立体造形
高強度、高切削性な鋳鉄素材の開発
北海道
株式会社村瀬鉄工所
2025年1月21日更新
プロジェクトの基本情報
プロジェクト名 | 高強度鋳造部品を用途としたハイマシナビリティ球状黒鉛鋳鉄の開発 |
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基盤技術分野 | 立体造形 |
対象となる産業分野 | 自動車、ロボット、産業機械、工作機械 |
産業分野でのニーズ対応 | 高性能化(耐久性向上)、高性能化(信頼性・安全性向上)、高効率化(工程短縮)、高効率化(人件費削減)、高効率化(使用機器削減)、高効率化(生産性増加)、低コスト化 |
キーワード | 高強度、ハイマシナビリティ、高切削性 |
事業化状況 | 研究実施中 |
事業実施年度 | 令和2年度~令和4年度 |
プロジェクトの詳細
事業概要
市場ニーズに基づく建設機械等の高出力、高性能化の流れにより内燃機関の高性能・高耐性化が求められている。一方、それら製品の市場競争力という点で更なるコスト低減が課題である。アルミニウム合金や片状黒鉛鋳鉄と比べ、その強靱性から部品素材として球状黒鉛鋳鉄が注目されている。
しかし、被削性に乏しく、加工に難点を持つため、当該素材を基に高い強靱特性を持つ「球状黒鉛鋳鉄」をベースに、その強靱特性を維持しながら、被削性を高める材料配合などの制御技術とともに、このような技術により鋳造された高品質な素材の製品加工技術を確立し、高強度と加工性という相反する特性課題を解決する新素材「ハイマシナビリティ球状黒鉛鋳鉄」の開発を目指す。
開発した技術のポイント
・球状黒鉛鋳鉄にSiやCaを添加し、被削性を向上させた。
・3.9%Siを含む材料では、工具寿命が従来材の3倍に延びた。
・製造プロセスの安定化により、大型ブロックの製造が可能となった。
・従来材と比較して、引張強度や疲労強度の向上が確認された。
具体的な成果
高シリコン球状黒鉛鋳鉄を開発し、従来材と同等以上の機械的性質を実現した。工具寿命が3倍に延び、加工コストの削減が可能となった。また、大型ブロック製造技術の確立により、製品の薄肉化と重量抑制が可能となり、建設機械や自動車部品への応用が期待される。
研究開発成果の利用シーン
高強度かつ加工性に優れたハイマシナビリティ球状黒鉛鋳鉄は、建設機械や自動車部品に使用される。特に、エンジンブロックや異形管など、高圧縮比に耐える部品としての利用が期待されている。また、製品の薄肉化により、軽量化や燃費向上にも貢献する。
実用化・事業化の状況
事業化状況の詳細
研究成果をもとに、大型ブロックや異形管などの試作品が製造され、実機試験においてもJIS規格を満たす品質が確認された。自動車や建設機械への適用が進められており、今後の市場拡大が期待される。
提携可能な製品・サービス内容
加工・組立・処理、素材・部品製造、製品製造
製品・サービスのPRポイント
ハイマシナビリティ球状黒鉛鋳鉄は、高強度と優れた加工性を両立し、従来材よりも工具寿命を3倍に延ばすことが可能である。これにより、加工コストを削減しつつ、製品の耐久性を高め、さまざまな用途に応用可能である。
今後の実用化・事業化の見通し
引き続き、実機試験や製造プロセスの最適化を進めることで、建設機械や自動車部品としての市場投入を目指す。特に、重量軽減と燃費向上に寄与するため、環境負荷を低減する製品としての実用化が期待されている。
実用化・事業化にあたっての課題
製造工程における品質安定化が課題であり、特に異形管などの肉厚変動部での冷却速度や鋳造条件の最適化が必要である。また、Si、Ca、Biの添加量の最適化によるさらなる加工性向上が求められる。
プロジェクトの実施体制
主たる研究等実施機関 | 株式会社村瀬鉄工所 |
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事業管理機関 | 国立大学法人室蘭工業大学 研究推進課研究支援係 |
研究等実施機関 | 岩見沢鋳物株式会社 株式会社北海道特殊鋳鋼 国立大学法人室蘭工業大学 |
主たる研究等実施機関 企業情報
企業名 | 株式会社村瀬鉄工所(法人番号:3440001002411) |
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事業内容 | 上下水道用ダクタイル鋳鉄異形管の製造 |
社員数 | 164 名 |
生産拠点 | 函館工場(北海道函館市)、札幌工場(北海道札幌市) |
本社所在地 | 〒041-0812 北海道函館市昭和1丁目34番1号 |
ホームページ | http://murase-cast.co.jp/ |
連絡先窓口 | 札幌工場 取締役工場長 大平 |
メールアドレス | info@murase-cast.co.jp |
電話番号 | 011-791-1187 |
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