文字サイズ
標準
色の変更

研究開発された技術紹介

  1. トップ
  2. 研究開発技術検索
  3. 鋳造プロセス改良により合金を高強度化し、航空機部品の薄肉化・複雑一体化を促進

立体造形

鋳造プロセス改良により合金を高強度化し、航空機部品の薄肉化・複雑一体化を促進

千葉県

日本プレシジョンキャスチング株式会社

2020年3月18日更新

プロジェクトの基本情報

プロジェクト名 輸送機械用大型薄肉複雑一体成形部品の精密鋳造技術の開発
基盤技術分野 立体造形
対象となる産業分野 航空・宇宙、自動車、物流・流通
産業分野でのニーズ対応 高性能化(小型化・軽量化)、環境配慮
キーワード 軽量化、一体成型、コストダウン
事業化状況 研究中止または停滞中
事業実施年度 平成19年度~平成21年度

プロジェクトの詳細

事業概要

川下製造業者の輸送機械産業(航空機、自動車、鉄道車両等)における燃費向上の為の軽量化は重点課題である。高強度化、複雑形状化、一体成形化、等のための、減圧鋳造技術の開発と冷却技術の最適化により、重量低減7~10%、部品点数10%低減のエンドユーザーの要求目標を達成する。これにより精密鋳造における世界最大の大型薄肉複雑一体成形技術をさらに発展させ、日本の輸送機械産業を下支えするグローバル化に対応できる部品メーカの基盤技術とする

開発した技術のポイント

引張り強度400MPa、伸び5%以上のAl-Si-Mg系鋳造アルミニウム合金を開発
・引張り強度:220MPa~280Mpa→400MPa以上
・伸び:2~3%→5%以上
→航空機等の輸送機械の構造部品に適用可能に
(新技術)
・引張り強度:400MPa以上
・伸び:5%以上
・疲労試験:AMS4249Aの試験条件とASTME466の試験片形状に準拠して実施
・肉厚:1.5mmで大型鋳物の試作

具体的な成果

・精密鋳造部品の製造を可能にする真空溶解装置を開発
・真空溶解・真空鋳造凝固管理を連続で行う鋳造用新真空溶解装置を開発
・高周波誘導による溶解を取り入れ、高温での温度管理が可能に
・各種の形状の試作品に適用できるように装置を改修
・SCプロセスにより、引張り強度317MPa、伸び14.7%の製品サンプルを試作
・鋳造したアルミ合金の結晶粒を微細化するための凝固管理技術の各種試験を行い、SCプロセス(Solidification Control Process:日本プレシジョンキャスチングが開発)が最適との結果を得る
・本手法を適用し、現在量産を行っている製品に近い形状のサンプルを製作
・試験片の組織、強度等の解析結果、引張り強度317MPa、伸び14.7%(A356合金)を実現
・装置仕様の最適化を進め、さらに多種類の形状に対応
・川下ユーザーの設計による航空機機体構造部品の試作を実施
・疲労試験の結果、170、210、240MPaの各応力水準において、平均値で在来鋳造法の6.5倍、11.7倍、1.3倍の疲労寿命を達成。在来鋳造法に比較して非常に優れた結果
・引張り強度381MPa、伸び5.9%(A357合金)を実現

知財出願や広報活動等の状況

学会発表:千葉工大 茂木徹一 田辺郁NPC 柴田治 馬場誠一郎 三菱重工 高橋孝幸 東葛テクノプラザ 長谷川利之『輸送用大型複雑部品の精密鋳造技術のサポインプロジェクト報告』『輸送用大型複雑部品の精密鋳造技術の開発』(日本鋳造工学会 第157回全国講演大会 H22.10)

研究開発成果の利用シーン

航空機のドア等において、鋳造プロセスを改良したAl-Si-Mg系軽合金を用いることにより、薄肉化、複雑形状の一体化を図ることができ、軽量化、・メンテナンス・コストの低減につながる

実用化・事業化の状況

事業化状況の詳細

実用化・事業化の目途は立っていない。

提携可能な製品・サービス内容

素材・部品製造

製品・サービスのPRポイント

現在の航空機や飛翔体に使われている部材と同等の強度を確保しながらより薄く、より軽くすることにより燃料消費が改善できる。あるいは航続距離の延長や高速化への貢献が期待できる。

今後の実用化・事業化の見通し

販売本格化に向け、提案を実施中
・次期改良型航空機への採用を目指し、ユーザーの研究開発部門からエンドユーザーへの提案を検討中
・その後は、リニアモーターカー等も視野にいれ販路を拡大予定

実用化・事業化にあたっての課題

基本的には航空機への展開を視野に開発した技術であり、弊社が認証を所持しているボーイングの新型機への適用を目論んではいるが787型機以降新型のプログラムが無く。(既存機の改良型からの参入は不可能)実用化・事業化の目途は立っていない。

事業化に向けた提携や連携の希望

本研究はアルミ合金にて実施したが、現在防衛向けにて鉄合金での大型薄肉複雑一体形状の精密鋳造部品のニーズが有り本研究で培った鋳型の製作技術を応用し事業として成り立っている。但し残念ながら鋳造設備・鋳造技術は適用出来ない。

プロジェクトの実施体制

主たる研究等実施機関 日本プレシジョンキャスチング株式会社
事業管理機関 公益財団法人千葉県産業振興センター
研究等実施機関 学校法人千葉工業大学
三菱重工業株式会社
有限会社千和製作所
有限会社初富製作所

主たる研究等実施機関 企業情報

企業名 日本プレシジョンキャスチング株式会社(法人番号:4040001058996)
事業内容 ロストワックス製法による一般産業及び航空宇宙産業用途の精密鋳造品の製造及び販売
社員数 80 名
本社所在地 〒297-0143 千葉県長生郡長南町美原台1-5
ホームページ http://www.npc-c.co.jp
連絡先窓口 製造部 技術課 課長 白石康將
メールアドレス y.shiraishi@npc-c.co.jp
電話番号 0475-46-2205