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立体造形

伸び変形に強い圧電シートがタイヤ内部での振動発電を可能にし、タイヤ及び自動車の高機能化に貢献

宮城県

株式会社イデアルスター

2020年4月11日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 伸び変形率の大きな布状発電シートの開発
基盤技術分野 立体造形
対象となる産業分野 医療・健康・介護、環境・エネルギー、航空・宇宙、自動車、ロボット、産業機械、建築物・構造物、工作機械、エレクトロニクス
産業分野でのニーズ対応 高機能化(新たな機能の付与・追加)、高性能化(既存機能の性能向上)、高性能化(耐久性向上)、高効率化(生産性増加)、環境配慮
キーワード 有機圧電・焦電材料、環境発電(エナジーハーベスティング)、ウェアラブルセンサ、ハプティクス
事業化状況 実用化に成功し事業化に向けて取り組み中
事業実施年度 平成23年度~平成25年度

プロジェクトの詳細

事業概要

自動車業界において、燃費向上は大きな技術課題となっている。本提案では、高分子圧電材料を不織布に含浸させて、引張荷重に対して大きな変形に耐え、伸び圧電性が飛躍的に増加する圧電シートを開発する。既存製品にない非常にフレキシブルな特性を持ち、凹凸形状の物体にも追従させて貼付けることが可能となる。この新技術を用いれば、自動車のタイヤ内部での振動発電が可能となり、燃費向上に大きく寄与すると期待されている

開発した技術のポイント

自動車のタイヤ内部の振動エネルギーの回収を可能とする発電材料を開発する
(新技術)
高分子圧電材料を伸縮性母材に含浸させて、引張荷重に対して大きな変形に耐え、伸び圧電性が飛躍的に増加する圧電シートを開発する
(新技術の特徴)
既存製品にない非常にフレキシブルな特性を持ち、自動車のタイヤ内部に貼り付けることが可能になる

具体的な成果

・伸縮性母材への圧電材料含浸化技術の開発
‐タイヤ内実装試験に耐える材料仕様及びそのプロセス条件を確立した等
・伸び変形に強い電極形成技術の開発
‐タイヤ内での実装評価を得て最終的に開発圧電シート上に塗布する電極材を選定し、その形成条件を確立した等
・分極条件の最適化
‐大面積での分極処理装置の仕様検討を行い、分極処理装置を設計・製作した
・発電シートの動作検証を実施
‐専用試作回路【東北大学山口・遠藤(恭)研究室製作】をタイヤに設置した発電シートと接続して、高効率にて回収・蓄電が行えることを実証した等

試作した発電シートのタイヤ内実装の様子
(図1-1の部分拡大)
専用設計試作回路
研究開発成果の利用シーン

・自動車のタイヤ内部の振動エネルギーの回収を可能とする発電シート
・曲面への貼り付けが可能な振動・圧力センサ
・ロール・ツゥ・ロール分極処理装置

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

・市場の要求調査により、(1)電極材料の密着性、(2)配線固定部の軽量化、(3)シート最適形状の明確化等の改善課題を明らかにした
・実装評価を繰り返し行い、目標とする発電量を確保する発電シートの標準仕様を確立した

提携可能な製品・サービス内容

加工・組立・処理、試験・分析・評価、共同研究・共同開発、技術ライセンス、技術コンサルティング

製品・サービスのPRポイント

・伸縮性があり100℃での使用も可能な圧電材料の開発により、フレキシブルな圧電素子として任意形状に加工が可能
‐高温耐熱性及び高伸縮性機能を有する高分子圧電材料を開発した
‐塗布工程を基本としたプロセスでロールでの生産も可能になり、セラミック圧電素子にはない扱い易さで用途に合わせた後加工も容易になった
・自動車タイヤの振動エネルギーの回収を実現、空気圧センサなどのセンシングデバイスの電源となり、バッテリーレス化を促進
‐タイヤ内への実装試験にてタイヤ1回転当り10μC以上の蓄電を達成し、定期的な無線送信が可能な電力量を確保した
‐タイヤ内をはじめ外部電力供給や電池交換が難しい環境での自給電源用途等への展開が可能になった

今後の実用化・事業化の見通し

・開発した材料を用いた発電体や圧力センサの開発依頼を受け、デバイス仕様を検討している
・量産製造の際は一部外部委託を計画しており、協力メーカーと共に新しい産業の創造を目指している

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 株式会社イデアルスター 第一実験室
事業管理機関 株式会社インテリジェント・コスモス研究機構
研究等実施機関 株式会社明和電機
国立大学法人東北大学 大学院工学研究科

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 株式会社イデアルスター(法人番号:6370001012514)
事業内容 研究開発(有機圧電デバイス、有機太陽電池、有機エレクトロニクスデバイス)
社員数 7 名
本社所在地 〒989-3204 宮城県仙台市青葉区南吉成6-6-3 LABO・CITY仙台
ホームページ http://www.idealstar-net.com/
連絡先窓口 圧電デバイス事業部
メールアドレス idealstar@idealstar-net.com
電話番号 022-303-7336