複合・新機能材料
ポリケトン繊維を用いて炭素繊維積層版の約2倍の衝撃強度を持つ複合材用繊維基材を実現
福井県
中島織物工業株式会社
2020年3月20日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 軽量で耐衝撃性に優れた安全性の高い先端複合材用繊維基材の開発 |
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基盤技術分野 | 複合・新機能材料 |
対象となる産業分野 | 航空・宇宙、自動車 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(耐久性向上)、高性能化(小型化・軽量化) |
キーワード | ポリケトン、合糸、サイジング、開繊 |
事業化状況 | 研究中止または停滞中 |
事業実施年度 | 平成19年度~平成21年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
有機繊維束の合糸技術、サイジング技術、開繊技術を開発し、新規なスーパー繊維であるポリケトン繊維に応用し、炭素繊維プリプレグシートとの複合化により、軽量で耐衝撃性に優れた安全性の高い先端複合材繊維基材を開発する
開発した技術のポイント
ポリケトン繊維と炭素繊維との複合化により、軽量・耐衝撃性の高い先端複合材用繊維基材を開発
・ポリケトン繊維の太繊度糸の開発(従来存在せず)
・ポリケトン繊維の合糸・開繊技術の確立
・ポリケトン繊維の複合プリプレグの開発(炭素繊維単体複合材比1.2倍の衝撃強度)
具体的な成果
太繊度合糸に適したポリケトン繊維の開発
・繊維撚りがなく、糸強度保持率が従来繊維対比95%以上、単糸膠着改良率50~60%(従来繊維10~20%)の繊維を得た
・繊維サイジング剤(糊剤)を樹脂との接着性が高いものに変更し、油剤洗浄工程を合理化
・繊維生産工場にて集束性と帯電防止性を兼ね備えた新規ポリケトン改良糸の供給が可能に
ポリケトン繊維の合糸・サイジング・開繊技術を開発
・合糸装置の導入、合糸の品質評価法の検討により、ポリケトン繊維合糸に必要な基本条件・技術を確立し、工業化技術を開発
・加工速度10m/秒で、安定的に多量の高品質合糸チーズを得ることに成功
・開繊機を導入し、均一分散性の高い開繊に必要な基本条件・技術を確立
ポリケトン繊維を複合したプリプレグを開発
・ポリケトン繊維、炭素繊維を開繊して薄層のプリプレグシートを作製し、それを交互積層してハイブリッド型の擬似等方性積層板を作製
・衝撃強度、衝撃吸収エネルギーにおいて、目標の炭素繊維積層板対比1.2倍を上回る
研究開発成果の利用シーン
高強度、高弾性、高伸度、低吸水性等の特性を持つ樹脂複合材として、航空機や自動車等に適用されることにより、軽量化に貢献
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
参画機関より提供予定原糸の事業化断念に伴い、原料供給のめどが立たなくなった
提携可能な製品・サービス内容
技術コンサルティング
製品・サービスのPRポイント
参画機関より提供予定原糸の事業化断念に伴い、原料供給のめどが立たなくなった
今後の実用化・事業化の見通し
ポリケトンに代わる有機繊維を用いた新たな展開を検討中
・原糸供給元であった参画メンバー企業において、ポリケトン原糸の事業化推進が断念されたため、ポリケトンに代わる有機/無機繊維での試作、応用展開を検討中
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 中島織物工業株式会社 |
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事業管理機関 | 公益財団法人ふくい産業支援センター |
研究等実施機関 | 旭陽産業株式会社 旭化成せんい株式会社 福井県工業技術センター 学校法人金沢工業大学 |
参考情報
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 中島織物工業株式会社(法人番号:6210001002571) |
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事業内容 | 繊維製造業(製織、撚糸) |
社員数 | 50 名 |
本社所在地 | 〒910-0859 福井県福井市日之出3丁目2竏窒P4 |
連絡先窓口 | 中嶋 淳一郎 |
電話番号 | 0776-24-0139 |
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