane-kk.jp |
電話番号 | 082-823-3859 |
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